私 パールソフトR

1997年1月10日発売(DOS版)
1998年4月24日発売(Windows95版)
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 主人公が自分をみつめる、そういう視点で描かれるゲームというのは、少なくとも現在では決して目新しいものではないのですが、その多くには、かなり抽象的なタイトルがつけられているのが常です。しかし、このゲームでは珍しく、漢字一文字。それが「朕」だったり「麿」だったりしたら嫌すぎですが(爆笑)、女性キャラが主人公。う〜む、しかも、NIFTYの会議室のどっかで目にしたし(←内容は覚えていなかった…不覚…)、この後に発売された『Sweet Days』が個人的にお気に入り作品となったこともあって、買ってしまいました。

シナリオ

 内気で引っ込み思案な主人公・鈴原静穂(変更不可)が、そんな自分をなんとか変えるべく行動する。しかし、さまざまな思惑をもったキャラクターたちが、彼女を惑わせることになる。彼女がその行く末に辿り着いた先は何なのか。

 

 シナリオの内容は、選択肢によって大きく変わってきますが、それらに共通しているのは、一部のラブラブを除けば基本的に転落ルートをたどることになる、ということ。それも、非常に他律的な決定要因に左右される話でありながら、「自分」というものへの目の向け方があまりにも甘い(内省的というほど考えてはいない)ため、「さいでっか」で終わってしまいます。

 女性主人公視点というのも珍しい話ですが、設定のように「静穂の行動」で話が動くというよりは、そういった性格の人間につけ込む連中のワルさが話を作っているように見えます。実際に「内気で引っ込み思案」な人間がこういった行動を取るのかどうかはわかりませんが(興味もないし)、「雉も鳴かずば撃たれまい」的な印象があります。

 

 それにしても、個々のボリュームが軽すぎるというか、物足りないという印象は否定できません。サービスシーンをウリにするのであればグラフィックが決定的に足りませんし、「転落」への経緯はあっても「心を閉ざ」しておしまいなので、主人公の精神的な動きを全然描いていないため、「主張」も伴っていません。確かに、「経緯」が書いてあるだけでも立派と言えなくもないのですが(レイプが3時のおやつ並に軽く扱われるXゲームの世界ですから…)、「顛末」に救いがなさすぎます。悲惨な結果というもの自体は悪くないとしても、「どうしてそうなったのか」という「反省」を伴うような心的描写がゼロ。

 なによりも、彼女を「転落」させていく「周囲」の行動に、「ついていけない」と思えました。特に、生徒会長の弟ラブラブとか、妹の彼に犯されるとか、話の展開に無理がありすぎです。Hシーンのバリエーションを増やそうという意図はわかりますが、「なんでやねん」というツッコミを入れること数知れず…。

 個人的希望としては、「自閉」だけでなく、「崩壊」といったエンディングもほしかったところです。まぁ、「犯されて感じて淫乱になって終わりエンド」がなかったのはマル。

 どうでもいいけど、地下鉄の隣接駅名で姓・名を作ってしまうのはすごいぞ(^^;)

ゲームデザイン

 選択肢によって分岐するタイプのコマンド選択式アドベンチャーゲームです。分岐のパターンは非常に明確です。エンディングの数が多い(24通り)とはいえ、1回のプレイに要する時間は10分もかからないので、すぐに終わります。あるエンディングは、正解となる選択肢をクリティカルに選択しないといけないのでやや辛いですが、基本的には選択肢の違いを十分に覚えていられる程度のバリエーションです。

 エンディング判定も、ラストのCGがたとえ同じであっても、別の選択をした場合は違うものと計算されているので、実際にはさほど多いとは感じないでしょう。

 なお、すべてのエンディングに到達すると、おまけCGが出ます。

操作性など

 操作はマウスオンリー。プレイ時間は非常に短いので、これでもストレスを感じることはありませんでした。

 画面が640×400固定で、フルスクリーンにならないというのも、いまどき珍しいですね。 また、メッセージ表示画面は固定であるうえ不透明なので、ビジュアル画面は横に細長くなっています。

 セーブは、選択肢が出た画面で「メモを取る」ことで可能です。20個所までセーブ可能ですが、そんなに使うことはまずないでしょう。ロードは任意の位置で可能。

 テキスト表示は、ウェイトあり・なしの2段階。メッセージ早送りなど、主な機能はひととおり揃っています。

 シナリオ達成率モード・CGモード・BGMモードがあります。シナリオ達成率とは、要するに「到達したエンディングの達成率」です。CGモードでは、見たCGが1枚ずつ表示されるだけで、達成率などは表示されないのが寂しいですね。BGMモードでは、曲名も表示されます。

サウンド

 BGMは、CD-DAで演奏されます。ややカン高い感じのサウンドで、そう悪くはありませんが、やや薄いという印象があります。ほのぼのとした感じの曲の方がよくマッチしているという気がします。

グラフィック

 DOS版からのベタ移植なので、16色というのが辛いところですが、割といい感じです。陵辱シーンはなかなか濃いものがあるので、こちら目当ての方には結構受けるかも。

 妹の髪型にものすごい違和感を覚えたのは私だけでしょうか?(^^;)

お気に入り

 キャラクターの頭数はそこそこいるのですが、印象に残ったキャラは特にありません。まぁ、そういうゲームではないですし。

総評

 Hシーン主体のサービスゲームと割り切れば悪くないのでしょうが、それにしてはグラフィックの数がやはり少ないですね。それに、タイトルからして「自己の変革」といったニュアンスを漂わせているのですが、どこをどう叩けばダーク系の展開に持っていけるのだろうか、という疑問が何よりもわいてきます。

 そして、コストパフォーマンスが悪いですね。もっとボリュームがほしいところです。かなり無理があるとはいえ、展開の作り方に見られる点がいくつかあるだけに、「軽くし過ぎている」のが裏目に出ているという印象です。

個人評価 ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆
1999年10月1日
Mail to:Ken
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