Get! BLACK PACKAGE

1996年9月13日発売(DOS版)
1996年12月12日発売(Windows95版)
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 学園祭というコトバからは、裏方仕事で汗だくというイメージしかわかないのですが、ことXゲームの世界に掛かっては、それは早速草狩り場へと変容するわけです。要するにナンパものです。いろんな面で古くささを感じるゲームではありましたが…。

シナリオ

 主人公・崎坂竜馬(下の名前のみ変更可能)の所属する電子計算機同好会は、予算不足で学園祭に出店できず廃部の危機に瀕する。その時、賞金100万円の「カップルコンテスト」優勝に望みをつなぐ主人公だったが、部員で幼なじみの小春は出場してくれないという。彼はやむを得ず、パートナーとして出場してくれる相手を捜しに奔走するのであった。

 

 オープニングからして、あまりにも納得のいかない展開が非常に多いのが気にかかります。学園祭の「出店」とサークル活動の関係、といった無理な設定は、ひとまず措くとしましょう。しかし、小春が頑としてコンテスト出場を拒みながら、その背景や意味がほとんど書かれていないため、最初から「?」がつきまといます。もちろん、ナンパのためには彼女が出場してはいけないのは判るのですが、それにしては心理描写があまりにも稚拙であり、「何わがまま言っとんじゃあこのボケがぁ」とわめきたくなるほど、精神的な幼さを露呈している、としか考えられない「メインヒロイン」になっています。「素直になれない」という狙いだったのでしょうが、マイナス面にしか働いていません。

 最初からしてこれなので、それ以降も、シナリオ的には見るべきものをほとんど感じられませんでした。随所に出てくる会話にもさして面白い要素は特にありません。

 それにしても、「ペンティアム300MHz」がハイスペック、というあたり、時代を感じさせます。

ゲームデザイン

 学園内を移動し、選択肢で行動決定を行うタイプのアドベンチャーゲームで、中途の分岐はあるもののシナリオ的にはほぼ一本道です。ヒロインの好感度やフラグ立てによって、最終的にエンディングを迎えられるキャラクターが決定します。

 『魅惑の調書』(ディスカバリー)と同様のシステムですが、『魅惑の調書』では行き先でイベントが発生しなければすぐに他の場所へ移ればよかったのですが、このゲームでは移動個所そのものが多いうえ、各場所で「見る」「話す」「考える」その他のコマンドを一つ一つ実行して行かなくてはならず、あまりにもかったるい。

 ヒロインの大半は、2人1組という形での背反となっており、それらは二者択一が迫られますが、それ以外の場合は、よほど無神経な選択をしなければ問題ありません。もっとも、二者択一の選択肢自体が見分けにくいケースが多いうえ、かなり鬼畜な選択をしないといけないケースもあるなど、選択肢の作り方にセンスが感じられません。

 

 なお、コンプリートすると、「WET!」なるおまけシナリオに入ることが出来ます。CGモードから入れますが、入会審査(笑)がけっこう厳しいですね。

不具合・修正プログラム

 涼子や清美のエンディングフラグでの不具合、あるいは3日目に無限ループに入るといった不具合がありました。ブラックパッケージのWebサイトにアップされている修正ファイルを当てると、これらの不具合は解消しました。

操作性など

 キーボード・マウスの双方が使用可能ですが、メインウィンドウとメッセージウィンドウとが別個のウィンドウになっているため、一方で操作するともう一方はアクティブウィンドウではなくなり、キーボード操作ができない、という形式になっています。あえてメッセージウィンドウを別個に分けた意味はよくわかりません。

 セーブ&ロードはいつでもできるのは便利ですね。また、アンインストールする際に、セーブデータを待避したり、あるいは既存のセーブデータを復帰させたりできる(セーブファイルだけでなくレジストリ情報も含めて)のは、非常に親切な設計です。

 一応、メッセージスキップはありますが、CGが書き換えられるとストップするので、会話をするたびに止まり、全く意味がありません(^^;)

 CGモードは、全CGにそれぞれ「××A」のように番号が付されているので、「どのCGが未見か」は一目でわかるのがいいですね。また、エンディングを迎えたキャラクターごとに、そのキャラクターが語る形で回想モードが入っているのも嬉しいところ。

サウンド

 BGMは、CD-DAで演奏されます。割と感じのいい曲ではありますが、印象に残るメロディはありませんでした。それ以上に違和感があったのが、ゲーム内での効果音が一切ないこと。味気ないことこのうえありません。

グラフィック

 大越秀武さん他が原画を担当されていますが、おそらく担当者の違いによるのでしょう、かなりできにムラを感じます。特に、Hシーンと通常の立ちCGとのクオリティの差といったら…やはり、「落とす」ことを主眼としたナンパゲームというより、Hシーン主体の「本来的な」(笑)ゲームゆえなのでしょう。

お気に入り

 これだけいれば萌えられるキャラが出てもいいものでしょうが、ゲーム進行自体が作業と化してしまったためでしょうか、そういったキャラは出てきませんでした。強いていえば由梨でしょうか。

総評

 シナリオ面での粗が目立つこと、ゲーム進行に必要な手順のむだな多さ、ストーリー進行に面白さが感じられないなど、「楽しさ」を感じられるシーンがなかったのが痛かった。こういったゲームの中心となるキャラクターにしても、正確や行動に偏りや不自然さが際立っており、「かわいいな」と思うこともほとんどありませんでした。

 でも、何度もプレイするのに抵抗はなく、コンプリートしてしまったので、そこそこハマれる程度のものではあったのでしょう。

個人評価 ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
1999年9月24日
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