ロマンスは剣の輝きII フェアリーテール/F&C

1999年12月22日発売
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 「F&C」というゲームメーカーから思い浮かぶイメージの中に、「独自性」といったものが強烈に出てくることは、ここ2年ばかりのゲームを見るかぎり、ほとんどなかったように感じます。そんな中でも、ちょっと違った「何か」を薄々ながら感じさせてくれたのが、この『ロマンスは剣の輝きII』。登場するキャラクターの多さもさることながら、かなりしっかりしたシナリオがある…らしい、という話も耳にし、発売後しばらくたってからの入手となりました。それでも初回限定版を買うことができたというのは、すでに『With You』(カクテル・ソフト)のころのような神通力さえも失われている、ということなのでしょうか。

※2000年5月に発売された『Natural2』(フェアリーテール)の売れ行きが相当に好調だったことを鑑み、この見解は撤回いたします。(2000年5月19日)

シナリオ

 王都・バランの酒場「夕闇亭」の店長であるキース(変更不可)、その実像は、快盗として名を馳せたシャドウブレイドの忘れ形見であり、「空中浮揚都市ダイダロス」の謎を追い続ける、血気盛んな18歳の青年である。ある夜、彼は手紙を届けにある貴族の家に入り込むが、うっかり違った家に入ってしまい、箱入り娘のエルファーシアと出会う。彼女との出会いと、彼女から受けた捜し物の依頼とが、彼の冒険譚をさらに広げることになる。その後に出会うさまざまな仲間たちとともに、新たな発見を求めた旅が始まる。そして、父が探し続けたという「浮遊都市ダイダロス」の姿を捉えようと、東奔西走を重ねるのであった。

 

 シナリオ担当は、石川洋一氏。

 RPGというゲームスタイルを取ってはいますが、実は、意外にもしっかりとした骨太のシナリオがあり、それが展開されていく過程もきちんと出せているという印象です。ゲームを「語る」主体が「どこか別のトコロ」にあると意識させることはなく、主人公が行動していくにしたがって、少しずつ「先が見えていく」という体裁になっています。それも、目標となる点がいくつか見えていく、という「ネタの小出し」という手法が、そこそこ成功しているので、メインとなる部分については、わりと上手にさばけていると感じます。しかし、その「小出し」の際に出される「ネタ」自体が比較的単純なので、「ああ、次の展開でこんな話になるんだろうな」と読めてしまうのが、やや残念ではあります。

 しかし、それよりも特筆すべきは、ラストイベント(エンディングとは必ずしも一致しません)で呈示しているテーマがかなりきちんとしたものであることでしょう。表現手法自体はあまり器用なものとはいえませんし、むしろキャラクターの使い方という点ではあまりよろしくないパターンも多々見受けるのですが、「これが本題である」という骨組みが確固として存在し、そこに向けて物語が進んでいく、という体裁もきちんと取れています。

 

 そのテーマを端的にまとめれば「異種族の愛憎を超えての共存」ということになるのでしょう。かなり描きにくいテーマを、割と誠実に描こうとしているという姿勢はよくうかがえます。しかし、このテーマを取り上げたゲームシナリオとしては、名作『カナン』(フォア・ナイン)に連なるGAOGAO!シリーズが真っ先に上げられますが、この『ロマ剣II』では、シナリオがもつメッセージ自体を見た場合、インパクトも説得力も、一回り以上低い水準のものに留まっている、という印象が強いのも、また事実です。

 

 まず、インパクトという面。あくまでも「主人公の行動結果」の描写が続くわけですが、『ロマ剣II』のキースには、その行動原理が非常に薄いものとして留まっており、彼自身の価値判断にもとづく行動自体の意味づけをする意義があまり感じられません。彼の年齢は一応18歳ということになっていますが、実際には少年そのままの幼さを軸にし、単に自分がその場で判断したことをその場で解決しようと取り組む、単純な猪突猛進野郎に留まっていると見てよいでしょう(この「幼さ」そのものの是非は直接関係ありません)。

