スタ★グラ 〜Star Graduation〜 アクティブ

1999年10月14日発売
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 キャラクターのパターンをいろいろと揃えてプレイヤーを楽しませるというのはごくごく普通に見受けられますが、「××だから何でもあり、これでいいのだ」といったノリで押し切ってしまうゲームがけっこうあります。方法としては悪くないのですが、その先、「プレイを続けさせる」だけの何かを残している必要があります。キャラのパターンをひととおり揃える「ヒロインのスーパーマーケット」では、たとえ安くても買う気にはなれません。

 そんな「薄味」と「プラス何か」との間で買うかどうか最後まで迷ったのが、この『スタ★グラ』。最終的には、発売後だいぶ経ってから割と安く入手することになったのですが、久々の「ぱか」氏シナリオ担当・「風上旬」氏キャラ原画担当、という組み合わせに惹かれたのが第一でした。

シナリオ

 学園の生徒会長となった主人公・中村歩(変更不可)の仕事として、ほかの星との交換留学生「星間留学生」の受け入れというものが与えられた。受け入れることになった5人の星間留学生は、それぞれみな個性的な女の子たちで、ネコ耳型からメイド型まで、多彩な宇宙人たちである。彼女たちとのコミュニケーションを図りつつ、1年は瞬く間に過ぎていく。

 

 キャラクターのタイプに「ネコ耳形」「メイド形」「天使形」「たぬき形」「お魚形」と揃えているので、いわゆる「属性」という表現で語られるような定型タイプを揃えた、という感じですね。それも、眼鏡のように後天的なものは一切抜きにして、先天的なもので「通常の人間」とは違ったタイプのキャラクターをずらりと並べるというのは、潔いというかなんというか。ただ、「メイド形宇宙人」て何、といったツッコミを入れると、その時点でゲームそのものがぶーんと色褪せていくという問題がありますね(^^;) そういう場合、宇宙人だからの一言で済ませるべきなのでしょうけれど、本当にそれでいいのか、という気もします。「メイド」とか「ネコ耳」がいることに必然性を求める必要はないでしょうが、なにかもう少し意味がほしいな、という気はするんですよ。各キャラクターが「単なる記号」以上のものを見せていれば別なんですが、一見バラエティに富んだ設定を並べているようでいて、実はけっこう金太郎飴な展開なので、こういう印象がさらに強くなりました。

 

 恋愛ものとして見た場合、1年という期限を用いていて、さらに「学校通い」であればそれなりに通過させられるイベントを通じて…といった「自然さ」はあるのですが、惹かれ合っていく過程の描写もなければ、想いを表現していく過程でのもどかしさも出ていません。また、『くすり指の教科書2』や『恋のフローティング・マイン』で出されていた「主人公とヒロインとをはさんだ関係」も出ていません。

 しかも、「ゲームデザイン」の項で記すとおり、プレイヤーが主人公を「動かしている」という実感に欠けるため、主人公というキャラクターが「プレイヤーと一線を画した状態」であり、そしてこの「主人公」が「ヒロイン」とくっつくのをただ見ているだけ、という感じです。仲よくなってよかったね、とは思えますが、恋愛の疑似体験をこの「主人公」を通じて行え、というのは無理があるでしょう。

 

 さらに、各ヒロインごとにシナリオが用意されているんですが、イベントの発生タイミングなどがほぼ同じであるうえ、量的にも非常に少ないため、イベントが起こってもあまりおもしろくないんですね。『恋のフローティング・マイン』のように年がら年中同じ会話、というのも困ったものですが、そもそも会話が発生するようなシーン自体が少ないというのは、もっと寂しいものがあります。なんか「イベントが起こるのをただひたすら待っている」という感じが強くなってしまうもので。

 

 最後に一言。人間キャラはなぜ攻略対象外なんでしょうか。生徒会の仕事をつうじて新しい人間観が出て…というストーリーはさほど不自然なものじゃないと思うんですけどね。キャラも割と良さそうですし。

ゲームデザイン

 1週間単位のスケジュールを立ててパラメータをアップさせていくシミュレーションゲームです。しかし、行動ごとにどのパラメータが上がるかは予定を組む際に表示されるうえ、ヘルプファイルにはキャラごとに必要なパラメータが明記されているので、実はお目当てのキャラに適合するパラメータを上げるだけ、ということになっています。スケジュール調整もほとんど必要ありません。

 パラメータを維持していればヒロインの好感度は維持され、そのヒロインとのイベントが自動的に発生しますが、この際に出る選択によって好感度が上下します。この際に鳴る効果音で正誤の判別ができるうえ、オートセーブ&オートロードで自在にやり直しがきくため、まず失敗することはありません。

