フェアリーテールリミックスVol.3 with バーチャコール2.2 フェアリーテール/F&C

1996年11月22日発売
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 NIFTY SERVEの会議室では、どうにも話題に上ることが少ないメーカー、F&C。それなら、自分で実際にプレイして、なんで話題になりにくいのか試しちゃる、と、このソフトハウスのゲームをやりまくっていた時期がありました。その終わりのころにプレイしていたのが、『バーチャコール2.2』。『バーチャコール』(以下、VCと表記)シリーズの「外伝」として、上記パッケージの中に入っていますが、価格設定さえ調整すれば単独で発売可能な内容だったと思います。

 パッケージサイズは、F&Cの標準サイズといってよろしいでしょう。うたたねひろゆき氏デザインのプリシアが目を引きます。横を向くスタイルで、背中丸見え(^^;)。う〜む、『VC3』では、藤井純生氏デザインのプリシアが正面を向いているだけに、好対照ですね。

※パッケージは18禁ですが、(タイトルとは違って)実質的に中核をなしている追加シナリオ『VC2.2』は一般ものとして扱うことが可能な内容になっています。

シナリオ

 高校生の主人公・坂野光紀(名前の変更可能)はある日、幼なじみの「結城沙羅」、後輩の「水沢葵」に呼び出され、恋人としてどちらを選択するのかと迫られる。そのとき、不意に彼の後頭部を襲ったサッカーボールの衝撃とともに、主人公は、見も知らぬ未来世界において、これまた誰だかわからぬ「長谷川邦彦」の身体に入ってしまった!

 

 この「見も知らぬ未来世界」というのが、ほかならぬ『VC2』の世界です。ここで、『VC2』に登場した諸々のキャラクターと、(このゲームにおける)主人公が「長谷川邦彦」として接することになります。

 まず驚いたのが、主人公の「まとも」さ。『VC』シリーズはといえば、今日も明日もナンパ三昧、女漁りを至高の人生目標と考えているような万年発情野郎が主人公、ヤってはポイ、ヤってはポイを重ねてきました。『VC2.2』の主人公は、鈍くて、やや優柔不断ではあっても、鬼畜な奴ではなく、むしろ、邦彦という人間の行動を批判するなど、良心的な行動をとってくれます。

 

 もちろん、「外伝」という形なので、そう骨組みがどっしりしたものではありません。しかし、多くのキャラクターのうち、キーとなるキャラクターをきちんと選別しているのは、なかなかのものです。『VC2』で人気のあったキャラクター(小夜子を筆頭に、鈴音、綾香あたり)にスポットを多く当てるなど、なかなか憎いつくりになっています。

 基本的に、主人公およびその周囲の人物+『VC2』登場キャラクター全員+プリシア、これが登場人物となっています。鈴音の友人、柴崎絵利ちゃん(『VC2』ではグラフィックなしのセリフオンリー)も、立ちCGつきで登場します。

ゲームデザイン

 序盤は一本道ですが、中盤から終盤にかけての選択によって、出会うキャラや行動先が変化し、エンディングが2とおりに分かれる、アドベンチャーゲームです。いわゆる「恋愛ゲーム」と呼べるような要素はありません。CGをすべて見るのも、(1回のプレイでは不可能ですが)そう難しくはないでしょう。

 コマンド総当たり的な進め方が要求されるので、古くささを若干引きずってはいます。

操作性など

 セーブがしにくい、というのは、このシリーズの宿命なのでしょうか?イベントが連続して、「次にセーブできるところまで、きちんと止まらずにプレイできるだろうか……」と気をもむという作業が必要、というのは、この『VC2.2』でも同様でした。プレイ時間はそう長くないので許容範囲ではありますが、『VC3』では、「休みたくてもセーブできずに何十分も続けなくてはいけない」状態に改悪されているのはなぜなのでしょうか。

 セーブ可能なのは4個所。それだけあれば十分でしょう。ロード? はい、『VC2』同様、途中からのロードなんて当然できません、スタートメニューにも戻れません。いったんゲームをリセットしてから再起動しましょう(^^;)

 スキップ機能などという気のきいたものがあるはずもないのですが(^^;)、マウスクリックをひたすら続ければ、それほど遅いわけではありません。ただ、「右クリックしないと選択肢が出ない」というのに気がつかず、かなり時間を食った、というのはありましたが。

 

 ゲームを1回クリアすると、CGモードが現れます。サムネイル形式の縮小表示が現れ、見ていないCGは「× 見てないよ」と出るものの、その下にどのようなCGが隠れているか、見当がつきます。このようにCGモードが見やすくなったのは、『VC2』に比べて大きな進歩でしょう。ただし、見ただけ、あるいは、見てからセーブしただけでは無理のようで、見たのち、そのデータでゲームをクリアしないと、CGモードには登録されません。このあたりは、『VC3』にも踏襲されていますが……『VC3』では、正直辛かったですぜ(-_-;)。

サウンド

 演奏はMIDIです。『VC2』よりも軽快なサウンドですね。

グラフィック

 基本的に、『VC2』のCGを使い回していますが、小夜子ちゃんのCGなどは、大幅に書き加えられています。新しいCGについては、F&Cのゲームをある程度やり込んでおられる方なら、おなじみの方が原画を担当されていますし、心配ないです。

 プリシアについては、バーチャコールでオペレーター業務に就いているときのプリシアは初代『VC』のCGそのまま、屋外イベントシーンでのプリシアは藤井純生氏が新しく描いたもののようです。ちなみに、この屋外でのプリシアCGは、今度は『VC3』で使い回されています(^^;)

お気に入り

 今回登場した中だけで言えば、特定不能でしょうか(^^;) 『VC2』では、攻略対象キャラで一番好きだったのは鈴音ちゃんですが、このゲームでは鈴音ちゃんは事実上出てこない(姿だけ)なので…。

総評

 元ネタがあったとはいえ、これだけきちんとした形でサイドストーリーをまとめ上げられる実力には感服しました。評価や好みは分かれるでしょうが、『VC2』を「それなりに楽しめた」方なら、プレイして決して損をしない内容に仕上がっています。特に、小夜子ちゃんが好きな人は必見でしょう。

 惜しいのは、エンディングのまとめ方でしょうか。2つのエンディングのうち、おそらくトゥルーエンドと思われる方では、「その後の現実未来はどうなったのか……」という気にさせられてしまいます。小夜子のほか、鈴音やウィンディはどうなったのか。ウィンディ以外が再・再登場する可能性は非常に低いと思いますけれど、また別の形で表舞台に立ってほしい、と思います。

個人評価 ★★★★★ ★☆☆☆☆
1999年8月22日
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