 『ワイルドフォース』や『カナン』の主人公であるウルフィは、第一の行動原理を「好奇心」という言葉に帰着可能なキャラではありましたが、しかし「真剣な自分がギリギリの状況になっているときに見せる、ギラつくような行動」をはしばしに見せていました。そのために、彼の行動や感情がストーリー展開の上で常に「主軸となる」ことが、ごく自然なことであり、それゆえに、一個人の行動や感情が、抗えない「運命」に向かい合う瞬間の「重さ」が、これでもかといわんばかりに伝わってきます。「可能性」と「限界」とのバランスが、主人公(を含む各キャラクター)の中で、きちんと取れていた、ということもできましょう。

 ところが、『ロマ剣II』でのキースには、そういった「自分の闘い」を見せる場がありません。あくまでも「自分」と、それを取り巻く「環境」とは、二項対立的な要素に分解可能な水準に留められています。明らかになっていく「事実」に対し、キースが見せる戸惑うような感情も、それが単に「意外」であったという次元の理由に過ぎず、彼自身が抱いている価値観を再考(ないしは再確認)させるといった面はまったく見られません。

 こういった点に起因する、主人公の「軽さ」は、ストーリー展開上でのシリアス感を軽減させるというプラス面も持たせる反面、ラストイベントの重みを減じることとなり、ひいては「わざとらしさ」さえも感じさせるという効果をもたらしているようにさえ見えます。

 これに加えて、イベント描写自体にも、伏線の張り方があまりにも素直すぎるため、手に汗を握りながら進むということがなかったため、ラストイベントとは何の関係もないサブイベントを単独で楽しむに過ぎなくなっています。『カナン』中盤におけるラビィのイベントの類はまったく用意されていません。

 

 さらに、ラストイベントが示すメッセージに対し、相応の説得力を持たせようとすれば、論理的な矛盾が少ないか、それがシナリオ展開上どの程度必然性があるか、そして現実的であるか、そういった面での検討が不可避でありましょう。

 このうち、「論理的な矛盾」については、それほど多くはない、の一言で済ませてよいのですが、展開上の「必然性」については、やや疑問を感じざるを得ません。主人公であるキースは、自分が思っても見なかった根深い愛憎劇(歴史的運命、といってもよいかもしれません)に直面し、それを自分たちの手で解決するという行動に出るわけですが、そこでは、彼はほとんど葛藤らしきものを経ていません。自分が世界を見る上で機軸となっていた判断基準を揺るがせるようなできごとがあっても、それを直視させるような厳しさを敢えて回避させているように見えますが、これは「厳しさはプレイヤーの支持を損なうのでは」とでもいった「判断」があったのではないか、と考えるのは、うがった見方でしょうか。やや単純化しすぎる嫌いがあるかもしれませんが、こういった主人公の行動には、「信じて動けば必ず成る」というわざとらしさを感じてしまい、あまり好きにはなれないんですけどね。

 また、ラストイベントで、エルファーシアが「切り札」を見せるなどして、悪役に対して説得を行うという体裁を取っていますが、悲痛な信念を強固に掲げた悪役──それも、単なる「悪人」ではない──に対して浴びせる一連のレトリックも、抽象的・観念的な「思想」の交換に留まっているように見えます。悪役のシニカルな姿勢が、悲痛な現実に裏打ちされたものであるにも関わらず、その「現実」が超克可能である、とのみ語る言葉に、どの程度の重みを感じることができるのか。『ワイルドフォース』における、ウルフィ・イリアとブルーとの対決の場に見られたような「真剣なぶつかり合い」の妙味など、まったく感じられません。「切り札」にしても、それが「人を動かす」契機にはなり得ても、「人の信念を変えさせる」ほどのものとはとうてい思えませんし、イデオロギーによって非情な信念を押さえられるはずもありません。このエンディングで「世界観」を見せる、というには、パワー不足という感が拭えません。

 

