連鎖 〜裏切りの鎖〜 Selen

1999年12月17日発売
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 「連鎖」という言葉を目にして、私の脳裏に最初に浮かんだ言葉は「親の因果が子に報い」でありました。私個人の生い立ちだの履歴だのはどうでもええとして(^^;)、このゲームはまさにそんな「妙な親子」から始まる「女生徒奴隷化ゲーム」でありました。ある意味『愛姉妹』(シルキーズ)にも通じる作りではありますが、一概にそれをトレースしている(できている)ともいえないあたり、やや中途半端な観がなきにしもあらずではありますが。

シナリオ

 主人公・御子柴修(変更不可)は、父が理事長を務める学園に通っていたが、その理事長の真の顔は、自分が運営する学園の女生徒を奴隷化し、娼婦として働かせるという、売春組織のドンなのであった。ある日、そんな父から、女生徒3名を奴隷化するように命じられた主人公。すでに奴隷化している2人の女教師の手を借りつつ、まず最初に、学園のアイドル的存在であった姉妹に目をつけたのであった。

 

 シナリオ担当は、「矢獲」氏。

 まず、このゲームにおける女生徒たちの扱い方ですが、果たしてこれが「調教」といえるものなのかどうか、はなはだ疑問であります。上に書いたとおり、女教師の、あるいはすでに奴隷化した女生徒の手を借りて、ターゲットである女生徒を罠にかけ、陵辱し、そして屈服させるだけです。屈服させる手法自体は、プレイヤーサイドには選択肢があるわけではなく(展開によってバリエーションの変化はありますが)、罠もずいぶんと稚拙であり、さほど刺激はありません。屈服自体に関しても、直接的な抵抗や反抗を断念するや、すぐに従順な奴隷になってくれるので、「調教」のプロセスは思い切り省略されています。

 

 それより、見ていておもしろかったのは、主人公の犬と化した女奴隷の行動や心理でありましょう。調教したとはいっても、人格を崩壊させているわけではなく、おそらく「肉欲への依存」という点を除けば理性を残しているという形態を取っているものと思われますが、このため、「手伝い」の際に見せてくれる表情がたまらん。まだ奴隷化していないほかの娘に対する憐憫、同情、嫉妬、憎悪などが絡み合い、奴隷仲間へ心ならずも引き込んだり、はたまた積極的に同じ道へと引きずり込んだりしていきます。この時に取った態度が、さらに「先輩奴隷」としての彼女の役割を固定化していくのか、と思うと、実にぞくぞくするものがあります。

 具体的な描写が濃密に描かれているわけではなく、したがってこの部分は意図して描いたものではないのでしょうが、サディスティックな表情を垣間見せる女たちからは、人間の「(本人でさえ)表にしない顔」が、実に「さりげなく」出ており、非常に興味深いものがあります。しかも、そういう「顔」を作るのは、心から信を抱いていた姉妹やら親友やらといった人間関係を通じてのものだけに、邪悪な力は一層強固になり、その力によって本人は急速に縛られていくわけです。

 う〜ん、こんなことを滔々と語るあたり、一番堕ちているのは私自身かも知れませんね(^^;

 

 肝心要のHシーンですが、まずまずよし。無理やり仕込むときもさることながら、回数、バリエーションとも、かなりバランスは取れていると思います。テキストも濃すぎず薄すぎず、ではないでしょうか。

 あと、エンディングは、基本的に似たような、そして容易に想像できる程度のパターンに留まっています。ラストに何が起こるかワクワク、という期待は、しない方が賢明でしょう。

ゲームデザイン

 ひたすら枝分かれ方式の分岐を重ねていくタイプのアドベンチャーゲームです。一度分岐すると、再び同じルートに収束することはなく、また中途でのゲームオーバーもありません。分岐は、選択肢によって単純に分岐するもの、および、中途の選択肢によるパラメータ変動によるものとに分かれます。ノーヒントでプレイするとオールクリアは至難を極めますが、『脅迫』(アイル)でとられているものとよく似たフローチャートが自動作成されますので、分岐を把握するのは容易です。

 エンディングは、途中で奴隷化した女生徒たちのメンバー、および各種パラメータによって決定するようです。見たエンディングは番号で表示されるので、達成度も心配ありません。

不具合・修正プログラム

 私がプレイしたところでは、特に不具合などはないようです。

操作性など

 操作はマウスが基本ですが、キーボードにも対応しており、ショートカットキーもあるので基本的な操作には問題ありません。やや反応が重いかな、という気もしないでもないですが。

 ゲームをプレイすると(最初からでも途中からでも)画面下部に、「CGMode」「Root」「Voice」「BGM」「Repeat」「Skip」「Save」「Load」「Window」「Exit」の各メニューが表示されます。

 「CGMode」では、見たCGがサムネイル表示されます。なぜトップメニューでなくプレイ中に見られるようになっているのか、これはよくわかりませんが。「Root」は、「ゲームデザイン」欄で紹介した分岐図です。

 「Skip」を選択すると、既読・未読の区別なく非常に高速でスキップされますので、注意が必要です。なにせ、止めるのが大変ですから。また、スペースキーを押しっぱなしにしてもスキップされます。

 セーブ&ロードは、任意の位置で可能で、ローカルディスク上にいくつでも作ることが可能です。

 なお、この種のゲームとして不可解なのが、シーン回想モードがない点でしょう。ここはなんとかしてほしかった。

サウンド

 BGM……え〜と……音、出てますね、いちお(^^;) PCMのようです。てなもんなんで、省略。

 一方、音声はかなりクオリティが高いです。日常シーンの声もさることながら、追いつめられているときの声、Hシーンでの声との3つの区別がきちんとできているのはすごいと言えましょう。

グラフィック

 原画は、村上水軍氏。確かにきれいですし、女の子の表情などはそれなりにいいんですが、H度から見ても悲惨さから見ても、どうにも垢抜けないというか、パンチ力がたりないかな、という印象です。鬼畜系にしてはおとなしすぎなのかも。

 背景その他については、こういう作品ですから、まぁそれなりに。

お気に入り

 別にいません(^^;

関連リンク先

 成瀬せりあさん(閉鎖)、麦星さん、兄貴さん(閉鎖)の各サイトで取り上げられています。やはり、どのページでも共通して指摘されているのは、「過度の伏せ字と(ピー)音」ですな(^^; 特に成瀬せりあさんの「感想」では、「裏切りの心理」に対する評価が私とかなり異なっていますので、比べてみるとおもしろいかも。あと、同氏の日記(99年12月20日)もどうぞ。

総評

 「シナリオ」欄で書いたとおり、手伝う奴隷の描写がたまらんです。調教のプロセス自体は比較的淡々と易々と進んでいくように見え、自我をもった人間が堕ちていくという、究極部分については重視していないようです。しかし、後衛に回っているからこそ、なのか、この「手伝う」過程で、「主人に仕える奴隷根性」を精神面でも強固に刷り込んでいるのがうかがえて、非常によろしい。サブタイトルのとおりです。この心理描写だけで、このゲームは買った価値ありと判断します。

 ただ、それ以外に関しては、特に何があるわけでもないので、上記の点にゾクゾクするようなおもしろさを感じないのであれば、平凡な陵辱ゲームであり、「調教」という点は見ないようにする、という判断が妥当なところでありましょう。それでも、Hのパターンはかなり豊富ですし、多くを求めなければそれなりに満足できるできではないかと思います。

個人評価 ★★★★★ ★☆☆☆☆
2001年3月17日
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