夢幻夜想曲リニューアル アプリコット

1998年11月27日発売
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 プレイして雰囲気の美しさに感嘆した『夢幻夜想曲』が、フルボイスでリニューアルすると聞いたときには、期待よりも先に不安が頭をよぎったものです。あの世界にあのキャラクター。果たして、声での演技がついていけるのだろうか。そう思いながらも発売日に購入、パッケージを開けると……強烈なポプリの香りが(^^;)

シナリオ・ゲームデザイン

 前作とほとんど同じです。ただ、エンディングでの選択肢が1つ、つまり1人分増えています。はい、「あの人」も連れ出せるわけです(爆笑)。しかし、エンディングをつけるのであれば、もう少し彼のイベントを増やしてあげてしかるべきだと思うのですが。

 他キャラのエンディングパターンは、まったく同じです。

不具合・修正プログラム

 私がプレイしたときには、特に不具合は見当たりませんでした。

操作性など

 対応OSはWindows95で、Windows98でのプレイも可能です。WindowsXPでのプレイはできません。

 入力デバイスがマウスのみでキーボード使用不可、というのは、いただけません。ゲーム性を追究するというものではなく、シナリオを読む、あるいは雰囲気を味わうといったことが第一の目的というゲームなのですから、キーボード操作も可能にしてほしかったところです。

 インストールの際には、最小・標準・最大から選択可能ですが、CD-ROMの扱いが非常にわかりにくくなっているのはちょっと問題。また、音声を出すためには600MBのHD容量が必要というのも、酷というものでしょう。

 表示は、フルスクリーン・ウィンドウ表示の切り替えが可能です。セーブ&ロードは選択肢表示個所でのみ、右クリックによりセーブ可能。10個所までセーブできます。ロードは任意の場所で可能。

 メッセージ速度は、画面を右クリックして出る設定メニューで調整できます。

 CGモード・BGMモードは、ゲームクリア後にトップメニューから入れます。CGモードでは、テキスト付きの回想シーンを再生できるほか、エンディングCGも見られます(旧版では見られませんでした)。BGMモードでは曲名も表示されますが、一部、旧版と曲名が変わっているようです。

サウンド

 BGMは、WAVEファイルをDirectSoundで出力しています。もともとすぐれたBGMだったのですから、CD-DAにしてほしかったものですが、CD-ROMの容量不足なのでしょうか。Windows旧版『夢幻夜想曲』に比べ、やや明るい感じの音色になっています。

 音声は、男女含めてのフルボイスですが、みごと、の一言に尽きます。

 これをプレイするまで、音声が威力を発揮するのは「萌えゲーム」である、という先入観をもっていましたが、そんなことはない、ということをはじめて実感しました。実力のある方が高水準の演技をされれば、シリアスな展開のゲームでも実にいきいきとしたキャラクターの像が結べるという、何よりの証拠となる出来に仕上がっています。前作をプレイ済みで、すでにある程度のキャラクターイメージができあがっている人間にとってさえも、非常に高く評価できましたから、最初にリニューアル版をプレイすれば、文句ナシでしょう。

 キャラ別に見ても、笑顔を見せてくれるようになるまでの雪菜、希望と諦めとの間で悩む沙里などが印象的でしたが、何よりも、主人公の音声が、実にいいです。主人公の設定には「強烈な個性」というものがなく、したがって演技はかなり難しいと思うのですが、状況を的確に示す、実にいいものでした。草山のわめき声もなかなかよかったです(^^;) 個人的には、由羅の音声が、ちょっと幼すぎる印象を受けましたが、精神年齢相応の声という見方も可能、というご指摘をNIFTY SERVEにていただきました。これはこれで納得のいく説明と感じます。

グラフィック

 フルカラーに塗り直したということなのですが、どうも肌の色、あるいは屋外背景の色合いに違和感を覚えます。目にキンキンくる色とでもいいましょうか、「館」の雰囲気を演出するというには少し明るすぎるという感じです。これは、旧版をプレイしているからそう感じたのかもしれませんが。

関連リンク先

 旧版との比較をされている成瀬せりあさんのサイト(閉鎖)がお勧め。

総評

 音声の演出に関しては、危惧していたような「雰囲気ぶち壊し」ということはまったくありません。シナリオ面はほぼそのままなので、基本的な評価はほぼ同じ、というところでしょうか。

 どちらかというと、グラフィックから受ける若干の違和感の方が気になります。あと、異常に食うHD容量など、もう少し何とかしてほしい、という面はあります。しかし、音声でこれだけのものを出されては、帳消しとせざるを得ませんね。

個人評価 ★★★★★ ★★★★☆
1999年9月13日
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