恋姫 −K・O・I・H・I・M・E− エルフ

1995年5月26日発売(DOS版
1999年12月24日発売(Windows95/98版)
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 オリジナル作品を手にしていながら、移植作品というものをなぜ新たに買ってしまうのか。自分でもよくわからないのですが、趣味というのは「好きと思ったものを損得勘定抜きで買ってしまう」ことから始まるようなものなので、あまり深く考えない方がよいのでしょう(^^;)

 さて、移植というより、リメイクに相当なエネルギーを投入しているメーカーとして有名なのが、エルフ。ここから出されたゲーム『恋姫』は、DOS版ではシルキーズブランドでリリースされていました。キャラデザが大幅に変わったとのことなので、DOS版との違いがどんなものなのか、それを見極めようとしてプレイしました。

シナリオ

 基本的にDOS版とまったく同じですので、紹介および批評はすべてDOS版のページに譲ります。なお、主人公のデフォルト名が、DOS版の「佐々松小十郎」から「佐々木小十郎」に変わっています。

ゲームデザイン

 コマンド総当たり方式のアドベンチャーゲームというのはDOS版と同様で、発生イベントや選択肢、ラストの戦闘なども、DOS版とまったく同じです。

不具合・修正プログラム

 私の環境では特に不具合はありませんが、環境によっては、サウンド関係でトラブルが発生することがあるようです。この場合、コントロールパネルの「マルチメディアのプロパティ」の「デバイス」タグで、「オーディオ圧縮」内に「Windows Media Audio」がある場合、それの優先順位を上げればよいそうです(ただし伝聞情報ですので、当方では確認できないことをご承知おきください)。

操作性など

 インストール先ディレクトリは任意に変更可能です。インストールする際のオプションとしては2とおりありますが、HD必要容量が「200MB/300MB」と、あまり差がないので、あまり嬉しくありません(^^;) また、ゲームプレイには、NetShowPlayer、およびDirectX6.1以降が必要です。環境によっては不具合が起きる例もあるそうなので、インストールの際には、環境を確認して安全を確かめてからにしましょう(私は、システムのバックアップを取ってからインストールしました)。インストール中に出てくる画面自体は、わりとおもしろいのですが…。なお、ゲームを起動する際には、必ずCD-ROMが必要です。

 操作の基本はマウスです。キーボードでの操作もある程度は可能ですが、選択画面が体の部位や吹き出しになっているため、マウスの方がはるかに楽にプレイできます。画面効果としてどれほどの意味があったのか、ちょっと疑問ではあります。個人的には、シンプルなDOS版の操作性の方が好みですが、これは人それぞれでしょう。

 グラフィックは、640×480ドットで、強制フルスクリーンとなります。メッセージウィンドウは、画面下側に半透明表示されます。DOS版では縦書き表記でしたが、Windows版では通常の横長表記となりました。なお、画面中に出ているキャラクターが話をする場合は、マンガのように角の取れた吹き出しが出てきます。選択肢が出る画面では、主人公のデフォルメCGをクリックするなど、見た目のおもしろさは確かに出るものの、選択に必要な手間がかえって増えてしまったのは考え物。また、終盤の戦闘シーンでは、DOS版とは異なり、それなりの画面効果を出してはいますが、なにぶん戦闘そのものが「さほどの意味はなくプレイ時間を引き延ばす」程度の意味しか持たないのはDOS版と何も変わらないので、これまた時間がかかるだけという感じです。

 セーブ&ロードは、「絵日記を描く」ことで、要所要所で8個所まで可能というのは、DOS版とまったく同じ。セーブ時の実際の日付が表示されるほか、「メモを書く」ことが可能となっているため、かなり使い勝手はよくなっています。

 メッセージスキップは、「Ctrl」キーを押している間スキップします。既読・未読の区別がないのが難点ですが。

 CGモード・BGMモードは、1回ゲームをクリアすると見ることができます。CGモードはサムネイル表示され、またBGMモードは曲名をクリックすることで再生できます。BGMモードでの選曲の際、那水がガイドしてくれますが、彼女の声で「クソじじい」というのは、ちょっと(^^;)

 また、スタッフロールも出ますが、エンディングのパターンによって出方が変わってきます。

サウンド

 BGMは、PCM(DirectSound)で演奏されます。なるほど、DOS版に比べ、音質そのものはクリアになったのですが、DOS版の「FMサウンドをエミュレータで再生」(したがって原音の忠実な再生ではありません)に比べ、どうも頭がカンカンするようで、「ほのぼの」感の演出としてはやや強すぎるという気がします。聴き比べると、明らかにDOS版の「FMサウンドをエミュレータで再生」の方がしっくりきました。

 音声は、みごとなほどにキャラクターイメージと上手に合致させていますね。このテキストで音声をあてること自体には無理はなかろう、と思ってはいましたが、それにとどまるものではありませんでした。

グラフィック

 原画は、DOS版に比べ、ずいぶんとイメージが変わりましたが、特に変化が大きかったのは、あんずとばあちゃんの2人でしょう。

 あんずの場合、攻略可能キャラとして見ると、DOS版の絵柄は確かに抵抗を感じるものではありましたが、だからこそ「お子様」であって、過激なことをにこやかな顔で言ったりやったりする、そのインパクトの強さがあったものでしたが、それがなくなり、「幼いガキ」程度になってしまったのは、喜んでいいのか悲しむべきか。

 そして何より、「ふっくらしたばあちゃん」は、違和感バリバリでした。あの、志村けん的な(^^;)ばあちゃんが「熊退治」というイメージが強烈だっただけに、なんで変えちゃったんでしょう?

 彩色については、非常にきれいですね。特にグラデーションの使い方はみごとだと思います。「田舎」ということを強調するためか、緑色が多用されていますが、これが妙に合っていたので、これを1回プレイ後にDOS版をリプレイすると、セピアカラーのモノクロ映画を見ているような気になりました(^^;)

お気に入り

 DOS版と大きな変更点があるわけではないので、こちらもすべてDOS版のページに譲ります。グラフィック面では、あんず以外のメイン3人は、大きなイメージ変化はありませんでした。

関連リンク先

 DOS版の方で挙げた蓼原シュンさんSHEOさんのほか、USGさん(閉鎖)のレビューがDOS版との比較という点で的確。

総評

 雰囲気作り、ということになると、昔話的な懐かしさ、そして温かさを求めてしまいますし、DOS版はそれをわりとうまく出せていましたが、グラフィックが洗練された結果、今度は「明るさ」が強調されたような印象を受けます。「グラフィック」欄で触れたとおり、DOS版でのイメージが「セピア」に対し、Win版でのイメージが「ライトグリーン」といえばおわかりいただけるでしょうか。この「明るくなった」雰囲気より、個人的には「郷愁を覚えさせる」渋いDOS版の方が好みではありました。ただ、個人の嗜好という領域に留まる話ですけれど。

 これ以外の点については、DOS版のレビューに対し、特に加える必要なし、と考えています。

個人評価 ★★★★★ ★☆☆☆☆
2000年3月21日
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