CD Girls 〜歌姫たちの恋物語〜 C's Ware Blitz!

1997年9月26日発売
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 女3人よれば何とやらと申しますが、まさに賑々しさここに極まれりといった感じのCD-ROMケース、そこにひしめく3人の女の子。タイトルからして「CDガールズ」などという、ゲームCDを類推させかねないものなのですが、不思議と印象的なそのデザインに、ふらふらと手が伸びていました。

 CD-ROM2枚組です。1枚目には「First Album」、2枚目には「Second Album」というセンスの良さも、個人的に好印象です。

シナリオ

 主人公・石ノ原慎之輔(姓名とも変更可能)は、ごく平凡な大学生。友人から10日間の期限付きで借りた企画もの音楽CD。何の期待もせずにそのCDを起動すると、目の前に女の子が飛び出してきた。彼女たちは、何者かに「時間」を止められ、「アイドル」というギミックをつけられて封印されているのだという。彼女たちと本当の恋に落ち、その封印を解くことができるのか、それはプレイヤー次第。

 

 シナリオだけでみると、実にあっさりとしたもので、特に語るべきものではないでしょう。シナリオで楽しむものと言うよりは、おしゃべりを通じた雰囲気を味わうゲーム、という方が良さそうに思えます。

 真面目にシナリオに目を向けようとすると、メルヘンとシリアスとのバランスがあまり取れていません。日常と非日常との綱渡り、という印象の多いストーリーであるにもかかわらず、説明不在のエンディング。唐突に終わる、とさえいえるその展開には、あまり多くを期待しない方が吉ではありましょう。

 しかし、あまり長くないゲームの中に、適度にイベントを織り交ぜており、それなりに楽しむことはできると思います。その所以は、精緻に描かれている各キャラクターが、ギラギラとした輝きを見せていることにありましょう。例によって、主人公は徹底的に「薄い」存在になっていますが、他のキャラクターは、3人のCDガールズたちはもちろんのこと、大学での晶や真子、ほかの怪しい方(笑)など、それぞれが非常に「濃い」要素を多く持っており、彼らや彼女らとの会話それ自体が、「おもしろさ」をそのまま見せていました。日常に立脚したギャグではなく、かなり独特のテイストを帯びてはいますが、この「キャラクターの描き方」がうまくいっていたからこそ、会話が楽しくなった、と見てよいでしょう。人と「話す」こと自体を素直に楽しめるゲームというのはさほど多くはないのですが、これはそのさほど多くないうちの1つであると思います。

ゲームデザイン

 10日間のゲーム期間、大学でのアドベンチャーパート(そうはいっても行動選択の余地はさほどありません)、帰宅後に3人のCDガールズから1人を選んで会話(最大5回)となります。

 会話の際には、14個の選択肢があり、これのうちから選んで5回会話をします。そして、この会話内容や順序によって好感度が上下し、その結果がイベント内容やエンディングを左右します。好感度は、主人公の幼なじみである真子の占いで判断可能です。

 さらに、3回ほど、CDガールズとの会話以外でのイベントも発生します。この時の選択肢が結構シビアなようで、ちょっと間違えるとすぐにイベントが終わってしまったりします。

 試したことはありませんが、おそらく同時攻略という外道なマネは不可能でしょう。いや、やろうと思えばできるでしょうが、バッドエンド直行なのではと(^^;) そういうことをやろうという気になるタイプのゲームではありませんが。

 

 会話がゲームの中心であり、この時に見せる彼女らのリアクション、そしてかわいいボイスが楽しく、まさに「おしゃべりを楽しむ」ゲームソフトであることを実感できます。しかし、選択可能な会話が、いつまでたっても同じで、しかも好感度が上がる組み合わせというのが、ゲームをある程度しているうちにおのずから見えて来るというのが悲しいところです。

 1回のプレイ時間は非常に短いので、上記の欠点はあってもさほど飽きがくることがないのが救いでしょうか。何度も気楽に楽しむことができますが、ハッピーエンド到達が用意であるのにひきかえ、CGの回収は鬼のように難しいようで、十数回もプレイを重ねながら、いまだに未見のCGが大量にあります(^^;)

