魅惑の調書 ディスカバリー

1995年12月8日発売(DOS版)
1996年9月27日発売(Windows/95版)
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 縛られている女の子が表紙に出ているパッケージ、そこから感じ取れるダークな雰囲気と「魅惑」という言葉とのミスマッチ。不可解というよりは不思議な取り合わせというべきでしょう。何も考えずに買ったゲームですが、それなりに楽しむことができました。

シナリオ

 主人公・堅物剛(下の名前のみ変更可)は、出版社の特殊契約社員で、女の子のデータ収集を仕事としている。ノルマまでの残り3人を仕留めるため、ナンパに勤しむ主人公。しかし、持病の発生など、そろそろ潮時とも感じていた主人公は、本命の女の子と楽しい生活を送るのもいいな、と考えていた。

 

 ナンパゲームですが、「ナンパが先で恋愛はその次」というのを明確にしているのは斬新です。ナンパに理由づけがあり、したがって「らぶらぶにならんでもいいから取りあえず女の子を落とす」ことを優先させるゲームとしては、例えば『きゃんきゃんバニープルミエール2』(カクテル・ソフト)などがありますが、ここまで明確に割り切っているのは他にほかがありません。ナンパも「仕事」でやっているとなれば、問答無用で説得力を持ってきます。こういった「基本的な組み立て」がしっかりできているため、その後の展開に際して、後味の悪くなるような引っかかりが少ない点は、充分に評価できましょう。

 さらに、各ヒロインも、質量ともにバランス良く揃えており、年齢が比較的高めということもあって、いい雰囲気を出しています。パーティという品のある舞台設定がぶち壊しになることも特になかったのもポイント高し。

 その反面、キャラクターごとで見た場合、ヒロインへの対応に納得いかないというケースが間々あったのは残念です。「自分がナンパを業としている」ことを隠していないのはいいとして、Hシーンになってもヒロイン側が妙に迷いを残しているケースが多いのはちと興ざめ。特に、妹のさとみなど、設定ゆえに当然出てきてしかるべき「悩み」といったものがほとんど見られず、一気に進んでしまったのは勿体ないですね。

 

 それにしても、妹とああいうエンディングを迎えるのには、本当に驚きました。ここまでさっぱりきっぱりしたエンディング…いいのか、ホントに?(^^;

ゲームデザイン

 移動先によって女の子と出会い、彼女たちとの出会いの回数や好感度、さらには女の子たちとの組み合わせで攻略対象(7人中3人)が決定するアドベンチャーゲームです。この組み合わせを見極めるには、相互に関連の強そうなキャラはすぐに見当がつくものの、そうでなければなかなかわかりにくくなっています。また、最後の最後で、攻略した3人の中から1人を選ぶことができます。

 さらに、Hに持ち込んだ後、調書(女の子の意識調査・三択の選択肢が10個)作成があり、これで一定以上間違えると、ラストで振られます。女の子との会話をしっかり読み込んでいればそう難しくはありませんが、面倒だとばかり会話をスキップしまくっていると、後に顔を青くすることになります。話はしっかり聞いてあげないとね(^^)

 移動個所がけっこう多く、すべての場所に行かないとフラグが立たないケースが多いのですが、それでも「行くだけ」でOK、他のよけいなコマンドは特に必要ないので、後発『Get!』(BLACK PACKAGE)のようなうざったさを感じることはありませんでした。ボリューム的には軽め、特に深く考えなくても選択肢に意地悪なものはさほどないので、取りあえずハッピーエンドに持ち込むのはさほど難しくありません。しかし、キャラによってはかなりフラグ立てが難しいものもあるので、全エンディングを見るのはなかなか大変です。

不具合・修正プログラム

 回想モードで翔子のCGが見られない、最終日に無限ループになるといった不具合がありました。どこかのWeb(FTPだったかな?)サイト(^^;)からダウンロードしてきた修正ファイルを使うことで回避できました。

操作性など

 マウス操作が基本で、キーボードは受け付けないようです。

 セーブ&ロードは15個所、基本的にいつでも可能ですが、調書作成時とラストの1人チョイスの時だけはできませんから、特に後者では、その直前でセーブしておく必要があります。また、アンインストールする際に、セーブデータを待避したり、あるいは既存のセーブデータを復帰させたりすることができる(セーブファイルだけでなくレジストリ情報も含めて)のは、非常に親切な設計です。

 一応メッセージスキップはありますが、CGが書き換えられるとストップするので、会話をするたびに止まり、まったく意味がありません(^^;) また、先述の通り、スキップを多用すると、調書作成で引っかかるので、丹念に見ていった方がいいでしょう。

 CGモードは、全CGにそれぞれ「××A」のように番号が付されているので、「どのCGが未見か」は一目で分かるのがいいですね。また、エンディングを迎えたキャラクターごとに、そのキャラクターが語る形で回想モードが入っているのも嬉しいところ。

サウンド

 BGMは、CD-DAで演奏されます。シーンごとのメリハリが効いた感じの曲で、なおかつ、曲が大暴れして雰囲気を作り上げてしまうほどのものではなく、いわば「BGMとしての分」をきちんとおさえている、そんな印象を受けました。

グラフィック

 大越秀武さんがメイン原画担当で、やはり女の子は非常に可愛いですね。基本的に丸い目の娘が多く、また髪の毛(「髪型」ではない)が独特の味を出しています。

 16色のベタ移植なので、かなり古くささは残りますが、それでも問題ないと感じました。

お気に入り

 翔子、次いでひとみですね。性格的にはまるっきり違いますが、序盤に登場するキャラクターで、主人公は「手をつけた以上拾い上げる義務がある」と感じさせるキャラクターといえましょう。後半に活躍するイロモノ連中は遠慮いたします(^^;)

総評

 看板に偽りなき、正真正銘のナンパゲーム。こう書くと、やはり人は「その場だけホンキ」という主人公を思い浮かべますが、それを異なる形で展開してくれるゲームです。また、キャラクターの作りもしっかりしているので、会話を楽しみながら気楽にプレイしたい、という方には、今からプレイしてもそれなりに満足できそうなゲームです。ただ、シナリオのボリュームに期待してはいけません。あくまでも「気楽なゲーム」と捉えるべきでしょう。

個人評価 ★★★★★ ★☆☆☆☆
1999年9月22日
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