メモワール:第2回

放課後恋愛クラブ 〜恋のエチュード〜(Libido)

2004年8月25日

 Libidoといえば、かなりクセのある原画・塗りのうえに、わりと特殊な嗜好にマッチしたタイプのゲームを多く出しているメーカーです。このため、私の好みのタイプとはかなりズレており、ほとんど手を出すことはないのですが、その中で唯一の例外が『放課後恋愛クラブ』でした。

 時は1997年5月。『痕』をプレイした興奮さめやらぬ中、次のエモノとなりました。

 発売日は1996年12月とのことなので、リリースされてから半年たって購入したことになります。DOSからの移植モノが中心だった当時には、パッケージの帯などに見え隠れする肌色が、なんとも艶めかしく映ったことを記憶しています。パッケージが鮮やかなピンク色だったことも、エロ度の高さを、下品にならない程度にうまく表現していると思ったものでした。今から思えば、Libidoがそういったスマート路線に走ったことそのものが、実際には意外な戦略だったのでしょう。実際、この次には『放課後マニアクラブ 〜濃いの欲しいの〜』が出されたことを思えば、“清純派”ゲームはむしろ一時的なものだったといえます。しかし、ゲーム初心者だった私には、まだそんなことは見当がつきませんでした。

 ゲーム内容については、EP−ROMさんの昔話・その38をご参照いただくとして。とにかくCGはきれいなもので、当時のゲームとしては文句なくトップクラスだったでしょう。今となっては詳しいことは覚えていないのですが、マルチウィンドウ方式となっており、各種パラメータやメッセージウィンドウがメインウィンドウからフローティングする仕様になっていたため、当時のゲームとしては表示画面がかなり大きめだったという点も特筆できます。

 その反面、女の子の表情がかなり大きめに描かれながら、表情がまったく変化しないので、じーっとにらめっこしているような状態になってしまい、なんだか気持ちが悪くなってきました。Hシーンではともかく、それ以外のシーンでは大なり小なり判で押したように微笑を浮かべているので、例え面と向かって話をしているシーンであっても、会話をしている感じになれませんでした。蝋人形の写真が目の前にある、といった印象が、今でも強く残っています。

 さらに、当時として極めて強力だった、MMX Pentium 200MHzのCPU、VRAMが4MBのビデオカードを搭載していたPCを使っていたため、私は特に気になりませんでしたが、グラフィックがすべてフルカラーベースになっていたため、動作が相当に遅いと感じられた人も多かったものと推測されます。

 今からリプレイすれば、また印象は大きく違ってくるのでしょうが、最初にプレイした『痕』が、表情の変化とBGMによる効果が強かったため、グラフィックの美麗さに対しては、あまり興味がわかなかったという面もあるのでしょう。まあ、個人的な感覚はさておくとしても、グラフィックで押し出す可能性というものを見せてくれたゲームだった、とはいえるでしょう。

 その一方で、別の意味で強く印象に残るゲームともなってしまいました。

 このゲームは、放課後に最大3人の女の子と会話をし、折に触れて出てくる選択肢を適切に選んで進め、女の子と親密になっていくというものです。「クラブ」という名前のとおり、クラブ活動のノリで始めるわけですが、その実態は「放課後デートクラブ」とでもいうべきものでしょうか。しかし、女の子と会話する場所がファミレスに固定されていて、仲がどんなに進展していても、とりあえずそこから始めなくてはいけないという点には、非常に抵抗を覚えました。集団お見合い的に1個所に集まるというのならわかるのですが、主人公側から、空いている女の子を“指名”していくわけですが、こうなると男女間の立場の相違がどうしても表面化してしまうはずです。これでは、うまく口説ける環境になどなるはずない、と思ったものです。

 このほかにも、会話のテキストがどうにも生理的にあわないとか、シナリオが進む過程でヒロインの心理描写が理解できないとか、いろいろな不満が重なり、最後までプレイすることはできませんでした。

 今から思えば、シミュレーションゲームとしてはユニークなタイプだったと思いますし、キャラクターの使い方にも見るべきものはあったのかもしれません。しかし、恋愛シミュレーションというものをまったく知らないままにプレイした私には、ゲーム内に登場する人物の行動や言動はさっぱり理解できなかったのです。

 また、大半のゲームをコンプリートしてきた私が、中途で投げ出した数少ないゲームの第一弾ともなってしまいました。ネガティブなイメージばかりが強く残っているのですが、その後のゲームの嗜好を決定づけた名作の直後にプレイしてしまったため、という面もあるでしょう。

written by Ken