Eye's 〜あなたの瞳にうつるもの〜 エスクード

1998年10月23日発売
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 タイトルロゴのセンス(だけ(^^;)がなかなかよく、また単数形というめずらしい表現から「おっ、主人公は隻眼の剣士か」などと勝手に空想をふくらませてしまったのですが……単数形にしてある意味はなんにもなかったようです(^^;;;)

シナリオ

 進学最優先というクラスの雰囲気に反発し、何に対しても冷めている主人公(姓名変更可能)。そんな彼に対し、担任の女教師は、3人の女生徒の写真を見せ、彼女らと話をするように依頼する。期限は1週間。この妙な依頼を引き受けた主人公は、いぶかしげに思いながらも、彼女たちの中から1人を選び、接近する。そして1週間後、彼の瞳には誰が映っているのか…。

 

 ホントーに妙な依頼だ、というツッコミが真っ先に入ります(^^;) それから先も、かなり強引な設定が非常に多く、「張った伏線を消化し切れていない」というのが傍目にハッキリとわかります。「1週間」という期限で女の子と仲良くなって、主人公も前向きになる…冷静に考えると、まるでリアリティが感じられないのですから、テンポよくプレイヤーを引きつけてグイグイと引っ張っていく必要があると思いますが、各イベントの内容もブツ切れで、わからんところをプレイヤー側で補完しながら「取りあえず進める」という作業になってきます。説明不足のうえに引きつける工夫もされていない、となれば、おもしろく進むはずもありません。

 さらに致命的なのは、主人公の思考パターンや行動パターンがさっぱりわからないこと。学園ものの主人公となると、お気楽学生(『To Heart』タイプ)、天才少年(『Silver Moon』タイプ)かのどちらかが多いと思われますが、この主人公は徹底的なネガティブ思考。『』の長瀬裕介もネガティブでしたが、『Eye's』の主人公は内向的というよりはむしろ「周りが悪い」的なタイプといえましょうか。まあ「進学校の落ちこぼれ」という設定から、偉そうにほざく口先だけの無責任ネガティブ人間を作り出すというのは、別に悪くはないのですが、だとすると、根元にあるコンプレックスが最後まで明らかにされない、という、どうしようもない問題がやはりあります。

 さらに付け加えれば、ヒロインたちのシナリオが非常に弱いこと。サブキャラである春菜や智陽のシナリオはまだ悪くないと思うのですけれど、メインキャラに関しては、描写不足もいいところ。個々のイベントを見ても、その必然性をまったく感じられません。

ゲームデザイン

 まずは3人のヒロイン候補から1人を選んだ上で、学校内のマップ移動を行うことでイベントを発生させていきます。

 そして、このゲームのセールスシステムと言うべきものが、「MSSシステム」。これは、マップ移動画面で、行くべき所に「NEXT」印が表示されるというものです。要するに、この表示があるところへひたすら進めば話が進行するわけですが、キャラクターがいる場所はごく限られているので、こういうナビゲーションシステムを導入するメリットは、あまり感じられません。類似の方法を採用した別ゲームと比較しても、「大きなお世話」という印象は拭えません。

 難易度自体はさほど高くありませんが、あるシナリオだけかなりやりにくくなっています。

不具合・修正プログラム

 そのままプレイしたのでは、マウスクリックの反応が鈍くて非常にもたつきます。エスクードのWebサイトに修正プログラムがアップされていますので、アップデートしないとやってられません。

操作性など

 起動すると、強制的にフルスクリーンとなります。パニックボタンなるものがありますが、そんなもんつけるよりもタスクの切り替えが可能(もっと具体的にはウィンドウ表示可能)にすれば済むことであって、「何か勘違い」という雰囲気が伝わってきます。

 基本はマウス操作ですが、一部キーボードも可能。ただ、マウスの反応がいちいち遅いような気はします。

 セーブも比較的行いやすく、特に可もなく不可もなく、といったところでしょうか。

 CGモード・BGMモードあり。ただ、単にゲームをクリアしただけでは出現しません。「凝っているぞぉユニークだろぉ」と思っているのでしょうが、このあたりにも「何か勘違い」しているな、という思いを抱かせます。

サウンド

 ゲームを起動すると、さわやかなオープニング曲が流れ……ると思ったら、ひっくり返りそうなヴォーカルが(^^;) 曲そのものは悪くないんだから、もっとマトモに唱える人を当ててくれ、頼むから。もったいない。ヴォーカルをオフにできるのであれば、非常にいい歌なのですが。

 ゲーム中のBGMは……全然記憶にありません(^^;)

グラフィック

 キャラ原画は…全然好みじゃないです(^^;) デフォルメのやり過ぎというシーンが多いし、何だか妙などアップがけっこう見受けられます。あと、やたらに曲線を多用した学校の建物そのほかの背景、ちょっち不気味。

 塗りは、でろんとした印象ですが、ていねいであるのは確か。ま、Hシーンを濃密にさせる効果がある塗りでしょう。光線の使い方がなかなか印象的。

お気に入り

 印象に残らないゲームではありますが、その中で強いてあげれば、ボーイッシュな神野智陽でしょうか。性格的には悪くない(見た目でもー少しかわいげを出しなさいってば)ので。ただそんだけ。

総評

 いろいろとプレイアビリティを改善しようと努力している姿勢が、非常によく伝わってきます。伝わってくるのですが、基礎がないうえに無理に柱を立てたため、近づくと足音だけでぐらついてしまっているという感じです。

 シナリオ、キャラクター、この両方でこけたのが痛かったですね。グラフィックだけにしぼれば悪くない(でもCG枚数は多くない)ので、狙いを絞った作品に期待したいものです。

 一番よかったのはタイトルロゴなのではないか、というのが、私の印象なのです。

個人評価 ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆
1999年8月21日
(11月16日、加筆・修正)
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