 さらにいえば、ラストイベントとエンディングとのつながりが、あまりにも不自然である点も、最後での盛り上がりを削ぐ大きな要因になっています。根本的な解決策に「国王の慈悲」を持ち出していますが、それで「共存」が可能である、といって説得力があると語るのは、牽強付会の誹りを免れますまい。歴史的な背景というのは、それが「当事者」として生きる人間の中に染みついた“記憶”から逃れることができない以上、その世界を構成する人の中に、どのような像をもって結ばれていくのか、それを多少なりとも描かずに「はいさようなら」では、どうひいき目に見ても手抜きといえるのではないでしょうか。異種族の保護も、サブイベントに出てきた孤児院と似たような感じに取り扱われているのを見て、どうにもおもしろくない、と感じたものです。ゲームという世界の中には、登場人物以外の人間が「存在している」ことが前提となっているはずなのですが、実際には、登場人物だけで世界が回っているようにさえ見えます。抽象的に「平和共存」という概念を持ちだし、それが「キース一派」の手を通じることで、魔法のように実体化した、と語られたところで、その顛末を御都合主義と捉える以上の感慨は生じ得ません。

 おまけに、「異種族との共存」を語りながら、エンディングでは、ほかならぬキース自身、何の「価値観の変化」も見せていません。もちろん、ヒロインが多数用意されているゲームである以上、ラストで女の子と仲良くなるというのは当然なのですが、ヒロインと結ばれていく際に、「生まれ変わって、少し大人になったキース」を見せる、というのは、そんなに難しいことだったとは思えません。なるほど、シャロンのエンディングに典型的に見られるごとく、ヒロインの成長に対し、キースも触発される形で、しかし決して引きずられない形で成長を遂げた、というものも、確実にあります。しかし、それはあくまでも「主人公とヒロインとの一対一の物語」という次元に留まっています。

 このゲームは、あくまでもヒロインと仲良くなることが主眼であって、ラストイベントに関わる部分は、あくまでも「従」であるにすぎない、という見方も可能ですし、そうであるなら、「主人公とヒロインとの一対一の物語」であっても、何ら差し支えはないでしょう。しかし、メインヒロインであるエルファーシアが、キーとなるイベントのすべてに関わっているほか、ほかのヒロインと結ばれるエンディングになる際にも、彼女自身が「切り札」を用い、身を挺してキースを救おうとし、さらに「彼女の告白の後にほかのヒロインとの告白イベントがある」という手順をたどることになっている点などを考えると、「エルファーシアがヒロインとして選ばれなかった場合であっても、彼女の存在はシナリオ展開の主軸になる」ことは間違いないでしょう。プレイ中の彼女の存在感の軽さは否定できませんが、単に「物語の始まり」を用意するキャラに留まっていないことは明白です。そう考えれば、このゲームにおいて「パーティに参加した女の子と仲良くなる」のは、あくまでも結果であって目的ではない、とするのが妥当でしょう。したがって、エンディングの結び方がこのゲームにおける展開の帰結としてすべてを語っているわけではなく、ラストイベントでの対決こそが、メッセージ性を濃く帯びたものであってしかるべきなのですけれど。

 

 キャラクターのバリエーションという面でみると、ごく単純なパターン的「属性」でくくってしまえそうなところをひとまず寄せ集めた、というキャラクターがいる反面、ここまでさんざん書いてきた「本来のメッセージ」をうまく語らせ得ると思えるキャラクター(リーナやエリスなど)も用意されているのに、その持ち味をうまくいかせていない、というのが残念なところです。エルフやらネコ耳やらといった「特殊」な存在が、単に「選択の幅を広げているだけ」というのは、ちょっとねぇ。

 エンディングで、主人公がヒロインに告白するシーンは、なかなかに格好のいいものではありますが、それまでに敷かれてきた伏線をきちんと消化し切れていないと思えるケースもあったのが、やや残念です。

 さらに、「ダイダロスを求めての旅」という過程で、パーティの参加メンバーの中でも、濃淡が非常に大きくなっている点も、やはり指摘しておくべきでしょう。ポップルなど、メインシナリオに関わってくるイベントがほとんどないんですから。

 

