ProjectVC フェアリーテール/F&C

1998年4月24日発売
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 なんとなく取りつかれたように、バーチャコールシリーズをひととおり全部プレイしてみよう、そんな気になった時期がありました。何がきっかけだったのかというと、単に「F&Cの最近のゲームを見渡したい」という、妙な思いつき(^^;) それはともかく、そんなバーチャコールシリーズの中でも、この『ProjectVC』が当面のラストになりました。

 パッケージには小さい女の子、そしてその後ろにはロングヘアの少女。この「ロングヘアの少女」がプリシアだということに、最初はまったく気がつきませんでした(^^;) まったく、プリシアはいつになったらマトモに人間の服を着るのでしょうか? 初代『バーチャコール』のエンディングでは、マトモな格好をしていたというのに…。

 それはともかく、内容的には非常に軽い(なにせ、NIFTYの会議室に感想をわざわざ書く気にならなかったぐらい(^^;)ので、気楽に参りましょうか。

シナリオ

 バーチャコールのオペレータ・ウィンディが不調になったため、急遽、代役オペレータの育成が必要となった。主人公・清里五郎(姓名とも変更可能)は、バーチャコールにアクセスすると、先代のオペレータであったプリシアから、オペレータ教育のアルバイトを要請される。彼女はユーティ(名前変更可能)、期間は30日間。どんなオペレータになるものやら…。

 

 ユーティの成長は、最初の段階が「子供」、ついで「少女」、そして「大人」となります。ところが、「大人」になると、オペレータとして適格ではないということなんですが、プリシアの姿を見るかぎり、全然説得力ありません(^^;) 「少女」レベルで、なおかつ適度にパラメータを調整してやると、いろいろとラブラブなイベントが起きたりします。あるいは、パラメータをいびつにして育てると、性格がいろいろと変わっておもしろいデス(^^;) 子供段階で終えることも出来るなど、エンディングのバリエーションの多さは、このゲームの魅力の1つでありましょう。

 ただ、子供のままだと、Hシーンはありません(爆)

 

 ゲーム期間それ自体は短く、したがって発生するイベントの数は限られているため、シナリオとして見た場合、質・量とも「大したことはない」のが実情ですが、別に欠点として指摘するようなことではありません。

 1つだけ、今までのバーチャコールシリーズと違う点は、「主人公」と「プログラム人格」とが対等の立場でコミュニケーションを行っているため、その舞台が「仮想空間」であること。この「仮想空間」の中では、主人公の行動はどのように位置付けられているのか。『V.R.デート五月倶楽部』のように、ある特定の会社が管理・運営する人工空間であり、その中に存在しているのであれば、プライバシーの扱いはどうなっているのか。などなど、いろいろと妙な考えが頭にポコポコと浮かんできたりしました。深く考えるべきゲームではないことは百も承知の上でですが、四六時中監視されているモニターというものの居心地の悪さも感じたしだいです。

 

 会話で一番楽しかったのは、冒頭に出てくるコマンド解説での、プリシアとユーティの漫才(^^) ここが実は結構好きで、最初から起動してはここばっかり何回か眺めたりしていました。

 

 それにしても、キャラ萌えを狙った(と思われる)ゲームなのに、ヒロインの名前を変更可能にするというのは、過去に経験がありません。確かに、育成的要素のあるシミュレーションゲームでは、ヒロインを自分色に染める(^^;)という意味合いも込めて、名前を変更可能にするというのは一理あります(『同棲』などの例アリ)。しかし、このゲームでは「ユーティかわいい」という点からスタートするのが目に見えているので、狙いを誤ったのでは、という気がします。何せ、「ユーティ」と呼びかけるとき、そこの部分が「音なし」になるので、味気ないのです。

ゲームデザイン

 ユーティのもつパラメータを適当な数値へと誘導しつつ、イベントを発生させ、また好感度も調整することで、最終的なエンディング=ユーティの姿の決定となります。

 パラメータの数やコマンドの選択肢はさほど多いものでもなく、期間も短いので、ゲームはかなりてきぱきと進みます。1プレイには1時間もかからずにプレイできました。したがって、「気軽に育成シミュレーションゲームをやってみたい」という方にはお勧めできましょう。

 また、中間判定といいましょうか、パラメータの変動具合がおかしい場合、プリシアが警告してくる場合があるので、変更は容易です。

 ただ、自力で全部のCGをすべて埋めようとすると、なかなか大変です。SLGとしての難易度は高くないのですが、パターンを見極めようとすると、期間が短いこともあって、パラメータ調整が間に合わなくなる場合があります。素直に「一エンディングごとに最初からプレイ」を心がけるのが良いでしょう。

