Sweet Days パールソフトR

1997年10月31日発売(DOS版)
1998年9月25日発売(Windows95/98版)
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 1997年秋、とあるゲームショップの新作コーナーをぶらついていたときに、ふと目に入ったゲーム、その名は『Sweet Days』。パッケージには、なかなかかわいい女の子。興味を持って手に取ると、なんと「PC-98専用」。おいおい、と思いながら戻す。それ以降、「何となく気になったゲーム」のまま時は過ぎ、ほぼ1年の後、Windows移植版が出されました。さて、その中身はどうか……。

シナリオ

 主人公(姓名とも変更可能)は、高校3年の受験生。しかしその成績の悪さのために、進学コースへの編入は無理と担任に言われる。焦った両親は、隣に住んでおり、家族ぐるみでの付き合いのある女子大生・亜紀に家庭教師を依頼する。そして、受験生としての日々が始まり、その後、彼の横にいるのは誰なのか…。

 

 メインヒロインが年上の女子大生で家庭教師という設定から、あれこれと想像(妄想?)することはできますが、「お姉さんが、手取り足取り教えてあげるわ」という「いけない家庭教師」というシナリオはありません、そういうのに期待される方はほかのソフトをどうぞ(^^;)

 ひたすら、ほのぼの・らぶらぶなノリで進みます。しかし、「亜紀姉とのらぶらぶ物語」として進むというのではなく、ほかにもいろんな女の子が出てきます。

 恋愛ゲームの場合、主人公の性格や行動が破綻しているケースがままあり、「なぜこんなのがモテるんだ、1人ぐらい娘よこせコノヤロー」的な主人公が多いんですが、このゲームの主人公は、ヒロインを陰から守ったり、窮地に追い込まれれば適切に助け船を出したりしますし、また下手なギャグを連発することもあまりないなど、発言や行動が非常に自然かつ誠実です。やや不器用ではありますが、主人公を巡って女の子が争奪戦を展開、というシーンがあっても、それが「納得のいくもの」になっているのはいいところでしょう。

 女の子側の心境の変化、主人公の発言や行動なども、それなりにきちんと描かれており、らぶらぶになっていく過程を楽しんでプレイしていきたい…という方には、おすすめできるのではないでしょうか。ただ、メインヒロインである亜紀姉以外のキャラクターに関しては、個別イベントでの破壊力に依存している面が大きく、「展開」を見ると、突飛と言う印象は免れません。まことや絵夢ちゃんなど、グラフィックとセリフとの連関がうまく効いているキャラクターはいいのですが、ここでずれがあると「なんでそうなるの(^^;)」といいたくなるというのは、ちょっと…。

 逆にいえば、個別のイベント設定は、実にツボをおさえており、手堅く決めているという印象です。まことシナリオなど、「よくあるパターン」のオンパレードなのですが、組み合わせ自体はきちんとできているので、キャラクターの魅力を十分に出せています。

 

 個別のキャラクターを見ると、亜紀姉やその妹、幼なじみといったあたりは無理ないのですが、不愛想な同級生、亜紀姉の友人、さらに後輩となるに従って、設定に無理がかなり出てきます。特に、ラストの「後輩」よくわからんし、そのご両親はもっとわかりません(^^;) でも、かわいいから許す!

 せりふの使い方は、なかなか味があっていいのですけれど、例えば絵夢さんのせりふ、ずいぶんと読みにくいですの、音声なしなのですから、もうちょっと工夫がほしかったですの(^^;)

 それはともかく、バリエーションの付け方としては、ごく定番どころを揃えたという印象はありますが、各キャラクター間の相互関係に多少なりとも触れている点は評価できましょう。テキスト表記自体は、まずまずといった感じでしょうか。

ゲームデザイン

 放課後の場所移動でキャラと会い、イベントを起こす、というタイプのゲーム。『To Heart』を思い切り簡略化したようなもの、と思っていただいてよろしいでしょう。

 軽く進むこともあり、女の子との会話を楽しみつつ、いい雰囲気になっていく…というものです。途中から突然登場するキャラはいませんし、攻略に必要なイベントの数は非常に多いので、同時攻略はまず不可能です。

