夢幻一夜 おてもと

1999年12月17日発売
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 とりあえず「作った」という事実があれば、あとはいい、そんな姿勢と思われてもしかたのない作品というモノが、あまたのゲーム群の中には多数存在します。この『夢幻一夜』は、まさにそんなゲームでありました。

シナリオ

 夢魔一族の王女・ジュリア。彼女は、人を犠牲にすることをためらい続け、今に至るまで魔力を使えないままであった。そんな彼女に対し、魔族の中にも反発が強まり、ジュリアは人間界において、14日以内に夢魔の能力を発揮するべく試練を受けることになった。人間界で、彼女はどんな目に遭うことになるのか。

 

 シナリオ担当は「LUNA」氏。

 ヒロインであるジュリアが、単に人間に犯られるシチュエーションを楽しむ…と割り切ったゲームなのか、あるいは、「夢魔」という設定から、Hシーンのバリエーションを変わったモノにするゲームなのか、そのどちらかであろう、と踏んでいたのですが、その実は、上のような設定にしたがった長いプロローグの後、ヒネリも何もないシナリオがいくつかあるだけです。Hシーンも各シナリオに1つ程度で、「犯されまくる」とか「不可思議なシーン」とか、そういうのはあまりないのが実情。

 18禁なシーンがあるからエロゲーだ文句あっか、という程度のシロモノにしか見えません。

 

 おてもとのWebサイト(2002年11月現在、確認できず)には「なぜか男性キャラの自己主張が強いんです…」とありましたが、男女を問わず、キャラクターの「主張」が「強い」とは、私には見えませんでした。上の設定で作られたキャラクターが並べられているものの、駒として機能しておらず、ストーリーを描くための道標以上の役を果たしていません。主張も何も、「そう、こういう運命なのさ」で済んでしまうと思うのですけれど。「不可思議な設定」をスタートラインに置きながら、現実世界でも「だから、これでオシマイ」で済ませてしまっては、盛り上がりもへったくれもないということに気付いてほしいものです。

ゲームデザイン

 選択肢によってシナリオが分岐していく、ごくオーソドックスなアドベンチャーゲームです。ゲームオーバーというものではなく、各選択肢ごとに枝分かれする形態で、エンディングには番号がついています。ただ、エンディング確認モードがないのが不親切ではありますが。

操作性など

 Windows/Macintosh両対応(Hybrid)です。

 ゲームプレイはメモリに依存するようで、インストール作業は必要ありません。操作の基本はマウスですが、キーボードでの操作も可能です。グラフィックは、基本的に640×480ドット内に表示され、下部がメッセージウィンドウとなっています。

 操作方法は旧態依然としており、本当にWindowsゲームか、と思いたくなります。なにせ、画面は、640×480ウィンドウ表示固定でフルスクリーン不可。セーブ&ロードは任意の位置で行え、セーブデータを任意のディレクトリ上に作成(テキストファイルとして作成されます)するためハードディスクを使わずにプレイできるものの、実際のプレイデータは各セーブデータごとに独立しているため、CGモードを埋める(※)ためには単一のセーブデータを使う必要があります(--;) また、CGモードがあり、サムネイル表示されるものの、起動時にはセーブデータを読み込まないため、いったんセーブデータを読み込んでからタイトルに戻り、その後にCGモードに入らないと、何も見ていないと扱われます(--;;;) こんなどうしようもない仕様、初めて見ました。CGはすべてPICTファイルなので、Macintosh環境の方ならそのまま見られますし、Photoshopなどを使っていればやはり見ることができます。BGMモードあり。

(※)セーブデータのテキストファイル中、「0」を「1」に書き換えればCGは全部埋まるので、気にする必要ないかも。

サウンド

 BGMは、AIFファイルで演奏されます。しかし、ほとんど印象に残っていません。

 音声はありますが、シーンによってしゃべったりしゃべらなかったり、モノローグまで声を出したり、男の声を女性があてたりと、使われ方に統一性がまるでなく、オン・オフの切り替えもできない、など、とうてい盛り上げ役となっていません。

グラフィック

 たかつきのぼる氏の原画。パッケージの「生気のない眼」がどの程度いかされているのか、と期待して購入したのですが、単に「生気がない」だけで、そもそも絵全体に「動き」がまったくなく、「記録された絵」以外の何物でもない、という感じです。塗りもパッとせず、肌の質感など、DOSゲーム並みといってよいでしょう。本当にハイカラーなのか、と思い、使用色数をわざわざ確認してしまいました。

お気に入り

 そういうものは、一定程度以上の要求水準を満たしたゲームにおいてできるものであって、コレにそういうものを求めるのは無理というものでしょう。

総評

 自分が漠然と求めていたものと違うからといって相手を非難するのはお門違いでしょう。しかし、どういう角度で見たにせよ、何をウリにしているのかが不明確というのでは、おもしろみも何もあったものではありません。薄々のシナリオ、パッとしないCG、そしてエロに対しても中途半端。そんなシロモノでありました。

個人評価 ★★☆☆☆ ☆☆☆☆☆
2000年4月21日
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