不具合・修正プログラム

 私の環境では、特に問題などは発生していません。

操作性など

 このゲームでも、ご多分に漏れず(^^;)「ADM」を使っていますが、F&CのWebサイトにアップされている最新版が用いられている上、複数バージョンがCD-ROMの中に入っているので、一番コンディションがよくなるプログラムを使えばいいということです。もっとも、こんな厄介なプログラムを延々と引きずってきている方が、そもそも疑問なのですが(^^;)

 ゲームは基本的にマウスで操作しますが、補助的にキーボードを使うことも可能です。メッセージスキップはありませんが、スキップが欲しくなるようなところはないので、そもそも必要ないでしょう。それよりも、毎回毎回、スタッフロールを見せられる方がよっぽど疲れますが、これも、最後まで行くと、ちゃんとスタート画面に戻るのは、進歩したというべきか。

 セーブ&ロードは8個所まで可能ですが、そんなに使うことはおそらくないでしょう。先述のとおり、1回に要するプレイ時間が短い上、エンディングのパターンが結構多いために、ちょっと折を見てはやりこんでしまうタイプのゲームになっているので、「ゲーム中断」という場合に使うものと思った方がいいかも知れません。

 このほか、セーブするとCGモード・BGMモードに入れるのは今までどおり。なお、CGモードではサムネイル表示されますが、未見CGはセピア色のモノトーン表示、すでに見たCGはカラー表示なので、「このCGはまだ見ていないな」というのが一目で分かります。従って、未見のエンディングも見当をつけることができます。このあたりは、非常にスマートかつ親切な設計になっていますね。『バーチャコール2』のころはどうしようもなかったのに(^^;)

サウンド

 BGMは、MIDIで演奏されます。割とノリの良い感じの曲ですね。また、テーマ曲『笑顔で行こう』はヴォーカル付き(これのみCD-DA)ですが、なんというか、子供向けテレビアニメの主題歌のような印象を受けました。ただ、これも何となく耳に残り、気がついたらMP3化してHDに常駐していたりします(^^;)

 音声は、ユーティの成長度合いによって変わってきます。子供のときは「お兄ちゃん」、しばらくすると「あなた」と呼んでくれたりします。この「お兄ちゃん」が、意外とハマっていますが、本当に近所のガキを相手にしているような感覚になりますね(^^;) でもまぁ、「おっはよぉございまーす」の破壊力が大きかったことは、素直に認めるしかありますまい(自爆)

グラフィック

 アニメ絵というのでしょうか。なんとも子供っぽい顔つきになっているのが気になります。いえ、ユーティはもともとロリっぽいキャラということで説明することはできますが、プリシアまでなんだか雰囲気が大幅に変わってしまったのは、かなり残念。もっとも、プリシアも『(初代)バーチャコール』→『バーチャコール2.2』→『バーチャコール3』と変遷しており、今さら変わっても驚かないのですが、それにしても…。

 ユーティの極端なミニスカートが、なんか気になります(^^;) 公園でボートに一緒に乗ったり、胸を掴んで投げられたりしたとき、中身がしっかり丸見えなんですけど(^^;;;)

 塗りは、ていねいといえばていねいなのですが、どうも霞がかったようであまり締まりを感じません。

お気に入り

 ユーティ……というか、登場人物に選択の余地がないですね(^^;) 個人的には、「美人でバランス良しの大人バージョン」がなかなかいいかな、と。少女バージョンだと、どうしてもロリな雰囲気がつきまとっていけませんわ(^^;;;)

関連リンク先

 USGさんのサイト(閉鎖)にレビューがアップされていました。

総評

 バランス良く、小じんまりとまとまっているので、「育成シミュレーションゲームというものが基本的に面倒でイヤだと思っている」なおかつ「バーチャコールシリーズにけっこうハマった」という方でしたら、無条件でお勧めできるでしょう。しかし、手軽にプレイできると言うことは、裏を返せばボリュームの少なさを示しているわけで、物足りないともいえます。

 ただ、個人的には、今後のVCシリーズ展開を予測した場合、このユーティとウィンディとの関係をどう位置付けるのか、ということが、非常に気にかかります。ウィンディも、『バーチャコール2』と『バーチャコール3』とで顔が全然違うのですが、また妙な顔になってしまうのでしょうか。想像するだけで嫌です。

 ことあるごとに書いているのですが、シリーズの流れの中で随一ひどい扱いを受けているウィンディですが、この『ProjectVC』の冒頭で、いつか必ず復活するということをプリシアが言っているので、まずはその言葉を信用しつつ、ユーティとのんびり遊んで気を紛らわせるのが吉かも知れません。

個人評価 ★★★★★ ★☆☆☆☆
1999年9月17日
(12月3日、加筆・修正)
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