歪んだ赤い糸 日本プランテック

1998年9月30日発売
ご意見などは掲示板へどうぞ

 『歪んだ赤い糸』、このタイトルを見たとき、背筋の毛がすこし逆立ったのが自分でもわかりました。なぜかというと、たまたま『歪んだ赤い旗』なる文を読んでいたときで…まぁ、内容は敢えて触れますまい。今日ではXゲームの題材も飽和状態となり、いよいよ左翼思想まで含んだパロディものまで出たか、と思ったのですが、実際には、そういう意味では過激でもなんでもない、ごくごくオーソドックスなものでした。タイトルに「近親相姦編」などと冠しているシロモノが「過激でない」というのは語弊がありますが(^^;)

 それにしても、背表紙があまりにも地味ですね。平積みにしてあればともかく、書棚に収まっていたら気付きませんよ、このデザインは。本の中身は、主にゲーム中のCGや原画が書かれているほか、制作過程、おまけマンガも入っています。これで1980円なので、コストパフォーマンスは抜群です。

シナリオ

 主人公・淵上鏡也(姓名とも変更可能)は、浪人中の大学受験生。ある日、義妹の早苗がシャワーを浴びている姿を見てしまって以来、彼女を女性として見るようになる。そこに、家庭教師として現れた大人の女性が絡んでくる。主人公の欲望はどのような結末をもたらすのだろうか。

 

 え〜、逝っちゃってます(爆笑)

 素直(過ぎ…というか、ここまでくるとタダのバカと言った方がよいか?)で「お兄ちゃんだ〜い好き☆」な早苗を相手に、あ〜んなことやこ〜んなことを繰り返す日々です。ただし、「べたべたにかわいがる」ということはなく、むしろかなり鬼畜なシナリオが展開されます。

 テキスト描写自体が、読ませるに足るレベルのものとは思えず、展開も突飛、キャラクターがシーンによって豹変する、などなど、粗は目立ちますが、「値段」を考えれば、不満が残ることはありません。

 個人的におもしろくなかったのは、後半での、バッドとハッピーとの分岐のしかた。主人公が「見かけ上の善人面をする」とハッピーエンドになり、本性を素直に出すとバッドエンドになることが多く、最後の後味の悪さがいつまでも残りました。終わりはケラケラ笑って締めるような展開にしてほしかったのですが。

ゲームデザイン

 選択肢で主人公の行動が変わり、シナリオが分岐する、アドベンチャーゲームです。シナリオの展開は基本的に2つだけで、それ以外はすべて「バッドエンド」になります。特に序盤はすぐにバッドエンド直行というのが痛かったですが、それ以降は、マメにセーブしていけばさほどではありません。ボリューム的な物足りなさは感じますが、「値段」を考えれば(以下略)。

操作性など

 基本的にマウス操作で進みます。通常の進行では、マウスをクリックするだけで、キーボードは受け付けません。

 特定のセーブポイントのみでセーブ可能ですが、セーブ可能なのは5個所のみと、正直もの足りません。しかも、この「特定」のポイントが、選択肢を選んだ直後に出てきたりするので、なかなかタチが悪いです(^^;) セーブすると、プレイ時の実日時が記録されます。

 速度表示は3段階から選択できますが、あまり速くないです(^^;) また、「Shift」キーまたは「Ctrl」キーを押すとスキップしますが、この際、1回左クリックしないと、なぜかスキップしませんでした(^^;)

 CGモードやBGMモードなどはありません。CGを見たい場合は、CD-ROMの中にBMPファイルがベタのまま収録されているので、直接開くことが可能です。

サウンド

 BGMは、MIDIで再生されます。日常のほのぼの的な雰囲気の曲が流れながら早苗がナニしていたりするのには驚きました(^^;)

 音声は、まずまずといったところでしょうか。途中からはオフにしてプレイしましたが。

グラフィック

 橘セブンさんの原画。アニメっぽい絵柄で、目がチャーミングですね。顔の輪郭がタマゴ型そのまんまというのが、ちょっと気にかかりましたが。

 CGの枚数も多く、なかなかのものですが、塗りの粗さが気にかかりました。これは…値段どうこうとはいいたくないなぁ。背景については、もはや「語るほどのこともない」とだけ言っておきましょうか。

 あと、2画面分のスクロールが、なかなかそそります(自爆)

お気に入り

 この欄を埋めるのってなかなか大変ですが(^^;)、1人挙げろといわれれば、「本に収録されているマンガ中の香織」(^^;;;)

関連リンク先

 SHEOさんのサイトにレビューがアップされています。

総評

 中身以前の問題として、これが「書籍」としてリリースされていることの方が大変でしょう。一般の書店に、こいつが堂々と並んでいて、ガキが中身もチェックせずに買ったとしたら、やっぱり社会問題になるのでしょうねぇ。流通方法の合理化によるコストダウンは評価に値しますが、果たしてこの方法が、長期的に見てよいといえるのかどうか。『百花繚乱』などでは、さらに爽やかな装丁になっているだけに、非常に気がかりです。アダルトものであることを明示しておくべきだと考えます。

 内容的には、プレイした後に「値段の分は充分に楽しめた」ということはいえましょう。しかし、あくまでもそれまでだったと考えます。コストパフォーマンスの良さは評価できますし、「妹」や穏健な鬼畜(笑)が好みの方は、それ以上に楽しめると思います。もっとも、例えば『With You』(カクテル・ソフト)の伊藤乃絵美などのようなパターンで「妹萌え〜」という方は、避けた方が良いかも。

個人評価 ★★★★★ ★☆☆☆☆
1999年10月3日
(2000年11月24日、加筆・修正)
Mail to:Ken
[レビューリストへ] [トップページへ]