 難易度は、セーブ&ロードの繰り返しをいとわなければ楽勝、そうでなければ少し困るかな、という程度。もっとも、CD-ROM内に、解答を書いたテキストファイルがある(拡張子は.txtでも.docでもないのでご注意ください)ので、詰まりようがありません。

操作性など

 動作対象OSはWindows95/98ですが、WindowsXPでも問題なくプレイ可能です。

 キーボード操作ができないのは難アリ。長時間プレイを求められるゲームではないとはいえ、複雑な入力は必要ないのですから、キーボード操作を可能にして欲しかったところです。

 画面が640×400固定で、フルスクリーンにならないというのも、いまどき珍しいですね。また、メッセージ表示画面は固定である上不透明なので、ビジュアル画面は横に細長くなっています。

 セーブは、1日の終わりでのみ、20個所まで可能ですが、これで十分でしょう。セーブ時の状況などが記録されればなお良かったのですが、セーブ時の実日時が出るだけです。ロードは任意の位置で可能。

 テキスト表示は、ウェイトあり・なしの2段階。メッセージ早送りなど、主な機能はひととおり揃っています。

 シナリオ達成率モード・CGモード・BGMモードがあります。シナリオ達成率とは、要するに「到達したエンディングの達成率」です。CGモードでは、見たCGが1枚ずつ表示されるだけで、達成率などは表示されないのが寂しいですね。BGMモードでは、曲名も表示されます。

サウンド

 CD-DAで演奏されます。地味ではあるけれど、非常にすがすがしさを感じるような、独特の印象を与える曲たちです。「Child Step!」など、思わず小躍りしたくなるような曲もいいですし、何よりも、最終トラックの「Sweet Days」は、みごとなものでした。

 アレンジにもう少し工夫が欲しい、という印象を受けた曲もありますが、ゲームの演出にはキラリと光るような効果を残していたと感じます。

グラフィック

 「一部256色CGあります」という記述が、CD-ROM内のドキュメントファイルにありましたが、全エンディング達成後のコンプリートCGだけです(^^;)

 原画は、結構かわいいめの絵(ただし、パッケ絵ほど幼っぽい感じではありません)好き嫌いが分かれるタイプのものではないと思いますが、個人的には結構気に入りました。ただ、今時16色というのは、やはりキツいですね。表情の変化、特に照れている表情なども、地味ながらいい結果を出しています。

 それに、フル画面CGがないのは残念。もともと横長画面で、しかも下部はメッセージウィンドウ(消去不可)に占拠されるので、CGが非常に細長くなってしまうのが惜しまれます。顔のアップ絵など、非常にかわいらしいものが多いだけに、なんとももったいないものです。

 背景CGはモノトーンですが、渋いというよりも「パッとしない」という印象が先に立ちます。阪急電車の改札口とかあるんですが(^^;)

お気に入り

 沢口まこと。友人的なノリからしだいに接近していく過程がいいです。特に、手作りクッキーをおずおずと差し出すCGの破壊力といったら、もぉ(*^^*)

 これに次ぐキャラクターとしては、絵夢ちゃんでしょうか。布団から目だけのぞかせているCGがラブリーでよろしい。

関連リンク先

 SHEOさんのサイトに(DOS版ですが)レビューがアップされています。

総評

 恋愛ゲームのパターンに、あくまでも忠実に従って作られているな、という印象はありますが、個別のキャラクターがそれぞれの魅力をそれなりにいかしているので、小さいながらもよくまとまった佳作となっています。無難、地味、こういったことばが非常によく当てはまっています。シナリオの中で、何らかの「問題」を考えさせることを望まず、なおかつ、気楽なラブコメに抵抗のない方には、充分にお勧めできましょう。移植作品ということもあって低価格に抑えられているのも嬉しいところです。

個人評価 ★★★★★ ★★☆☆☆
1999年8月21日
(10月1日、加筆・修正)
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