 その一方で、日常会話がなかなかに楽しいのが、このゲームでのポイントの1つになっている点も触れておくべきでしょう。パーティに参加するメンバーは入れ替えが自由に可能なのですが、同一イベントであっても、参加メンバーによってツッコミ役が変わってきたりするので、細かいバリエーションが非常に多いのは特筆できます。なんということもないやり取りがおもしろおかしく書かれ、いわば「たわいのない針小棒大」とでもいったテキスト叙述は、『ロマ剣II』と同じシナリオライター、石川洋一氏担当の『紅涙』(Studio e.go!)にも通じるところがあります。

 さらに、このバリエーションが、実に細かいところまで気を配ったものであることも、好感を持てます。例えば、エリスと最初に出会ったときに怪我の手当をすることになるのですが、基本的にはアイテムそのほかの手法で処理するところ、回復魔法が使えるメンバーがいる場合はそのキャラが動く、といった具合です。メンバーの参加に応じて、会話内容だけでなくごく細かい行動の違いまで、より自然なものへ、という「作りのていねいさ」を感じさせます。これだけのボリュームにわたり、細かい作業を行い得たゲームは、ほとんど記憶にありません。

ゲームデザイン

 基本的に、街中で「依頼」(たいていは何らかの事件…あるいは、キースらが事件へと発展させる(^^;)を引き受け、そのためにキースを含むパーティが出向き、イベントを発生させる、というスタイルのRPGで、全体で5つの章からなっています。イベントパートでは主に女の子にどう対応するかという選択肢が発生し、これによって好感度が上下します。また、発生させるイベントのパターンはいくつかあり、発生のさせ方によってエンディング条件が変わってきます。

 ただし、各個別のイベントは、その大半がシナリオ展開の重要な要素になっているわけではなく、どちらかといえば雑用を中心としたやり取りが多く、そんな日常的なお話を楽しくまとめている、という印象を受けます。

 

 舞台は、「町」「ダンジョン」「その他」の3つに大きく分かれます。依頼を受けるなど、メインとなるイベントが発生するのが「町」で、道具屋や錬金術屋、宿屋などの設備があります(各町によってバリエーションあり)。町と町との間を移動する間にはモンスターが待ちかまえていますが、進路を変更すれば戦闘を避けることも可能です。ぶつかれば戦闘になります。なお、一度訪問したことのある町には、「マップジャンプ」ですぐに移動できるようになります。

 

 戦闘は、パーティ(最大6人)のうちの4人で行います。パーティ参加者は、イベントの流れ上強制的に参加するメンバーを除き、人数の許す範囲内で任意に選べます(ごく一部のイベントでは参加拒否の場合もあり)。

 戦闘シーンでは、ボス戦でヘマを犯さないかぎり、まず負けることはないでしょう。キース1人をしっかりと鍛えておけば、敵キャラはたいていキースの一撃でアウトなので、もぐらたたきのごとく敵キャラをひとつひとつ潰していくような感じの戦闘になります。このため、緊張感に欠けるうえ、「作業」という雰囲気が非常に強くなってしまいます。これが、単にイベントを発生させるための条件となっているのであればいいのですが、後述のように、ダンジョンが非常に複雑かつ長丁場になっているので、嫌でも数多くの敵とあたることになり(ある程度は回避可能ですが)、あちらこちらへとうろついている間に、いつの間にかレベルが上がってしまいます。私の場合、最終戦では、パーティ参加者全員(エルファーシアを除く)のパラメータがフル状態になってしまい、本来ならば相応に苦戦するはずのボス戦も楽勝でした。戦闘シーンでのアニメーションもあまりパッとせず、ウィンドウモードではクリックポイントが小さくてめんどう、といった難点もあります。なにせ、攻撃の際には、(ごく一部の魔法を除いて)敵味方の区別なく効果が及ぶので、うっかり隣にいるパートナーを瞬殺してしまったり(^^;)後ろから魔法で前衛の味方もろともぶっ飛ばしてしまったり(^^;;;)しますので、ちょっと辛いものがあります。

