HighスクールDays May-Be SOFT

1996年11月22日発売(DOS版)
1996年12月13日発売(Windows95版)
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 転校という言葉には、うら寂しさと期待との双方の響きを感じるものです。私自身は、中高一貫校の出身ということもあって、転校はおろか転校生とも無縁だったのですが、小学校以前の転校という体験から類推すると、いろいろと刺激的な体験になったのだろう、と思います。

シナリオ

 主人公・坂本隆志(固定)は高校生。祖父の死去をきっかけに転職した父に従い、埼玉から北海道へと転校することになった。海と坂の街で、彼はどんな出会いと体験をすることになるのだろうか。

 

 クラスメートとのやりとりをする毎日ですが、イベントの量はかなり絞られており、のんべんだらりと進むわけではありません。転校生であるがゆえに退屈するヒマなどないのが実情ですが、それをうまく使っていると感じます。

 また、主人公の視点で見た場合、年齢相応のぎこちなさがうまく描けているのが印象的です。『Coming Heart』などとは違って、「流されやすい」という面が鼻につくことはなく、「周りが周りだもんね」という気にさせてくれるのは、とんでもないキャラクターがメイン級には存在していないから、ということでしょうか。いわゆる「サービスシーン」担当はサブキャラにすべてを任せ、メインのキャラはあくまでも「くすぐったがらせる役」に徹しているようです。このあたりのバランスはいいですね。

 ラブラブな展開ではありますが、ベタなお話というより、ノリのよいコミカルな感じで話が進みます。いつの間にか出来てしまった悪友グループとの与太話は、笑えるというほどではないにせよ、退屈させない程度に光るものを持っていました。

 その代わり、エンディングの破壊力がやや弱いのも確か。『Coming Heart』に比べると、むずがゆさのパワーは一回り小さくなっています。それでも、朝っぱらから「私のお弁当だよ(はぁと)」は、やっぱり強いです(^^)

 

 それにしても、「食べ物がうま」くて「鉄道で有名」で「寺が有名」な「埼玉県」の場所って、どこ? 北海道側の舞台が小樽というのはすぐにわかりましたが。あと、クイズの中に『Coming Heart』の使い回しがあったのも興ざめ。

ゲームデザイン

 コマンド選択でシナリオが変化する、ごくオーソドックスなタイプのアドベンチャーゲームです。分岐の見極めがあまり明確ではないのですが、何度かプレイしているうちにCGが100%になってしまいましたので、難易度はそれほど高くないのでしょう。

操作性など

 マウスしか使えません。しかも、メッセージスキップもありません。ゲーム自体はさほど長くはないとはいえ、とにかく疲れます。一応、メッセージ表示速度を調整することはできますが、あまりありがたみもありません(^^;)

 セーブ&ロードは、選択肢が出たところのみで可能です。しかし、セーブデータをレジストリに書き込むのは、どうもねぇ…。独自のセーブファイルを作るといったって、そうパフォーマンスに影響ないと思うのですが。

 …ということを、『Coming Heart』にも書きましたが、やはりそのまんまです。

サウンド

 BGMはPCM再生です。テンポはよく、それなりに楽しげな雰囲気にマッチしています。

グラフィック

 キャラ原画は影崎夕那さんの担当。かなり図柄が安定しています。『Coming Heart』に比べるとHシーンは薄目ですが、まぁ高校生ですからね。

 立ちCGでの表情変化はさほど目立ったものではありません。制服のおっきなボタンがけっこう気になりましたが、むしろ夏服ゆえの涼しさが気持ちよさげです。

お気に入り

 角川純。いや、横取りが好きというのじゃないですよ、断じて(^^;) エンディングが一番キたので。

総評

 そこそこのまとまりを持ち、コンパクトにまとまった小作品と評すべきでしょう。堅実ではあってもそこからはみ出る「何か」があるわけではありませんが、バランスは取れていると思います。ただ、ボリューム不足という点を解消しようとして『や・く・そ・く』で墓穴を掘っているだけに、今後はこういう路線の作品にはあまり期待できそうにないのが残念。「ハートウォームなラブコメディ」再開が望みたいのですが。

個人評価 ★★★★★ ★☆☆☆☆
1999年9月15日
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