バーチャコール2 フェアリーテール/F&C

1995年12月22日発売(DOS版)
1996年10月25日発売(Windows3.1/95版)
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 私が最初にプレイしたフェアリーテール、いな、アイデス(当時。現・F&C)のゲームが『バーチャコール2』でした。パッケージ表に、溢れんばかりに自己主張しているたくさんの女の子たち。彼女たちと、うへへへへ〜、ぐへへへへ〜、な毎日を送るのかぁ…と脳天気なことを考えつつパッケージを手にしたのでしょう、おそらく(^^;) 今は枯れてきたもんなぁ…

シナリオ

 主人公・長谷川邦彦(姓名とも変更可能)は、冴えない大学生。間もなく引っ越すという近所のガキ・エミリは、いつまでたっても特定の彼女が出来ない主人公を心配して、テレビ電話を使った「バーチャコール」へ入れるメモリーカードを渡す。これをいいことに、ここで女を引っかけることに命を賭けるような毎日を送る主人公。そして、彼と仲良くなる…もとい、毒牙にかかる(^^;)女性たち。そんな荒涼とした日々を過ごした後、寂しそうにエミリが旅立つ。その後、彼の隣にいるには、いったい誰なのか。

 

 「バーチャコール」とは、テレビ電話回線を使った、いわば「テレクラシミュレーション」(^^;)とでもいえましょうか。ここで女の子を口説き落としていくわけです。もっとも、この「バーチャコール」という回線にはいるためには、大仰なヘッドギアを装着しないと入れないそうです。にもかかわらず、話し相手はヘッドギアなしで全身が見える。相手も、(おそらくは)ヘッドギアを頭部だけに(当たり前か(^^;)装着しているのに、です。何だかさっぱりわかりませんが、これもすべて「ぎじゅつのしんぽ」とやらに説明をお任せするべきなのでしょう。

 

 バーチャコール回線に登場する女の子は、オペレータのウィンディを除いて、総勢7人。さらに、バーチャコール回線以外でも、電話番号を聞いて独自に電話をかけたり、外出した先で新しい女の子と出会ったりします。基本的に、主人公のモノローグと会話のみで話が進みます。ウィンディのツッコミがたまに入りますが、彼女のシナリオは用意されていません。まぁ、半端なシロモノを作られて当方が激怒する、というのも、考え物なのですが(^^;)

 この際の、あまりにもアホらしい会話のやり取りがばかばかしくて笑えますが、キャラクターの描き方によって、インパクトはかなり違ってきますね。ビジュアル的なインパクトのあるヒトミなどは、シナリオ的にはインパクトゼロだったしますし(^^;) でも、基本的に、そのノリの良い会話は、プレイ時間の長さにも関わらず、間延びさせるいとまを与えないだけのパワーを持っています。特にこれといった内容のある話ではないのですが、「おしゃべりを楽しむ」というコンセプトでいえば、非常に愉快なひとときを過ごせると思います。

 ただ、「強い」キャラクターは、「このコ可愛い」と思わせるようなキャラクターに仕上がっていますね。外伝の『バーチャコール2.2』を見る限り、瀬能小夜子、天王寺鈴音、藤島綾香の3名が人気を集めていたようです。

 

 エンディングは、各女の子(本当に女の子です、“疑似女の子”はいません(^^;)ごとに用意されていますが、そのそれぞれに対し、大団円というか、豪快なギャグで力任せに決めたものが多く、最後の最後で本当に大笑いさせてもらいました。エンディングによっては、つまらん、と思うものも確かにありましたが、基本的に、ああいう愉快な終わり方は好きですね。

 ただ、1人を選ぶというスタイルなので、残りの女の子は捨てられるわけで…この主人公、絶対に刺されますね(^^;)