 RPGの基本ともいうべき経験値は、このゲームにおいては非常に特殊なスタイルを採用しています。戦闘参加可能メンバーには、それぞれ「筋力/知力/器用/防御/魔防」といったパラメータがあり、これらが一定以上になるとレベルが上がり、また各パラメータやレベルに応じてHPやMPが上がりますが、このゲームの特徴は「パラメータの自由配分」にあります。すなわち、誰が敵キャラを仕留めても、その経験値は「パーティが獲得したもの」にすぎず、経験値を誰のどのパラメータに割り振るかはまったくの自由。この結果、自由度は高くなっても、どのキャラをどう育てていくのか、そのスピードを見極めるのが実はけっこう大変だったりします。なにせ、キャラクターごとに得意不得意は明確に決まっているので、特に序盤においては、使えないキャラは本当に使えません(^^;) ただ、「剣技」などの特殊技能をマスターさせると、使えなかったキャラが貴重な戦力に早変わりしたりします。

 また、イベントシーンなどでは、中盤以降かなり複雑なダンジョンが待ちかまえています。ダンジョン内でも任意にセーブ可能(一部例外あり)なのでさほどの心配はいりませんが、「ここはどこ?」状態に陥ると悲惨なものがあります。同一ダンジョンの中をさまようこと数時間、気がついたらレベルだけが無用に上がり…ということもあります。オートマッピング機能などはありませんので、ゲーム内での方向感覚に自身がない方は、初めからマッピングしつつプレイされる方がいいかもしれません。

 

 一言でいえば、どうにも「リプレイしたいと思わせるような工夫がない」仕様が多いですね。戦闘シーンがいちいちめんどうくさいので、ある程度諦めにも似た心境でひたすら繰り返さないといけません。キャラを入れ替えることで空気がガラッと変わるバリエーションを楽しみたい、という気持ちがあっても、これでは萎えがちです。2回目以降のプレイでは経験値を持ち越すとか、ダンジョンマップを見ながら進められるようにするとか、何らかの工夫はほしかったところです。

不具合・修正プログラム

 F&CのWebサイトにアップされている修正ファイル(4916KBもあるので、ダウンロードのタイミングには要注意)を用いてプレイしましたが、私の環境では、途中で「不正な処理のために強制終了」したことが数回ありました。基本的に、セーブはダンジョン内などでも可能ですから、極力こまめにセーブするのが現実的でしょう。

※その後、6月に入ってからVer.1.02がリリースされました。これを用いてプレイしている状態では、強制終了などの不具合は確認していません。

操作性など

 ゲーム用CD-ROMは1枚ですが、初回限定版にかぎり、音楽CDが1枚ついてきます。

 インストール時に必要なHD容量は、約300MBと、音声のないゲームとしてはかなり多くのHDDを必要とします。起動の際には、必ずCD-ROMが必要です。

 ゲーム操作は、基本的にマウスで行いますが、移動や選択などはキーボードで操作することも可能です。ただし、戦闘シーンなどは、マウス操作オンリーのようです。

 グラフィックは、640×480ドット表示ウィンドウ内部に、一枚絵の場合は600×370程度のサイズで表示されます。また、立ちグラフィックが非常に大きく表示されるほか、会話しているキャラクターのフェイスウィンドウも出ます。画面下部にはメッセージウィンドウが半透明で表示され、その後ろ側にはパーティ参加メンバーの顔ぶれと基本パラメータが出ます。全画面グラフィックはほとんどなく、わずかにエンディングで全画面表示があるだけというのは、何とも寂しい限りです。また、一枚絵のほか、イベントシーン限定の立ちCGが割と多いのが、特徴のひとつともいえましょう。

 移動画面でのマウス右クリックによって、「パーティ確認/マップジャンプ/アイテム使用/魔法使用/ステータス/隊列・編成/レベルアップ/ロード・セーブ/システム/EXIT」を選択できます。「マップジャンプ」では、今まで行ったことのある町や村の手前まで移動可能となります。「ステータス」で、パーティ参加メンバーのステータスを確認できるほか、参加メンバーを入れ替えることもできます。また、「レベルアップ」では、戦闘時に獲得した経験値を、任意キャラの任意パラメータに割り振ることが可能です(経験値獲得キャラや戦闘参加パーティ以外に割り振ることもできます)。