 このように非常に簡単なのですが、オンリープレイが必要であるため繰り返し繰り返し…となり、単調に感じます。操作性自体はいいんですけどねぇ…。

操作性など

 CD-ROMを挿入するとセットアッププログラムが自動起動し、インストールの際には、最小・標準・最大の3とおりが選べます。最大インストールをすれば、CD-ROMなしでゲームを起動することが可能となります。

 操作には、マウス、キーボード、ジョイパッドが使用可能です。マウスとキーボードとは、いずれも自由に使い分けることができ、画面上のクリックポイントやキーボードのショートカットキーが多数用意されています。

 画面は、640×480とフルスクリーンから切り替え可能です(デフォルトではフルスクリーン)。基本的に全画面表示で、下部にメッセージウィンドウが半透明表示されます。画面表示は「標準速/高速/最高速」から選択できます。

 メッセージ速度表示の調整はなく、すべてノーウェイト表示。ただし、メッセージの自動再生機能があります(「F8」キー)。メッセージウィンドウの上側にあるボタンをクリックすることで、システムメニュー呼び出し(右クリックでも可能)・メッセージスキップ・メッセージウィンドウ消去・メッセージ読み返しが可能です。また、いつでもヘルプを見ることができます。メッセージスキップでは、既読・未読を判別でき、既読文のみスキップ・強制スキップの別など、非常に細かいカスタマイズが可能となっており、リプレイがまったく苦にならない配慮がなされています。

 セーブ&ロードは、任意の位置で10個所まで可能ですが、私は1個所の使い回しで済んでしまいました(^^;) また、プレイ中、オートセーブが行われるため、ゲーム中で見たテキストやグラフィックは自動的に記憶されます。セーブを「F2」キー、ロードを「F3」キー一発で可能というのも嬉しいところ。また、オープニング画面に戻ることもできます。

 冒頭の「おまけモード」では、CGモードとBGMモードに入れます。

 CGモードは、ヒロインごとにサムネイル表示されます。回想モードもあります。BGMモードでは、各曲(曲名あり)ごとに再生でき、主題歌も別メニューで再生可能です。

 また、テキストおよびCGの情報については、トップメニューで初期化が可能となっています。1回目でないと見られないシーンといったものがあるわけでもないので、必要性は別にないと思いますけれど。

サウンド

 BGMは、MIDIまたはPCMで、後者の場合はDirectSound再生とDirectMusicから選択できます。あまり印象に残ってはいませんが(^^;) アクティブではおなじみとなっている、アーティスティックコンセプツが担当しています。

 音声はフルボイスで、アクティブの他のゲームと同様、すべて、女性のみ、主人公以外、といった細かい設定が可能です。割と幼げな雰囲気の声がなかなか良いですね。クオリティについては、まずまず問題ないでしょう。

グラフィック

 『くすり指』シリーズや『恋のフローティング・マイン』を担当された、風上旬さんの原画です。相変わらず女の子はかわいいですね。『恋フロ』に比べ、女の子にリアリティを求める必要がないというせいか、描き分けに苦労しているということがなく、かなり表情が自然に描けていたと感じます。ただし、会話中での表情変化がないのは、今どきのゲームとしてはものすごく物足りないものを感じますね。フェイスウィンドウなどでの補完があるわけではないので、もっといきいきと「動かす」方がよいと思うのですが。

お気に入り

 1人をあげるなら、チキになりますね。別に体育会系的直情径行娘だからというのではなく、ただ「なんとなく」以上の理由はないんですけれど。

関連リンク先

 全体的な印象をうまくまとめておられるSHEOさんのサイト、そして私とは対照的な印象を書いておられる兄貴さんのサイト(閉鎖)をまず挙げておきます。

総評

 プレイしている途中に「退屈」と思ってしまうかどうか、それがこのゲームに対して抱く印象の分かれ道でしょう。エンディングそのものはまずきちんとまとまってはいるものの、さほど意外性があるわけではなく、キャラの違いに応じて微妙に異なるといった方が良いので、中途の展開を楽しめればOK、となります。

 しかし、SLGパートでの作業が単純明瞭である反面、パラメータとイベント発生との関係も単純であるため、戦略性も何もありません。プレイ中にマンネリ化を感じます。

 結局、キャラクターに対して思い入れができるかどうか、ということなのですが、キャラの「設定」があからさまに作為的なので、その「わざとらしさ」をすんなりと受け入れられればOK、そうでなければつまらない、となると思います。

 いずれにせよ、それまでの「ぱか」・「風上旬」組の作品の延長として、キャラクターの見せる強烈な印象を期待すると、確実にハズします。また、会話を楽しもうといっても、親密になるにしたがって徐々に内容が変化したり、やましさを感じながら二股がけしたり(^^;)といったこともないので、これまた肩すかしを食うでしょう。結局、「人」じゃないキャラで引きつける、という以上の魅力は感じられませんでした。

個人評価 ★★★★★ ☆☆☆☆☆
2000年5月10日
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