朱鷺色の末裔 ぱれっと

1997年8月15日発売
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 巫女さんがいっぱい出てきます。まだうぶだったこのころ、神聖さをもって価値とせんがごとき服装となると、果たしてどんなシチュエーションが待っているのか、そういった煩悩パワー炸裂寸前状態にて期待しながら購入しました。

シナリオ

 主人公・澤村健一(固定)は、高校を卒業したばかりの神社の跡取り。前途有望な巫女志望の女の子が集まる箱根の修道場へ、管理人としてやってきた。そこに住み込み、共同生活を送る5人の女の子たち。そして起こるさまざまなできごと。

 

 パッケージにはぬくもりと想いが舞う、マルチエンディングの恋愛アドベンチャーゲームですと書いてあります。嘘と断じることはできませんが、思い切り誤解のモトです(^^;)

 まず、「ぬくもり」といいますが、主人公が勝手に女の子に「ぬくもり」を求めているとしか思えません(^^;) 日常ではごく普通の行動を取るのですが、相手が初めてでも無理やり押し倒すは、準備できてなくても取りあえず入れるわ、無茶苦茶です。「いきなり」とか「むりやり」とか、上のコピーから想像するのは無理ですね。もっとも、女の子の側から誘ってくる例もいくつかありましたけれど。また「想いが舞う」とありますが、Hシーンは必ず複数とこなすことになり、選択のいかんによっては全員押し倒すことも可能です(爆)。これで「想い」という言葉を使われてもねぇ。巫女服オンパレードのイメクラ世界としか…。

 さらに、各ヒロインとのエンディングが用意されている以上、「恋愛アドベンチャーゲーム」といっても間違いではないのでしょうが、実際にはかなり暗い展開がラストに待ちかまえており、一見明るく見えるエンディングの方がより救いがなく、暗いエンディングの方が問題が解決しただけまだいい、という顛末になっています。

 

 シナリオの展開という面で見ると、前半はコミカル、後半はシリアス、といえましょうか。もっとも、前半のコミカルな部分も、各キャラクターの位置づけがどうにも中途半端で、シナリオ面での描き分けができていないように見受けられます。このため、××萌え〜、という感じになる契機はさほどなかったのが実情です。イベント間の矛盾も非常に多く、CD-ROMの容量に応じてイベントを削ったとしか思えません。

 さらに、後半では、転生ネタを使っているのですが、箱根という舞台といい、中途半端にエヴァを入れるのは勘弁していただきたいものです。パロディ的手法の是非ではなく、題材を使い切れていないという印象を受けます。話の出し方そのものにも難がありますが、舞台設定がさっぱり見えません。記紀の世界を忠実にトレースした方が良かったのでは?

ゲームデザイン

 マップ移動、および中途で出てくる選択肢によってエンディングが変わる、マルチエンドスタイルのゲーム。マップ移動の際には時間の概念はないので、どのイベントを先に発生させるかでシナリオが動きます。移動先はけっこう多いものの、片っ端から見ていけばいいだけなので、あっさりと進みます。難易度自体もかなり低く、購入の翌日には全員のエンディングを見ることができました。

不具合・修正プログラム

 フルカラーで起動しようとすると「256色モードで最適化されています」というメッセージが出ましたが、何の問題もなく起動可能でした。

操作性など

 インストール作業は不要。セーブデータはレジストリに書き込まれます。入力デバイスはマウスのみでキーボードは受け付けません。

 通常はメッセージ画面が下部に出ますが、テキストのフォントが非常に小さいですね。乱視の人には非常に辛いものがあるかと思います。

 セーブは指定場所でのみ、それも3個所所というのはどうも少ないですね。難易度は非常に低く、1回のプレイにかかる時間もそう長くないとはいえ、もう少しやさしい設計にしてほしいものです。ロードは任意の位置から可能。

サウンド

 BGMはMIDIで演奏されますが、みごとに印象に残っていません。

 音声は、演技自体は非常に良いと思うのですが、セリフが口語とは思えない妙な調子なので、どうにもシンクロさせにくいものがありますね。声優のキャスティングをパッケージに堂々と描いているところを見ると、セールスポイントの1つなのでしょうが、このセリフでは読みにくかっただろうと同情します(^^;;;) 声優さんの演技力だけでは映えてきませんて。

グラフィック

 キャラデザは、パッケージ表側と全然違います(^^;) 実際には、髪の色と形を変えたら区別つかないでしょう。

 3D背景がウリの1つらしいんですが、バックが異世界のようでものすごく不気味です。特に、あの車、なに(^^;)

お気に入り

 阿波根菜緒かな。最初に出てきて別格的キャラと思ったら、その実は単なる5人の中の1人(^^;)

総評

 巫女さんの服を着てぐへへへへ〜、なことに期待する「だけ」に絞れば、悪くないと思います。無理やりもあれば(変則的ですが)縛りもあるし、かなりバリエーションはありますから。しかし、「恋愛ゲーム」として期待すると、まず間違いなく「外す」でしょう。

 さらに、シリアスなシナリオでも、「悲劇的」で統一しているのならまだしも、後味の悪さを残すというのが非常に嫌なところです。

個人評価 ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆
1999年9月13日
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