リーフファイト97 Leaf

1997年11月28日発売
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 『初音のないしょ!!』収録のバトルRPGです。

 「外伝」的なお話というものは、作りやすそうで作りにくいものです。既存のキャラクターイメージを活かしながら、壊さないように注意し、さらにまとまったものを、と考えると、かなり大変そうなのはよくわかります。しかし、キャラクターの数の多さという、これ以上ない強引な力技とも言える方法で実現させてしまったのが、この「リーフファイト97」だった、といえるでしょうか。パッケージには「結構遊べるミニゲーム」とうたっていますが、ここまで豪快に広げられると、もう「ミニ」じゃないと思えます。

シナリオ

 何の偶然か、奇しくも隆山温泉に集結していた、リーフ登場キャラクター。彼らが集まったその舞台では、不可思議な現象が起こっていた。そこに徘徊する化け物たちを退治する彼ら。その果てには…

 

 シナリオ自体は一本道で、設定などは『』の続編という形になっています。場所だけでなく、RPGで必要な「敵」が出現するようなシナリオとなれば、確かに『痕』をベースとするしかないわけですが、戦闘に参加可能なのは、基本的に、この当時に登場していたリーフの歴代キャラ全員です。

 一番のおもしろみはここで、自分がプレイしたゲームの中に、何らかの形で大なり小なり思い入れがあるものですが、そういったキャラクターが「どのように」活躍しているかを見ることができるわけです。実際には、原作で「戦闘」あるいはそれに類する行動をとるキャラクターはごく限られるわけですが、基本的に全員が出るのはいいですね。初音ちゃんやマルチまで戦闘に参加させることができ、また使い方によっては非常に頼りになったりするから、意外(^^;)です。

 キャラクターを輩出するゲームは『痕』のほか、『DR2ナイト雀鬼』『フィルスノーン』『雫』『To Heart』です。私は、『雫』以降のゲームしかプレイしていないのですが、基本的に『痕』+『To Heart』をプレイしていれば、充分にキャラクターの多彩さを楽しめると思います。

 また本筋とはずれますが、日常でのちょっとしたやり取りも、さすが、と思える面白みを感じました。梓の発する「禁句三連発」のシーンを思わず想像し、次の瞬間、腹を抱えて大笑い…こういう「遊び」は、原作をプレイしていればこそわかるもので、「ファン向けゲーム」としてのツボをよくおさえていると感じます。

 

 なお、「ボーダーライン」上のキャラクター。登場組:香奈子、かおり、セバスチャン、セリオ、量産型マルチ。チョイ役:由美子、響子。姿だけ登場(^^;):エディフェル。忘れ去られた方々:長瀬教諭、長瀬刑事、長瀬主任(←意図的な配列ではない(^^;)、レミィの姉、その他。

ゲームデザイン

 デザイン的には、アドベンチャーゲームの要素の中心に戦闘を据えたもの、といえばいいでしょうか。

 雑魚相手の戦闘を積み重ねてレベルアップをしておかないと、後々苦しくなるのが、ちょっとやりにくいところ。耕一を筆頭とする柏木一族(四姉妹+柳川)あたりはともかく、キャラによってはそもそもレベルアップ自体が大変というキャラもいるので、お気に入りのキャラを後半戦でも使いたい場合は、早めの対応が不可欠です。

 

 戦闘は、長瀬裕介・柏木耕一・藤田浩之(彼のみ姓名とも変更可能)のうち1名をリーダーに指定した上で、ほかに任意の3人を選抜してパーティーを組みます。ボスキャラなどは一定のレベルで出現してきますが、雑魚キャラは、パーティメンバーのレベルに応じたレベルで登場するので、パーティを組む際には、レベル的に極端な差がないように注意する必要があります。したがって、バラエティに富んだ各キャラクターを、とっかえひっかえしながらレベルアップさせていくわけですが、各キャラクターには「属性」があり、その特徴を掴まないとなかなか苦労します。とはいえ、地道に「使えるキャラ」をレベルアップさせていけばいいので、雑魚相手の勝負をかなり繰り返すこととなりますが、さすがにあまりに長時間続けると飽きます(^^;)

 キャラクターの数、そしてレベルアップして得るスキルの多彩さは、ゲームを非常に楽しいものにしてくれますが、レベルアップの方法が、基本的に雑魚を倒すだけで、その雑魚も、属性やレベルこそ違いがあるものの、姿形が全く同じなのが、ちょっと寂しいですね。もう少し、倒される側にも変化をつけてほしかったものです。

 

 また、パーティの組み方によって、いろいろな「合体技」が出てくるのが、心強いだけでなく、笑えます。最強の「鬼神楽」など、まさに花火を見ているようにパチパチときれいな火花が舞いますし、「先輩ラヴラヴ」を見たときには大爆笑しました(^^)

 

 CGのあるイベント発生条件が厳しいことが、最大の難点でしょうか。詳細には触れませんが、イベント発生のパターンを探るために、かなりプレイ時間が伸びたのは確かです。これのために、「経験値稼ぎとレベルアップ」が苦にならなかった、という面もありますけれど。

操作性など

 マウス操作が基本ですが、マウスポイントを合わせてからエンターキー押下も可能です。

 セーブ&ロードは、休息をとる場所で、4個所まで可能です。この際、パーティのメンバーおよびレベルも表示されます。

 移動画面で右クリックすると、パーティメンバーのステータスを確認することができます。

 フォントも切り替え可能です。私は「リーフフォント」でプレイしました。ただし、終了すると設定がデフォルトに戻るので、その都度設定しなくてはならないのが残念。

 CGモードでは、一枚絵CGがサムネイル表示されます。BGMモードはありません。

サウンド

 BGMは、CD-DAで演奏されます。原作ゲームのBGMをアレンジした曲が多いですね。ただし、メインテーマといえる曲に関しては、新曲のようです。

グラフィック

 256色で描かれていますが、何よりも、原作では描かれていなかった主人公の顔が出ているのが楽しいところですね。長瀬裕介はともかく、もう少しスマートな感じと思っていた柏木耕一は、ちょっと意外でした。肌の塗り方にややざらつきを感じますが、そもそも一枚絵CGを見る機会はほとんどないので、さほど気にならない(^^;) いずれにせよ、『痕』の渋い世界に比べ、いく回りも明るく見えます。

お気に入り

 3作品を通じて、となれば、やはり『痕』の楓ちゃんですね。見かけに似合わず異様に強いし(^^;)

総評

 かなり緊張感のあるゲームのはずなのに、日常シーンはもちろん、戦闘シーンを見ながら、にやにや、けらけら、と楽しませてもらえました。しかし、戦闘では、技の繰り出しやビジュアルなどはいいものの、やはり「相手のパターンがほとんど決まっている」のが、どうにも残念なところ。そして何よりも、レベルアップのために、ひたすら戦闘を繰り返さなくてはいけないため、「作業」と感じてしまう点が、多少なりとも出てきます。

 しかし、それを補って余りあるだけの「楽しさ」を感じさせてくれるゲームですし、何だかんだいっても、この「単純な」ゲームに、みごとにはまってしまいました。コストパフォーマンスという面から見ても、充分に満足できる内容だと思います。

個人評価 ★★★★★ ★★☆☆☆☆☆
1999年10月2日
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