META-DOLL AI ぷち/アセンブラージュ

1997年9月26日発売
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 アセンブラージュというと、ベタな恋愛ものを堂々とリリースしてくる…そんなイメージがあった中で、らぶらぶとはあまり関係のなさそうな育成ゲームがある、という「好奇心」ゆえに手に取ることになったのが、この『メタドールAI』でした。もともとはPC-98版として予定されていたそうですが、発売が延び延びになるうちに、気がついてみれば世はWindowsの時代、結局Windows版だけがリリースされるという、何とも中途半端な恰好になったシロモノです(^^;)

シナリオ・ゲームデザイン

 舞台は、万能小型ロボット・「メタドール」を競わせる格闘戦「メタレス」が流行している近未来。主人公・天城士郎(変更不可)は、メタレスの元中学生チャンピオンだったが、家の火災で母が行方不明になるとともに、メタレスから遠ざかっていた。そんな彼は、転校先の高校で、「アイ」というメタドールとともに、再びメタレスへの途を歩むのであった。

 

 ゲームは、主人公のメタドール「アイ」を、トレーニングや実戦を通じて鍛えあげ、試合に勝てる力をつけていき、要所要所で勝ち進んでいく、という流れで進むのですが、驚くべき事に、勝っても負けても、ゲームの流れはほとんど変わりません。一応、勝った場合と負けた場合とで、試合直後のイベントに変化があるとか、見られるCGが違ってくるとか、その程度の相違はありますが、連戦連敗でも話はどんどん進みます。さすがに全戦全敗したらどうなるかはわかりませんが(わざわざ試す気にはなりませんから…)、そうでもなければ、エンディングに到達するのは何の問題もありません。従って、かなり思いどおりのスタイルで育成することができます。

 そうはいっても、要所要所で出てくる対戦で勝つのはなかなか大変で、特にファーストプレイの序盤では、かなり高い確率で連戦連敗となります。しかし、中盤くらいまでの間に育成のコツは判ってきますから、「重点の置き方」を自分なりに見つけ、それを素直に実行すれば、「また負けたぁ」状態はなんとか脱することができるでしょう。正面から立ち向かうと相当に難しいゲームでありながら、時間を追うことで要領を掴めるようになっているわけで、このあたり、なかなかゲームバランスの良さを感じます。

 さらに、育成は一週間単位で行われますが、発生するイベントこそ少ないものの、所持金や装備、スケジュールなどを見ていると、不思議なほどにダレを感じることがありませんでした。この「飽きが来ない」理由は、ストーリー上必須でない「試合」を任意に選択できること、妙に少ない「所持金」(数百円の世界ですから、小学生の小遣いレベルです…物価が猛烈に下落したのでしょうか(^^;)のやりくりなどでいろいろ考えること、などがありましょう。

 その反面、「勝っても負けてもイベントの差がほとんどない」ため、何度もリプレイしようという気にはなりにくいのも事実です。取っつきやすさと手応えのよさとをうまく両立させてはいますが、「新鮮味」が薄れるのもかなり速い、そんな印象です。

 

 対戦(格闘)部分では、自分と相手とが闘うさまがアニメーションで表示されますが、一昔前のゲーセンでよく見られた画面を彷彿とさせます。実戦訓練として任意に選べる場合と、イベントとして強制的に行われる場合とがありますが、どちらも画面は同じです。この対戦部分では、パラメータの変化が棒グラフで刻一刻と変化する上、制限時間も当然のように表示されます。プレイヤーはドールを操作することはできないので、反射神経などはまったく必要ない反面、ある程度ランダム的な要素が入ってきますが、技が掛かった状態でロスタイムに入り逆転、というシーンなどは、「そりゃーいけー!」と、年甲斐もなく声を出してしまっていたことを告白しておきましょう(^^;)

 

 シナリオに関しては、あってないようなものです。一応、ゲームを進めていくと、それらしきイベントがちらほらと出てはきますが、状況説明程度のものばかりで、特にストーリーを感じさせるようなものではありません。キャラクターにしても、万年被害者(爆笑)の葵あたりがそれなりに頑張っているものの、あとは名前も覚えられそうにない状態です。実際、アセンブラージュのゲームには非常に珍しいことに、マニュアルにキャラ紹介がないというありさまですから、推して知るべし。