不具合・修正プログラム

 私の環境では、特に不具合などは発生していません。

操作性など

 インストールの際には、インストール先のドライブを指定することは可能ですがディレクトリは固定です。

 インストールに関する問題の中で、なによりも鬱陶しいのは、2枚あるCD-ROMの切り替えを、ゲーム途中で何度も要求されること。確かに、ハードディスク容量が非常に気にかかる、という状況ならやむを得ないのでしょうが、インストールに必要な容量は30MB足らず。フルインストールオプションがあってしかるべきでしょう。クライマックス付近で盛り上がったところで入れ替えのメッセージが出ては、興ざめ以外の何ものでもありません。

 表示の際には、クライアント領域以外には独自の壁紙を敷き詰め、仮想フルスクリーン状態になります。これなら、独立したウィンドウ方式にしてほしかったものです。

 セーブ&ロードは、任意の位置で可能です。また、セーブファイルは、独自にファイル名をつけて任意の位置に保存可能なため、ディスクの容量のかぎりいくらでもセーブ可能なのがありがたいところ。

 メッセージ速度表示は2段階で設定可能ですが、メッセージスキップはなし。選択肢の割にテキスト表示量が少ないので、なくても全然気にかからなかったのは、繰り返しプレイを必須とするゲームとしては珍しい経験でありました(笑)。

 一度クリアすると「おまけ」モードに入ることができ、CGモードやBGMモードなどのほか、付属のシステムWAVEファイル(Windowsのシステムサウンド用)などが入っています。CGモードでは見たCGが1枚ずつ表示されますが、CGそれぞれに番号が付されて表示されるので、何枚のCGを見ていないかをチェックすることができます。また、見たCGをBGM形式のファイルとして取り込むことが可能となっています。

サウンド

 BGMはMIDIで演奏されます。なかなか雰囲気にあった曲と感じます。また、エンディングを迎えると、そのキャラクターが唱うテーマソング(ボーカル曲。これはCD-DAです)が流れるのが、粋な演出。個人的には、杏子の「上邪(じょうや)」がお気に入りです。なお、歌詞は、ヘルプファイル内に収録されています。

 音声は非常にいい味を出しています。主人公以外の全キャラクター(男性含む)がフルボイスですが、クオリティの高さはなかなかのものと感じます。冒頭で「はぁい! わたし、ぴ・い・ち」で、いきなり圧倒されること間違いありません。また、晶(男友達)の声が、なかなか「イっちゃってる野郎」という雰囲気をうまく醸し出していたのが印象的です。

グラフィック

 キャラクターは、三者三様、みなかわいく描かれていますね。イベントシーンでの立ちCGなどで「?」と思わせる個所もありましたが、おおむねそれぞれの魅力をいかんなく出せていたと思います。特に、日常会話でのリアクションがいちいちかわいいですね(^^) あと、忘れてはいけないのが、なんだか凄い晶(^^;)

 人物に比べて、背景は写真を取り込んだだけのようで、パッとしません。キャラがポスターの前に立って浮いている、そんな風に見えました。

お気に入り

 やっぱり杏子ですね。和服に黒髪に…しかし、海での「衝撃の告白」の内容はちょっとそぐわなかったな、と思います。時代を超越したようなキャラのままでいてほしかった…。

関連リンク先

 マイナーゲームの宿命か、このゲームについて熱く語られているページは発見できていません(^^;)

総評

 おしゃべりを楽しむゲーム、というと、笑いのセンスで勝負するというタイプが多いようです。しかし、それとは一線を画し、キャラクターの引き立てをきちんと行いつつ、会話をシミュレーション的に、それもごく気楽に楽しむことができるゲームとして、このゲームを評価したいと思います。

 日常の会話パターンが固定であること、そして何よりも、ゲームが盛り上がってきたところで「ディスク入れ替え」メッセージが出ること、この2点だけは、どうにもおもしろくないことこのうえないので、ここは改善を求めたいところです。

 しかし、このゲームを作ったソフトハウス、この次の作品は出しているのでしょうか? 同じブランドから出ている「LOVE PRODUCER」(未プレイ)は、どう見ても別のソフトハウスが制作したもののようですし…。

個人評価 ★★★★★ ☆☆☆☆☆
1999年10月8日
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