きゃんきゃんバニープルミエール2 カクテル・ソフト/F&C

1996年12月26日発売
ご意見などは掲示板へどうぞ

 パッケージに微笑む女神、そして「恋愛体験・しみゅれーしょんADV」のロゴ。世に名高いきゃんバニシリーズ、さらに、スワティという存在はどういったものか、それをこの目で確かめたい、という動機で購入したのが、1998年8月頃。しかし、心に残ったキャラクターは、もっと別の形で、少しほろ苦い風を残してくれたのでした。

シナリオ

 今日も明日もナンパ三昧の主人公・大輔(変更可能)。ある日、帰宅途中、天からタマゴが降ってくる。そして、そのタマゴを無事にかえすために降臨したのが、スワティを初めとする七福神。ところが、このタマゴから何がかえるかは、主人公の「業」によって決まるという。そんなこんなで、主人公は、彼と縁のある人を「幸福にする」必要ができた。主人公は、10日間という短い期間内に、タマゴから神様をかえすことができるのだろうか…。

 

 タマゴをかえすために「幸せにする」=「女の子を落とす」という、まぁこれほど強引な動機づけもないでしょういけれど、ここまで豪快にやられれば見事なものです。とにもかくにも話の展開に口実を設け、ひたすらナンパ三昧という、実においしい(^^;)お話です。話の展開はまぁしょーもないものが多いのですけれど、キャラクターはそれなりにみんな可愛く描かれているのが好感をもてます。

 ヴォイス付きの会話がゲームを引っ張るというスタイルは、発売当初は相当に革新的なものだったと思われますが、特にヒロインたちとのやり取りでは、会話のテンポが非常に良かったと思います。

 

 しかし、それはそれとして、メインヒロイン的な立場にある(ように見える)スワティの存在理由が、実に「わけわからん」のですな。彼女は攻略対象キャラではなく、しかし、最初から最後までいるわけで、他のシリーズをほとんどプレイしていなかった私にとって、なんで彼女に人気があるのか、さっぱりわかりませんでした。

 彼女が主人公に気があるのだろう、というのは、いうなれば美少女ゲームのお約束という「文法」に即して説明可能です。しかし、それ以上には、何の深みも用意されていません。他の人間キャラクターと区別した存在として「そこにいる」ことの意味が、さっぱり分かりません。

 止めを刺したのは、スワティが中途半端に活躍する、あるキャラクターのイベント。彼女が「中途半端に」活躍するために、そのキャラクター(ヒロインの1人)はもちろん、『きゃんきゃんバニーリミテッド5 1/2』で活躍したドジでお茶目な見習い女神、サワディの努力も、事実上水泡に帰するという、非常に後味の悪い結果に終わっています。少なくとも、このシーンがなければ、「強引な設定だけど後味の悪くないナンパゲーム」で済んでいたと思うのですが、下手にキャラがたっていただけに、スワティに対するネガティブな印象が肥大化する結果になってしまいました。

 

 一つだけ忠告。可愛い女の子がいっぱい出てくるとはいえ、「ヒロインたちとのハッピーエンド」は、実は用意されていなかったりします。ヒロインとのエンディングが用意されているのは、攻略可能キャラクターの中では一人だけと言ってよいでしょうし、その「エンディング」も、後味の悪いことこの上ないものとなっています。何せ、主人公への恋心を持ち続けたまま、スワティの存在ゆえにそれが実らない、という形になっているのですから。

 同時攻略が必要という前提があるゲームであるのに、最終的に「一人を選んであとはポイ」という、いつか刺されそうなスタイルよりは、みんな離れちゃったという方が潔くてよい、というのは確かでしょう。しかし、この『プルミエール2』の取ったエンディング方式は、どう考えても失敗だったと考えます。詳細は別項で記していますが、「締め」ができていないだけに、なんとも困ったものです。

 

 キャラクターの描写は、結構濃淡があるものの、みな性格づけなどがきちんと出されており、感情移入するのに苦労しないよう、実に巧みに描かれています。このあたり、「萌えキャラづくりにはF&C」という定評通り、といったところでしょうか。

ゲームデザイン

 10日の制限内に街中をぶらついては女の子を口説き落とします。そうはいっても、行き先は両手で数えられる程度、しかも「出逢いの可能性のある場所」は限られるので、特に序盤で「どこにいっても誰もいない、時間だけが過ぎていく」という心配はありません。

 各女の子には「好感度」と「幸福度」とがあり、これらはビジュアルで容易に確認できます。このあたりのお手軽なインタフェースは悪くないですね。女の子への対応は、よほど変なものを選ばなければ、そうそう失敗することはないと思います。

 そして、女の子を「幸福にする」ときには、1人だけでは「福を授けた量」(^^;)が少なくてダメなのだそうで、何人かに「福を授ける」必要があります。要するに、ハッピーエンドを目指すためには、「複数同時攻略が"必須"」なわけです。潔癖な方には耐え難いものがあるでしょうが、薄情な私には、良い口実が出来たわぃ、てなもんです(^^;)

 その気になれば、6人全員同時攻略も可能ですが、なかなか大変なので、3〜4人を落とすのが現実的でしょう。

 なお、イベントの前後で、シナリオが明らかに矛盾している個所がかなりありました。特に、サワディ絡みのイベントなど、ムチャクチャの極みという状態です。個人的に気に入っているキャラクターだけに、可哀想なものがあります。

