Angel Halo アクティブ

1996年10月17日発売(Windows95・PC-98・FM-TOWNS版)
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 ライトなシナリオに飽きてくると、暗い話、救いのない話が欲しくなります。しかし、陵辱を初めとするタイプではなく、明らかにハッピーとは縁のないシナリオを読ませるタイプのゲームというものは、さほど多くありません。このゲームはそういう、「さほど多くないゲーム」の1つだ、ということで、手にしたのですが…。

シナリオ

 時は世紀末、舞台は京都。主人公・日下部真(姓名とも変更不可)は、無気力で怠惰な高校生。

 1999年のクリスマス、悪魔「ルシファー」が復活し、地上はカタストロフを迎えようとしていた。これを阻止しようと、天界の天使たちは、「神の印を持つ」という真に接近する。一方、地獄の悪魔たちも、天使の動きを牽制するべく真に近づく。真の前に現れた、天使ソフィア、悪魔リリス。見た目は人間といささかの変わりもない美少女を前に、真は困惑する。そして遂に訪れた破局の日は、どのように迎えられるのか…。

 

 シナリオの主軸となるテーマが、よぉわかりません(^^;) 「救いのない話」というのがシナリオ全体の雰囲気のようなのですが、この「救いのなさ」の原因をどこに求めればいいのか、さっぱりわかりません。すなわち、予定的に近づくカタストロフ、接近する週末、こういう状況下で、「主体的に動く」のが誰なのか、そして、その人物の視点から見た場合の「世界」がどのように変じるのか、こういうところの書き込みが、決定的に不足しています。

 主人公を巡る伏線は、この事態に関して彼がコミットしていく過程を説明できるような配置がされてはいるのですが、肝心の主人公の「動かし方」は、理解に苦しみます。18禁ゲームである以上、エロを随所に配置する必要があるのは確かでしょうが、主人公が享楽にうつつを抜かすでもなく、かといってそれなりの決意を持っているようにも見えず、気がついたらシナリオが分岐して気がついたらエンディング近いイベントが起きて気がついたら終わっちゃいました。シナリオの描かれ方を見る限り、主人公の視点よりも、天使、あるいは悪魔の視点から見た方が、カタストロフに対峙する姿勢が見えてくるように思えるのですけれどね。主人公の動かし方は致命的だったと思います。

 ただ、背徳なノリやラブなノリのエンディングがあったので、この2つのエンドが作るコントラストが、全体を覆う虚無感を何とか救ってくれているように見えます。

ゲームデザイン

 コマンド選択式のアドベンチャーゲーム。シナリオが分岐する個所はさほど多くありません。また、分岐したかどうかも非常にわかりやすくなっています。

操作性など

 古いゲームではありますが、それでも充分に洗練されたユーザーインターフェイスは、さすがアクティブ、といってよいでしょう。

サウンド

 男女含めてのフルボイス仕様です。BGMは、失礼ながら全然記憶にございません(^^;)

グラフィック

 聖少女さんの原画。立ちCGが可愛くないとか、妙に仰々しいウィンドウ枠とか、目について仕方がないブラウン系の色調とか、文句は結構出ますけれど、実はこういう絵も悪くないと思っていたりします(^^;) でも、聖少女さんの原画って、暗いシナリオでしか見かけないように思うのですが、なんででしょうかね。このゲームでも、女性が心から破顔するシーンなどなかったのですが、こういう絵が見たいな、という気がします。 …をうっ、このゲームとは直接関係ねぇ話になってもたがな(^^;)

 Hシーンは、なかなか濃厚ですね。

お気に入り

 皆無。キャラに萌えるようなゲームじゃないですし、何より、キャラが活きていません。

総評

 設定を広げすぎて、結局まとめきれないまま、無理に収束させてしまった。そんな観のあるシナリオでした。ライトなノリであれば、追体験、あるいは疑似体験という形で、ほわほわ〜んとした雰囲気を作ってしまえば、プレイヤーはかなりラクに引っかかります(^^;)けれど、暗い路線の場合、そういう子供だましは不可能です。

 ただただ、先へ進もう、進めば何かあるだろう、と期待しながら進めていたら、終わっちゃった。これでは、「手軽」という以上の感想は出せません。

 ボイスなど、当時としてはおそらくかなり新鮮であっただろう試みに注力しすぎ、根幹が脆弱なまま市場に出されてしまった、そういう印象です。

個人評価 ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆
1999年8月22日
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