卒業写真2 〜Raspberry Dream〜(Win版) jANIS

1996年11月22日発売(DOS版
1997年12月5日発売(Windows95版)
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 どことなく陰のある、しかし決してダークではない独特の雰囲気の表紙。そのCD-ROMケースを手に取ったとき、その中に、粗っぽさと細やかさとを合い備えた不思議なストーリーが詰まっていたとは、夢にも思えませんでした。登場するキャラクターのバリエーションもさることながら、破壊力抜群のシナリオの威力は、私がプレイしてきた恋愛系ゲームでも随一です。

 その反面、お世辞にもいいとはいえない面が多々あり、一歩間違えれば、「地雷」の称号を情け容赦なく謹呈していたかもしれない、そんなゲームでもあります。こういうシロモノですので、地味ながらも、一部では熱狂的な支持者を惹きつけて止まないゲームですが(^^;) とにかく、いろいろと問題点が多いゲームですから、環境が許すのであれば、PC-98 DOS版をプレイされることを強くお勧めします。

シナリオ

 基本的に、DOS版とまったく同じですので、紹介および批評はすべてDOS版のページに譲ります。

ゲームデザイン

 基本的なゲームデザインは、3分割マップをマウスクリックで移動など、やはりDOS版とほとんど同じです。マップ移動でイベント発生、を繰り返して話を進めていきます。マウスクリック反応自体は割とスムーズです。

 ただ、「何を考えているんだ?」と言いたくなるような「無意味なむだ」が、あちこちに見受けられます。例えば、時間つぶしや睡眠コマンドを実行すると、かなり高い確率でランダムで寝過ごします(DOS版では許容範囲でしたが)。また、DOS版とはキャラクターの出現位置が異なるため、DOS版の攻略情報は使えません。

不具合・修正プログラム

 背景とシチュエーションとが一致しない(操シナリオ後半などでしばしば発生)、突然エラーが発生して強制終了、あるいは予告なくハングアップするなどといった不具合があるうえ、藤谷涼子・朝霞祥子の両名が攻略不可能です。DOS版とはキャラクターの登場パターンが違っているのですが、そんなところに手を加えるよりも、バグのない状態で出してほしいものです。

 ちなみに、これを書いている時点で、修正ファイルの存在は確認しておりません。

操作性など

 対応OSはWindows95ですが、Windows98でも動作します。ただし、なぜかWindows2000/XPでプレイしたほうが、より安定して動くんですけれど、これはなぜ?(^^;

 CD-ROMをドライブに入れると、自動的にトップメニューが現れます。付属のDirectXは入れない方が安全でしょう。なお、ゲームのデータはすべてCD-ROMから読み込まれ、インストール作業は不要となっています。セーブデータはWindowsディレクトリに作成されます。

 256色環境でも起動可能ですが、肌が黒っぽくなるので、フルカラーでプレイする方がよいと思います。強制フルスクリーンとなり、通常画面では、下部にメッセージウィンドウ、右下部に日時が表示されます。この表示は、さすがにDOS版よりは洗練されています。一枚絵画面では、CGが640×400フル表示され、その下側に、黒地に白字でテキスト表示されます。表情の変化などがありながらも画像書き換えはキビキビしているのが好感を持てます。

 使用可能な入力デバイスは、基本的にはマウスですが、移動画面以外ではキーボードも使用可能です。

 セーブ&ロードは自室のみで、それも、きちんとセーブできたかどうか、あるいはどんなシーンがセーブされているかといった情報がさっぱりわかりません(^^;)

 メッセージスキップだの何だのといった、気のきいたシステムメニューは何もありません。シンプルなゲームなので不要と言えばそれまでですが…。

 CGモードはありません。しかし、CD-ROMの中にベタのBMPファイルがごろごろありますので、いつでも見ることができます。私は、CGやイベントの達成率なんかが気になるタチなので、やっぱりこれは物足りないですね。決して大昔の作品ではないだけに、この程度のサービスはほしかったところです。また、BGMモードもありません。こちらはベタのWAVEファイル(以下略)。

 また、マウスカーソルはWindows標準のものにしておいた方が良さそうです。ちらついたり、突然マウスポインタが消えたりというケースがありました。

サウンド

 BGMはPCMで演奏されますが、その質がどうのこうと言う以前に、音が割れまくってひどいものです。サウンドカードを変えても似たようなものでしたから、もともとからこうなのでしょう。さらに、曲数そのものが少なく、どのキャラと遭っても同じ曲が流れるなど、使い方という次元でも困った点が非常に多く目立ちます。一応、BGMのバリエーションが複数用意されているのですが、こんなところに凝るよりも、もっと本質的なところを締めて欲しいものです。また、メロディライン自体も、どこかで聞いた曲の焼き直しばかりで、これなら特にBGMなどいらないのではないか、という気さえしました。また、効果音もあまり使われておらず、どうにも寂しいという観は否めません。

 音声はありませんが、螢子ちゃんに声など出されたら、マジで立ち直れなくなるかも知れません。ヘタな音声ならない方がずっといいのですが、もし演技が可能であれば、声つきの方がよかったでしょうね。

グラフィック

 影崎夕那さんが原画を担当されています。目が丸くてやや幼げな顔、しかし身体は発達してますぜぐひひひひ〜、的なキャラデザは、結構好みです。しかし、塗りがフルカラーに直っているようには見えないのですけどねぇ。

 イベントCG、特に背景がやや暗めのシーンでは、非常に美しいグラフィックにうなりました。浴衣姿の操、螢に囲まれる螢子など、ゾクッとくるような魅力があります。

 それにひきかえ、背景のショボさは悲しいものがあります。特に、時間帯が変わっても背景は昼間とまったく同じまま、というのはどうにかしてほしかった。

お気に入り

 DOS版と同様、螢子ちゃんしかいません。シナリオ自体には変更がない以上、当然ですね。

関連リンク先

 マイナー中のマイナーゲームという位置づけなのでしょう、特にWindows版に関する意見はあまり目にしません(^^;) 数少ない例が、SHEOさんのサイトでしょう。

総評

 極悪とは言わないものの及第点にはほど遠い操作性のほか、強制ワープ(^^;)、エラーで強制終了、話し相手と立ちCGが違う、さらには攻略不可能なキャラクターが2人いるらしい(NIFTYでの私のデビュー発言がこの質問でした。いまだにこの2人を攻略できたという報告はありません)など、バグのひどさが目にあまります。攻略可能なキャラだけに限定すれば、プレイに支障が出ない程度のものではありますが、本当にテストプレイをしたのか、と疑いたくなります。しかも、この種のバグは、移植の際にうまれたもののようです。DOS版とは、イベントの発生場所を変えるなど、妙なところで凝っているのに、基本的な部分でボロが目立ちます。

 いいゲームではあります。しかし、人を選ぶ、選ばないという次元以前のレベルのところで、お勧めできるソフトとも言い難いのが残念なところです。冒頭で書いたとおり、環境が許すのであれば、DOS版をプレイされることを強くお勧めいたします。

個人評価 ★★★★★ ★☆☆☆☆
1999年8月21日
(8月31日、加筆・修正)
(11月15日、加筆・修正)
(2000年1月3日、DOS版と分離し、加筆・修正)
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