不具合・修正プログラム

 某キャラのシナリオを終えた時点で、ゲームが止まる現象が起きます。F&CのWebサイトに、アップデートファイル、ADMの最新版がアップされていますので、この双方をダウンロードすることをお勧めします。

操作性など

 インストールの際には、ディレクトリを任意選択できるものの、「PR2WIN」というフォルダが強制的に作られ、そこにファイルがコピーされる仕組みとなっています。

 入力デバイスとしては、マウス、キーボードの双方が使用可能ですが、移動画面などもあるので、マウス操作が中心となるでしょう。

 セーブ&ロードは、移動画面や1日の終わりなどの指定箇所で可能、ロードも同様。セーブ可能なのが5ヶ所というのはかなり物足りないですが、セーブあるいはロードするとき、スワティまたはサワディが喋ってくれます。また、セーブ時の場所や時刻も表示されます。

 画面表示は、基本的に640×480フル表示で、下部にメッセージウィンドウが配置されます。画面外のキャラクターが会話に加わる場合は、小さい顔CGが出ます。

 メッセージ速度調整やスキップ機能はありませんが、一プレイにかかる時間はそれほどでもないですし、選択肢がもともと多いこともあって、さほど気にはなりません。

 一度ハッピーエンドを見ると、CGやムービーを見ることができますが、未見のものまで全部見られるようになってしまうのはちょっと問題では? 各キャラクターごとに見られるのですが、私は、初回プレイでは「東山日奈緒」嬢には出会うことなくプレイを終えたのですが、彼女のCGを一枚ずつ見て、「よっしゃー、次はこのコだっ」と闘志を燃やしました。まぁ、こういうプラス面もあるのですけれど、一般的にはどうもねぇ。

サウンド

 オープニング曲で思い切りのけぞり、エンディング曲で腰がくだけます(爆笑) 声優さんが直に歌を担当されると、こうなるのかなぁ。アセンブラージュも似たようなことをやっていますが、ここまでぶっ飛んではいません(^^;)

 それを除けば、BGM(MIDI)はなかなかいいですね。日常パートでのポップな曲、Hシーン前後でのしんみりした曲のいずれも、あくまでも「バックグラウンド」の「ミュージック」として、控えめながらもいい味を出しています。

 CVについては、長崎みなみさん演じる東山日奈緒嬢が一押しでしょうか。あと、サワディ。この両者は、ゲーム中では密接な関係にあるのですが、この2人の会話を「一人で」こなされている長崎さんの演技力は、実に見事なものです。

 ただし、七福神以外の男性キャラは声ナシだったのが、ちょっと残念ですね。東山画伯の声くらいあってもよかったと思うのですが。

グラフィック

 キャラクター原画は、みつみ美里さんがメインで、一部、CHARMさんが担当されています。女の子はいずれも可愛く、また表情の変化もかなり的確に描けています。サワディのむくれ顔が一番いいかな。

 ただ、減色がかなりひどく、背景に縞模様がくっきりと見える有様です(256色)。F&Cのゲームといえばグラフィックには定評がありますが、Windowsソフトとしてリリースされたゲームの中で、ここまで「汚い」面が見えてしまうゲームは他にはありません。

 あと、Hシーンで、上下スクロールするのですが、これが速すぎて、ムードもへったくれもありません(^^;) MMX Pentium200MHz(当時)程度のCPUでシャカシャカ上下運動されてもねぇ(^^;;;)

お気に入り

 お茶目な見習い女神・サワディと、「平成のおとぼけお嬢」(マニュアルによる)東山日奈緒の両名。

 サワディが、唯一マトモに頑張るのが、日奈緒シナリオです。他のシナリオでも活躍(?)しますが、単なるおまけ役以上の何者でもありませんでした。

 そして、サワディがいたからこそ、日奈緒も不幸から抜け出せる第一歩を踏み出せたわけで。

 そういう次第で、この2人にはペアで転びました(*^^*) 相互依存関係にあるキャラクターとして受け止めています。

関連リンク先

 九牙さんのサイトがまずは必読でしょう。あと、SHEOさんのサイトも。

総評

 「評価」しようとすると、やはり「ナンパゲームとして」ということになるのでしょうが、スワティの位置づけがしっかりできていないのが、やっぱり痛いですね。単なる居候に徹していればいいのですが、中途半端に御邪魔虫になっている点が致命的だと思われます。

 きゃんばにシリーズ中、『きゃんきゃんバニー・エクストラ』は、なかなかの作品だと思えますし、ここですでにスワティの物語は完成しているわけですけれど、これのWindows版はいまだに出されていません。すなわち、AT互換機+Windowsという環境でプレイしている限り、スワティというキャラクターの姿を知るすべはないわけです。もともと、シリーズものとはいえ、他のゲームをプレイしないと楽しめない(あるいは不快感が拭えない)というのは、かなり問題があるのですけれど。

 しかし、魅力的なキャラクターがかなり出ていることは確かなので、ナンパゲームに対して嫌悪感を抱かない、と言える方なら、取りあえずプレイされてもよろしいかと思います。キャラ描写はしっかりできていますから。

 私的に、続編リリースを強く希望するゲームの1つです。次の名台詞が、実現されることを望んでいます。

さようなら…また、会える、その時まで…… さようなら…素敵なひとときを、感謝します…

個人評価 ★★★★★ ★★☆☆☆
1999年8月19日
(2000年1月2日、加筆・修正)
Mail to:Ken
[攻略ページへ] [「語るね、俺」へ] [レビューリストへ] [トップページへ]