 それはともかく、あの妙なマニュアル、書き方が妙に凝っているのですが、コレ、『バーチャファイター』のパロディのようですね。元ネタがわからない当方には意味不明な言辞が少なくなく、非常に困惑しました。実際には、バーチャコール回線の各ボタン以外、操作方法に戸惑いを感じるシーンはまったくなく、マニュアルがなくてもプレイはラクに出来るのですが、こういう方法は、少し疑問に感じます。まぁ、ゲームそのものにパロディを持ち込んでいるわけではない(別のソフトハウスでは、そういう例もあります)ので、笑って済ませていいでしょうけれど。

ゲームデザイン

 パーティラインで女の子3人と同時に話し、適当と思われる三択の選択肢をいくつかこなしていきながら、その結果として最も好感度が高くなったキャラクターとのツーショットとなります。これが結構難しく、意中の女の子に対する好感度が満たされなければ、情け容赦なく電話は切られます。これ自体は非常に斬新で面白かったのですが、問題は、先述の7人のキャラが入れ替わり立ち替わり出てくること。まぁ、一度に3人が同時登場し、その際に口説き落とせるのは1人だけなのですから、これは仕方がないのですが、あたかも初対面のように、しかも自分がそこに登場したのが初めてのように扱われているのは、不自然極まりなく、最初は「バグ?」と思いました。鈴音ちゃんに2回会った後、3回目でツーショットに成功したら、なかなか笑える会話になってしまいました(^^;)

 

 さて、ツーショットになると、今度は完全に一対一の会話となります。この会話も三択。そして、うまく話を続けることが出来れば、デートとなります。このデートの行き先は、任意に選択することが出来るので、何回かプレイを重ねていく際には、行き先をいろいろと変えてみると楽しいでしょう。しかし、ツーショット、そしてデートでかわされる会話というものは、キャラクターによって許容範囲にかなり幅があります。鈴音やヒトミは楽勝でしょうが、デパガやインド女など、何回撃墜されたことやら(T_T) 何度かプレイしていくうちに、コツが掴めてはきますが、掴めるようになるまでには相当の繰り返しが要求されます。このゲームの難易度はかなり高いと思って良いでしょう。

 

 なお、1回クリアしても、画面はスタート画面に戻りませんので、右上の「×」ボタンをクリック(Windows95/98の場合)あるいは左上のメニューボタンをダブルクリックして強制終了させる必要があります。そしてリスタートさせると、タイトルロゴが「Virtuacall2.1」となっています。クリアすると、CGモードとBGMモードに入れるので、そのぶん「マイナーバージョンアップ」してこうなるのだそうな。ちなみに、クリア前でもクリア後でも実行ファイルは同じなので、この「バージョン」は単なる見せかけです(^^;)

不具合・修正プログラム

 私の環境では特に問題は発生しませんでしたが、F&CのWebサイトに、アップデータファイルがあります。あわせて、ADMの最新バージョンを当てておくのがよいでしょう。

操作性など

 インストール先ディレクトリは変更可能ですが、フォルダ名は必ず「VC2WIN」固定となっています。これは、ADMをベースとしたF&Cゲームの標準仕様、と呼べましょうか。

 セーブは自室でのみ可能ですが、イベントが連続したりデートに突入したりすると、もはやセーブはできません。お世辞にも安定して動作しているわけではなさそうなので、できるところでこまめにセーブしておかないと、万一ハングアップしたりした場合に悲惨な目に遭います。なにせ、メッセージスキップはないし、ゲーム中にはロードできないし(いったんゲームを終えて再起動する必要があり)、肝心のセーブは4個所しかできないし、と、涙が出るほどありがたい操作性でございました。当時はまたゲーム慣れしていなかったこともあって、まったく新しいゲームデザインにハマっていた結果、この操作性にはさして疑問を感じなかったようですが(当時書いていた日記による)、今からやってみるとヒドいものがあります。特に、このゲームの難易度は結構高いので(キャラクターによってかなり差はありますが)、セーブ&ロードをかなり頻繁に行うケースが多いだけに、困ったものです。

 ちなみに、この操作性は『バーチャコール3』で若干改善されはしましたが、「イベントが連続するとセーブ不可」は相変わらずで、しかも連続イベントでかかる時間がやたらと伸びているのでかえって悪くなっていたりします(--;)

