Piaキャロットへようこそ! カクテル・ソフト/F&C

1996年7月26日発売
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 私事で恐縮ですが、私は客商売というものをやったことがありません。しかし、食い物関係のアルバイトならやったことがあるので、外食産業のバイトとなると、実にいろいろと感慨深いものがあります。夏場にああいう仕事をすると、マジで体力を消耗するので、女の子に囲まれてウハウハ状態などということはまずないし、1か月やそこいらのバイトが、自分の意志で配置を決めたり変えたりできるわけありませんし、缶詰状態に近い中での長時間労働、「万国の労働者よ団結せよ」と叫びたくなる環境でした(^^;) バイトの半分以上が契約期間中途でやめてしまったため、臨時ボーナスがたんまり出て結果オーライではあったのですが、実情を知るものとして、「外食産業でバイトという設定からどうやって始めるんだ?」という気になったことが、このゲームを購入する契機になった次第です。

シナリオ

 幼なじみの森原さとみに告白して玉砕、赤点がなければ旅行OKという父親との賭けにもあっさり負けた、主人公・木ノ下裕介(姓名とも変更可能)は、父親が経営するファミリーレストラン、「Piaキャロット」でアルバイトをすることになった。するとそこには、他にも可愛い女性たちがアルバイトをしていた。また、店の外でも、いろいろな女性たちと出会うことになる。主人公は、ファミリーレストランという舞台で、どんな夏を過ごし、そして、どんな結末を迎えることになるのか。

 

 舞台はアルバイト先のファミリーレストランです。エンディングの対象となるキャラクターは8人(数え方によっては9人)と、ほどほどの人数でしょう。

 各キャラクターごとに別個のシナリオとなっていますが、基本的に、ちょっと大きめのイベントが用意され、それをうまくクリアしてエンディングへ、という流れになっています。したがってシナリオは非常にシンプルなもので、ボリューム的に絞り込んでいるので無駄がない反面、ややダレがくる点は否定できません。

 しかし、主人公の行動設定が実に素直であり、訳のわからない行動を取ってプレイヤーを振り回したり、あるいは勝手に落ち込んだり、そういった不快な素振りをほとんど見せない、実にあっさりした性格であったため、気分良くプレイできたのも確かです。お気楽なゲームの場合、主人公の性格は素直に設定するのが無難という、いい例といってよいでしょう。

ゲームデザイン

 自己育成型SLGで、パラメータを自分で調整していきながら、他キャラとのイベントを発生させ、各ヒロインとの関係を進めていくゲームです。

 1日は、基本的に午前と午後とに分かれます。午前中はフリー、午後は仕事(休みの日はフリー)となります。午前中は、勉強、運動、他キャラとの接触、あるいは休息などを行い、午後は、業務内容(1週間単位で組むことが出来ます)に応じた仕事を行います。それぞれの行動によってパラメータが変動し、また、イベントが発生します。

 お目当てのヒロインを攻略するには、そのヒロインに対する好感度を上げておくのはもちろんですが、必要なイベントを発生させておくこと、主人公のパラメータを一定水準以上にしておくことが必要です。各キャラクターごとに、重点的に上げておくべきパラメータがあるので、イベント発生表を見れば同時攻略も不可能ではないものの、実際は最初からオンリープレイで行く必要がありましょう。パラメータの数値は、ニンジンの数で表され、最大で10となっています。

 なお、ゲームを始める段階で、制服を選ぶことが出来ます。

不具合・修正プログラム

 私の環境では、特に不具合はありませんでしたが、F&CのWebサイトに、アップデートファイルとADMの最新版とがアップされているので、ダウンロードしておくのが可でしょう。

操作性など

 セーブ&ロードは、自室で就寝前にのみ可能ですが、場所が限定されているのでかなりやりにくいという印象があります。ゲーム中はトップメニューに戻ることが出来ないなど、ユーザーインターフェースはあまり良いとは言えませんが、画面切り替えなどは非常に軽快で、ストレスを感じることはまずないでしょう。

 CGモードでは、CGは各ヒロインごとに分かれています。また、BGMモードでは、ちびキャラが唱ったり演奏したりしてくれます(^^) どちらも、一度セーブorクリアしてから再開すると、入ることが出来ます。

サウンド

 対応OSはWindows3.1/95で、Windows98でも問題なく動作しますが、Windows2000/XPでは動作しません。

 CD-DAで演奏されます。夏の青空のBGMにもってこいという感じの、突き抜けるような明るさをうまく出している、そんな印象を受ける曲が多いですね。

 あと、翔子のアタック効果音が結構利いていますし、ポイントが変動したときの「ポロロン」という音が、結構好きです。

グラフィック

 16色となると、さすがに「美しい」というよりは、「頑張っているな」という印象が先に立ってしまうのは、仕方がないでしょう。

 女の子は、みんなそれぞれにかわいいのですが、髪の色や長さを見ないと、誰が誰だか区別がつきませんでした(^^;) 特にさとみなど、仕事中とプライベートとで髪型が変わるので、最初「これ、誰?」状態でした(^^;)

 背景原画は、どうにも今ひとつという印象がありますが、その反面、イベントCGには、ぞくっとくるほど美しいものが入っています。店先でのさとみ水浴びとか、海岸でのさとみキスシーンとか。

 そういえば、冒頭の画面は2通りあるのですが、この2つは交互に出てくるのでしょうかね?

お気に入り

 う〜ん、特に「気に入ったキャラ」はいなかったんですよねぇ。さとみのような性格の屈折ぶりは好きじゃないし、翔子ちゃんのようなストレートの強さはかわしたくなるし。強いていえば、佐織でしょうか。エンディングの笑顔が印象的だったので。

総評

 舞台設定を、ファミリーレストランという限定された、しかし意外なところに置いたこと、各キャラクターをうまく描き上げるのに成功したことは、十分に評価できるでしょう。シナリオの薄さはやや物足りないという印象がありますし、イベントが少ない割にパラメータ条件が厳しいなど、ゲームバランスにおいてやや難アリ、と思う個所もありますが、設定の斬新さと、キャラをじっくりと詰めているという手堅さとを評価したいと思います。

個人評価 ★★★★★ ★★☆☆☆
1999年8月24日
Mail to:Ken
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