黄昏の境界 ティアラ

1997年2月20日発売(DOS版)
1997年7月31日発売(Windows95版)
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 黒系統のパッケージに、謎の目玉。そのおどろおどろしいシロモノは、えもいわれぬオーラを放っておりました。ううううっ、地雷という言葉に免疫のなかったころは、こういうものに対して興味本位に反応していたんだよなぁ……

シナリオ

 主人公・有賀彰(名のみ変更可)は、高校生でありながら凄腕の冒険家にしてトレジャーハンターであった。「トレジャーハンターギルド」にて与えられた今回の仕事は、神谷村に奉られる遺跡「鬼ノ天戸遺跡」を探索し、そこの『鬼の御魂』を入手せよ、というものであった。ちょうどそのとき、かの地では猟奇的な連続殺人事件が発生していたが、探索の過程で親しくなった娘たちとともに、彼は村内の遺跡調査を始めた。

 

 伝奇ネタと高校生という取り合わせで何か起こそう、という魂胆はわかるのですが、何も起きていないため、語りようがありません。

 私はこのゲームを2回プレイしましたが、そもそもタイトルの意味からして見当もつきませんし、途中で出てくる設定がことごとく意味不明、宙に浮いています。「鬼」というものを軸とした世界が展開していたはずだったのが、いつの間にか大団円のエンディング。さいでっか、好きにやっときなはれ、としか言えません。

 すべてを解き明かさないゲームにしかできない芸当があることは承知しています。しかし、混乱させるだけのネタを適当に撒き、「こうすれば盛り上がるよね〜」という程度の意味合いしか感じられない設定が消化不良のまま野ざらしになっていては、「手法」として狙ったのではなく、むしろシナリオの組み方それ自体の手抜きと断じて良いでしょう。

ゲームデザイン

 マップ移動でイベントを発生させていくタイプのアドベンチャーゲームです。中途の選択肢は、ゲームオーバーにすぐつながるものはなさそうですが、ヒロイン決定に関わってきます。

 主人公は何度か遺跡に潜入しますが、これがダンジョンになっています。このダンジョン内部での行動が非常にやりにくく、ある程度移動をしていると主人公の周囲の状況はまったくわからなくなります。したがって、ダンジョン内部のマップを書いてからプレイする必要がありますが、ダンジョン内での戦闘などほとんど無意味で、闘うと死にます(^^;) 要するにいらん化け物を回避するという形でないといけないわけで、ダンジョン探索でRPG的なものを期待すると頭にくること間違いありません。

 シナリオの展開上も、ダンジョン探索が必要とは思えません。中途半端に凝るよりも、シナリオをきちんと練りこんでほしいものです。

操作性など

 セーブは宿屋でのみ10個所可能ですが、あまり使い勝手が良いとはいえません。何せ、ダンジョンではあちこちうろつきまわるとすぐに死ぬ上、フラグ立ても結構辛いものがあるので、もう少し増やしてほしいものです。

 CGモードとかBGMモードとかいった気の利いたものは存在しないようです。

サウンド

 BGMはCD-DAで演奏されます…が、印象に残っていません。

グラフィック

 キャラ原画は、本来なら割と好みのタイプなのでしょうが、人がザクザク死んでいくという環境で、どいつもこいつものほほんとした表情なのは非常に怖いものがあります。さらに、キャラの表情はまるっきり変化しないのですが、目パチ程度の工夫さえないというのはいくらなんでもあんまりでしょう。

 塗りも、どういうセンスをしているのかわからんカラーリングです。あれならいっそ、グレースケールにした方が良かったのではないかとさえ思います。

お気に入り

 なし。

総評

 シナリオが作れていない上、無用と断じてよいダンジョンのマッピングをプレイヤーに強要させるゲームシステムには、プラス面での評価を与えることはできそうにありません。パッケージに出てくる目玉が流す血の涙は、これを買ってしまったプレイヤー本人のものなのではないでしょうか。

個人評価 ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆
1999年9月14日
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