 セーブ関係で唯一良いと思えるのは、エンディング間際、唐突に「セーブするか」という確認が出てくること。ここでセーブしておいた後に、それまでに仕留めた(^^;)女の子のエンディングを選ぶことができるようになっているので、この点は良かったですね。『バーチャコール3』では、これができなくなっています(-_-;)

 さらに、これほどまで、CGモードやBGMモードに入りにくいゲームって、他にあるのでしょうか? いちいちゲームを再起動し、それから所定の手順を踏んで、さらにバーチャコール回線で電話をかけて、これでやっとCGを見たりBGMを聴いたりできます。しかし、BGMモードには、曲名が書かれていない(^^;)ので、Windows付属のCDプレーヤーで聴いた方がよっぽどマシです。

サウンド

 BGMは、CD-DAで演奏されます。ノリのいい感じの曲……というより、何というか、「こういう雰囲気では刹那的に楽しむのが吉だぞアタマは使わない方が幸せだぞさぁバーチャコールの世界にハマりなさい」と、アタマの中に刷り込まれていくような感じの曲でした(^^;) ゲームのBGMとしては非常にいい曲だと思うのですが、単体でBGMとして使う気には到底なれない、というのも、考えて見れば不思議な気がします。

 音声はありません。

グラフィック

 何人かの方が原画を分けて担当されていますが、どのコも表情がいきいきとしているのは感心しました。個人的には、鈴音の照れ顔、小夜子のむくれ顔(^^;)が印象的です。やはり、全身を使って態度を表現する、という手法は本当に効果的ですね。

 ただ、特にテレビ電話画面でのアップなど、ジャギーが目立ったのが残念なところです。

お気に入り

 天王寺鈴音ちゃんで決まりですね。。袴姿の大和撫子、教室の中のキミはステキでした。心残りは、シャワールームのシーンがなかったこと(^^;)

関連リンク先

 古いゲームということもあって、あまり積極的に取り上げられるケースはないようですが、「瑠璃姫の館」(閉鎖)のレビューが割と良いです。ここまでベタ誉めできるものかどうか、という気もしますけれど(^^;)

総評

 エンディングの爆笑的力技には賛否が分かれるでしょうけれど、個々の女の子に対して、相応のドラマを用意してくれた点、そして、展開に適度な幅を持たせつつ、後味の悪くなるシーン(「エンディング」ではない)も巧妙に排し、実に凝ったゲームデザインを展開している点は、非常に好感を持てます。ヒロインたちの個性満ちあふれる表情や会話は、極悪な操作性を忘れさせてくれるものでした。まぁ、あれだけ人数がいっぱいいれば、こちらからお引き取りいただきたくなるキャラクターも当然出てきますが、そういうのはテキトーに応対していればさっさと帰ります(性格が素直なほど難易度が低いみたい)ので、気楽ではありますね。難易度の高さは、評価をどう下すか迷うところですが、全員が難しいわけではないことを考えれば、このような設定もまず悪くはないと思います。

 何よりも、「攻略するときは一極集中」「最終段階でより取りみどり」なので、良心の呵責を感ずること少なくして鬼畜になれるというお手軽さ、これこそが、このゲームへの取っつきやすさの理由でしょう。攻略を段階別とした『バーチャコール3』の場合、中途半端にやましさが入ってくるので、とっかえひっかえ状態に相当抵抗を感じてしまいましたが、この『2』では、シンプルゆえに抵抗なく「遊んではポイ」が可能になった、そう考えています。

 ただ、このゲームを楽しめるかどうかの最大のポイントは、その(内容的な中身はともかく)会話のノリの良さにあるので、かなり「人を選ぶ」という面もあるかと思います。

 ゲームバランスにすぐれている点を考えれば、『バーチャコール』シリーズ中、最高の作品と評してよいでしょう。

個人評価 ★★★★★ ★★★☆☆
1999年9月17日
(11月19日、加筆・修正)
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