放課後はフィアンセ Sweet Basil/Will

1998年2月27日発売
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 Xゲームの中には、「唐突な出会い」に関して苦笑せざるを得ないものが山ほどあります。その中でも、設定の強引さにかけては最上級に位置するのが、この『放課後はフィアンセ』でしょう。無茶苦茶な設定であれば、その後の展開は、ギャグでひたすら続いていくか、はたまたほのぼのとしたものになるか、そんなことを期待していたのですが、いろんな意味でぶっ飛んだ作品でありました。

 「Sweet Basil」というのは、『お兄ちゃんへ』を出したギルティの姉妹ブランドです。

シナリオ

 肉親がおらず天涯孤独な高校生・脇田匡(変更不可)は、足長おじさん・菅野豪太郎の援助で一戸建ての家に住み、何不自由ない生活を送っている。ある日、菅野の妻と名乗る女性と、3人の菅野の娘が彼の前に現れる。他界した菅野は、「自分の娘のいずれかを匡のフィアンセにする、さもなくば援助はうち切る」という遺言を残していた。彼女たちと1週間の同居生活の中で、匡はフィアンセを誰に選ぶのだろうか。

 

 全体のシナリオバランスの悪さが、何よりも印象的です。

 設定や展開に説得力がない、というのは、さほど気にする必要はないでしょう。主人公が援助を受けていた理由、あるいは女の子たちが主人公に惹かれる背景、そういう書き込みが一切ないのですが、「そういうものだ」で済ませ、エンディングをのんびり見る、あるいは会話を何となく楽しむ、それでもいいとも思うんです。

 でも、それが、できない…

 話がまとも(スタート地点からして「まとも」ではありませんが、一応「納得はいく」という意味です)な方向に進むエンディングに到達すれば、それはそれで悪くはありません。しかし、エンディングの多くは、「主人公が後半(あるいはラストで)突如豹変する」ものです。ゲームのスタートは荒唐無稽ですが、しばらくは女の子たちとらぶらぶな展開がひたすら続くように見えるのです。しかし、かなり多くのシナリオにおいて、主人公は突然鬼畜になります。何の前触れもなく、突然酒池肉林モードに入られても、見ている側は当惑するばかり。

 継続的な多額の援助、3姉妹の突然の闖入といった、計画的な「事件」の裏に、妙な胡散臭さを感じ、「これはサスペンス的なものかっ」と身構えてしまった私の発想は、滑稽と評するしかないでしょうが(^^;)、このシナリオ展開の中に鬼畜を入れる必要がどの程度あったのか。サービスシーンを増やすといっても、ターゲットは元々3人用意されているわけで、ロリ、あるいはマゾ的な娘を用意している時点で十分だと思います。勘違いした「サービス精神」とでもいえましょうか。

ゲームデザイン

 コマンド選択で分岐するタイプのアドベンチャーゲームです。フラグ立てと好感度とが絡んでくるので、すべてのエンディングを制覇するのはなかなか大変です。プレイ時間自体は短いので、繰り返しプレイすればある程度見当はつきますが、そもそも繰り返すだけの意欲が残るかどうかは疑問です。

操作性など

 インストールの際には、インストール先が強制的にルートディレクトリになるのはやめてほしいですね。

 操作はマウスオンリーで、キーボード操作はできません。

 セーブ&ロードは10個所かつ任意の位置で可能で、タイムスタンプ機能もついていたのはマル。

 あと、気にかかったのは、既読メッセージのスキップ機能はあるものの、一度スキップしてしまうと止まらないこと。途中でスキップをやめたいと思っても、これでは困ります。さらに、フラグ管理が甘いのか、見ていないと思われるメッセージがスキップされた例もありました。

 CGモード(各キャラクターごとに達成率表示)、BGMモードアリ。CGモードでは、Hシーン以外のイベントシーンのグラフィックも表示されます。

サウンド

 BGMは、MIDIで演奏されます。単独では割といい感じの曲だと思いますが、シーンと合っていないという印象を受けました。また、曲の数が少ないのも残念。

 音声は、主人公以外全員にあります。演技としてはまずまずといったところでしょうか。

グラフィック

 原画は、海豹かずまさんの担当。かなり人を選びそうな絵柄ですが、個人的には嫌いではありません。ただ、鬼畜なHシーンには、どうも違和感が強くなってしまいます。

 背景は、写真を取り込んだだけのようですね。

お気に入り

 特にありません。個人的に萌えそうなタイプのキャラが、そもそも皆無でしたし、何よりもシナリオを惰性で進めていった回数が多かったのがいけなかったかも。

総評

 ストーリーの軽さとさわやかさ、単純明快なキャラ設定、そういうものに魅力を感じてプレイしましたが、そういった要素は中途半端になっています。

 先発ブランド「ギルティ」との差別化を図ったにしては、これまた中途半端に鬼畜が入っていますし、どっちつかずの内容になっているという印象があります。

個人評価 ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
1999年9月29日
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