 セーブは、24個所まで可能です。さすがに戦闘中はセーブ不可ですが、ダンジョン内でも自由にセーブ可能というのは驚きました。セーブ時のプレイ実日時のほか、主人公のレベル、パーティ参加メンバーが記録されます。

 なお、CGモードもBGMモードも何もなく、ゲームの「達成度」を示すバロメータの類はまったくありません。CGモードは、リプレイ意欲を高めるためにも必須のものだと思うのですが。

サウンド

 BGMは、オープニングとエンディングだけがCD-DA(ボーカルつき)で、それ以外はMIDIで演奏されますが、さほど印象に残るものではありませんでした。オープニングは、ゲーム起動直後のトップメニューで何も選択しないまましばらく放置していると流れますが、3とおりものパターンを用意しているという凝り方には驚きました。

 音声はありません。最近のF&Cのゲームは、ほぼすべてが音声付きになっているだけに、むしろ新鮮に感じたものです。

グラフィック

 キャラ原画担当は、なかむらたけし氏。原画は確かにきれいなんですが、マップ画面など、どうひいき目に見てもハイカラー以上には見えません。イベントシーンでも色数が多いとは思えないので、Windowsベースで開発されたものではなかったため…ということなのでしょうか。F&Cのゲームはグラフィックのクオリティが高いだけに、どうも残念です。

 ちびキャラが画面上をてこてこ歩くのが、なかなかに愉快ですね。リュキアの登場時など、階段から転げ落ちる(^^;)というシーンが非常に印象的です。ただし、戦闘シーンまで「おててを振って歩く」のは、不自然です。

お気に入り

 登場するキャラクターがみな立っているので、いろんな顔をいろんな風に見せてくれますが、個人的にはリーナになりそうです。前作からの再登場キャラという面を差し引いても、イベントでの扱われ方が独特ですし。

 あと、スラ造(^^;) さり気ないツッコミが絶妙でやんす。

総評

 かなり辛辣なことばかり書いてきましたが、まず一言で語るのであれば、かなりの大作、と呼ぶことはできるでしょう。

 テーマとしては、フォア・ナインのGAOGAO!シリーズと通じるものがあります。残念ながら、シリーズ集大成作品である『カナン』のごとき壮大な展開を緻密かつ豪快に描くことはできておらず、あまりにも多いキャラクターのために「見せ場」が分散してしまっている観は否定できません。さらに、ビジュアル面での「見せ方」が旧態依然とした雰囲気を漂わせている上、音声もないので、「萌え」で引き寄せるパワーもかなり弱い、と感じます。

 そして、最大の問題は、途中にはさまる戦闘シーンがうっとうしくてしかたがない、ということでしょう。豆粒をひとつひとつひねりツブしていくように進める対ザコキャラ戦を重ねなくてはいけない上、ゲーム中ではドのつくくらいの方向音痴である私(自慢にならん)にとっては苦行以外の何ものでもないダンジョン探索。ゲームの持ち味として見せている楽しい面を潰す方面に、一役も二役も買っているという印象です。

 このゲームでも、例によって各キャラのクリア後にパスワードが出て、それをF&CのWebサイトに入力することで壁紙がダウンロードできますが、そのためだけにすべてのエンディングを制覇しよう、という気には、あまりなれないですね。キースエンドもあるようですが、何が悲しゅうて「誰にも相手にされないエンディング」目指して最初からプレイせにゃならんのよ(^^;)

 要するに、RPGにとって最重要要素であるはずのゲームバランスにかなり問題があり、それゆえに「めんどう」という印象が強くなってしまう、これがこのゲームにおける最大の難点でしょう。

 シナリオ的には、個別のイベントを積み重ねるという方式に対して好意的な方であれば十分満足できると思います。こちらでは、むしろ「大作たらんとした設定が分不相応に浮いている」という難点が拭えないので、ちょっと半端な印象は否定できないんですけれどね。

 やたらと欠点が目につくゲームではありますが、それだけではない非常に大きな魅力を持っているのも、また確かです。

個人評価 ★★★★★ ★★★☆☆
2000年5月25日
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