 Hシーンも、なんだか取って付けたようですし、これを18禁にした理由がよくわかりません。

 基本的に流れは一本道です。ゲームオーバーがあるのかどうかは、確認していません。

 

 なお、1回ゲームをクリアすると、「ひみつモード」というのが出てきます。『かえるにょ・ぱにょ〜ん』の極めモードのようなものではなく、元のシナリオとまったく同じなのですが、戦闘がずっと楽チンになります。どう楽なのかは、プレイしてのお楽しみ、ということで。

不具合・修正プログラム

 私の環境では、特に不具合は発生していません。

操作性など

 使い勝手は、特に可もなく不可もなく、でしょう。

 マウス操作が基本ですが、キーボードも補助的に使えます。CapsLockでメッセージノーウェイト表示、テンキーのピリオド押下またはマウス両ボタン同時クリックで早送り可能です。このあたりの仕様は、当時のアセンブラージュがリリースしたゲームに標準の操作方法で、プログラムの軽さもあって、実にスムーズです。

 画面は、640×400サイズ固定で、それ以上の解像度にしてある場合は、クライアント領域以外は真っ黒になるという、これまたこの当時のアセンブラージュ共通仕様です(^^;)

 CGモード(キャラクターごと)は、ゲームをひととおりクリアした後に表示されますが、CGを見ただけ、あるいはCGを見たデータをセーブしただけでは記録されず、見たデータで最後までクリアしないとCGモードに登録されません。単一のストーリーなのでそう気にすることはありませんけれど。

サウンド

 BGMは、MIDI(GM)で演奏されます。対戦シーンでかかる曲など、なかなかいい感じのサウンドですが、特にBGM代わりに流したくなるほどの曲ではありません。

 音声はなかなか良いですね。ただ、グラフィックがいかにも「DOSの移植でございます」という感じなので、見た目と音声とのギャップがかなりありました。何せ、表情の変化がほとんどないんですから…。

グラフィック

 キャラクター原画は、豊島ちはやさんの担当。どうしても『きゃんきゃんバニーリミテッド』のサワディが目に浮かんでしまうのですが(^^;)

 もともと小さい画面の中で全身立ちCGという構図なので、表情を描くだけのサイズになっておらず、キャラに活きが感じられません。一枚絵CGでは、それなりにいい表情を出していますが、目線が低くてやや下膨らみ気味の輪郭は、かなり幼い感じを出しています。通常画面と一枚絵画面(←少ない…)との格差があまりにもクッキリ出ているのが残念なところです。合宿で主人公と葵が一緒にいる画面などは、「青春だねー」という雰囲気があってなかなかいいのですけれど、立ちCGが出ると「あんた誰?」と言いたくなるという…(T_T)

 一応256色なんですが、そんなに色数が多いように見えないのは気のせいでしょうか(^^;)

お気に入り

 順当に、葵でしょうね。衝撃的な出会いというのはよくあるシーンですが、いきなりの悲劇(見た目には喜劇?)を初め、万事ろくな目にあっていないキャラなので、同情もこめて(^^;)

関連リンク先

 HIKAさんのサイトにレビューが上がっています。

総評

 育成ものとしては、かなり難しいにも関わらず、何度やっても先に進めず断念、という形になっていないこと、また、かけた手間がむだになるような形になっていないこと、この2点で、高く評価できると思います。面倒くささ、あるいはやたらと頭や指先を使う煩わしさはないので、育成や格闘に対して苦手という印象を持っている人でもプレイできるでしょう。

 ただ、冒頭で書いたとおり、実戦の結果が、バリエーション的にあまりにも貧弱なので、セカンドプレイ以降、新鮮味が薄れてしまったのが残念なところ。目の付けどころ、取り組み方などは非常におもしろいものがあるので、この種のゲームを再び出してほしいものですが…望み薄かなぁ?

 ただ、シナリオがあまりにも薄いのは、ちょっと残念。オチは突然やってくる、という締め方になっているのですけれど、もう少しうまくまとめてほしかった、と言ってもバチは当たらないと思います。

個人評価 ★★★★★ ☆☆☆☆☆
1999年10月20日
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