ゆれる想い 〜Triangle Love Story〜 エアフィールド

1999年1月22日発売
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 多感な時期に育った地域が何らかの形で取り上げられると、人はそれがどうしても気になるものです。私は神戸の高校を卒業後都内の大学に進学したのですが、主人公がまさにそういう設定となれば、手を出さずにはいられませんでした。人はこれをして軽挙妄動と嗤うかもしれませんが、「神戸」という言葉が決定要因になったのは確かです。おまけに、三角関係、遠距離恋愛、こんな「おもしろそう」なテーマを扱っているとなったら、プレイしないわけにはいかない、となったわけで。あ〜あ…。ヒロインの数が不自然なまでに多いという点に、まずは気づいておくべきでした。

シナリオ

 主人公・海藤幸太郎(姓名とも変更可能)は、神戸に恋人を残しながら、東京の大学に通う医大生。そして、東京の方の大学にも、ちょっと気になるコが出てきた。主人公は、将来の夢を抱き、それに向かって精進しつつ、その過程でさまざまな女の子の心を掴んでいく。そして1年後、誰と結ばれることになるのだろうか。

 

 ヒロイン同士の間で「ゆれる想い」を見せるゲームかと思いきや、実際には二股も三股も四股も…かけることが可能です。そして、主人公の行動パターンを見ても、その「複数のヒロインの間で心が揺れる」ということはなく、万事刹那的で、昨日はあのコと、今日はこのコと、明日はそのコと語らっています。葛藤も何もあったものではありません。一応「修羅場(寸前?)イベント」はありますが、それもその場だけで終わってしまうようなもので、ストーリーをつくるだけのイベントにはなっていません。

 少なくとも、メインヒロイン2人は「特別な位置づけ」になっているのだろうと期待し、ほかのキャラは「浮気相手」なのかと思っていたら、何のことはない、全員が同格。しかも、発生させるイベント回数も大差がなく、その1つ1つが無内容、さらにイベント相互間の関連も希薄。シナリオ面でプラス評価を与えられそうな点は、私には何一つ見当たりませんでした。

 それでも、キャラクターが多い分だけ、さまざまなバリエーションが用意されているとか、あるいは相互の関係が複雑化するとか、そういった展開があるのならまだ「別の形で楽しむ」ことも可能なのですが、そういう余地もほとんどありません。

ゲームデザイン

 ゲーム開始当初に、3種の職業選択が行われます。そうはいっても、発生するイベントにはあまり影響せず、エンディングが違うだけなので、これだけのために最初から何度もプレイしなくてはいけないのかと思うと、涙が出てきます。

 冒頭のオープニングが終わると、午前・午後それぞれに、「学校へ行く」・「外へ出る」といった二者択一の選択肢が出現します。そして、そのいずれかの選択によって、女の子と出会う可能性があります。しかし、この「女の子と出会う」イベントの大半は日時固定イベントとなっています。すなわち、「ある日の午前中にここへ行かないとこの娘は攻略不可」となるわけで、非常に嫌なゲーム設計となっています。

 それよりも、ゲーム期間は3か月、この間、毎日毎日、行動ごとに誰がいるかをたんねんにチェックしながらでないとプレイできない、というのは、非常にかったるいものがありました。イベント発生でフラグを成立させるのであれば、もっとイベント発生の日時に幅を持たせ、なおかつ、複数イベントのバッティングなども考慮してほしかったものです。まともにプレイすると、イベント発生率は非常に低いので、勘だよりのプレイは無意味と言っておきましょう。もしプレイされるのでしたら、あらかじめ攻略法(スケジュール表)を用意された上でプレイされることをおすすめします。

操作性など

 パッケージやマニュアルには何も書かれていませんが、FAT32/4.3GBのHDにインストール(必須)で、189MBを使用しました。小さいファイルもちょこちょことあるので、FAT16環境下では、より多くのHD容量を必要としそうです。入力デバイスは、基本的にマウス左ボタンのみと考えてよろしいでしょう。キーボードは、受け付けるときもありましたが受けつけないときもありました。

 表示は、強制フルスクリーンとなりますが、プレイ中のタスク切り替えや最小化はできません(「Alt」+「Tab」なども働きませんでした)。中央にグラフィックが表示され、下部にテキストが表示されるタイプです。画面切り替えには妙なウェイトがかかっているようで、どうも動きがいちいち緩慢に感じます。

 オープニングを除き、任意の位置でセーブ&ロードできます。マニュアルの記載にはありませんが、マウスカーソルをウィンドウ上部に持っていくと出てくるメニューバーから呼び出す形になっています。セーブ可能なのは5個所。セーブすると、プレイ時の実日時が記録されるほか、ゲーム中の日時・志望職業も記録されます。

 メッセージ速度調整はありません。表示自体はかなり速いほうだと思います。メッセージ早送りは、メニューバーの「次の選択肢へ」を左クリックすることで可能ですが、既読・未読の差なくスキップされる上、いったんスキップすると止まらない模様(1回、むちゃくちゃにクリックを繰り返すと止まりましたが…(^^;)。

 CGモードは、スタート画面から入ることができます。各女の子ごとに、一枚絵CGのみが表示されます。「次へ」「戻る」といった文字をクリックすることで、CGを1枚ずつ表示し、右クリックで抜けます。

サウンド

 BGMは、MIDI(GM)で演奏されます。全然印象に残らない曲でした(^^;) オープニングのボーカル曲は割といい印象を持ちました。カラオケのように、曲と同期して歌詞が画面に流れます。ボーカル自体は今一歩ですが、曲としてはそう悪くありません。

 ゲームの雰囲気から、当然音声ありだと思いこんでいたのですが、音声はありませんでした。残念。

グラフィック

 キャラ原画は「鈴木せるぼ」さん。Triangleで原画を担当されている斎藤なつきさんの絵に似ています。女の子の立ちCG自体は悪くないと思います。ていねいに描きこまれた髪が印象的。目を細めると、みんな同じ顔に見えるような気もするのですが(^^;)

 背景が、どうにもあんまりですね。ご多分に漏れず、写真をそのまま取り込んだと見えますが、もう少しなんとかならんもんでしょうか。

お気に入り

 特になし。…つーか、ヒロインたちの名前なんて覚えていません(^^;)

関連リンク先

 SHEOさんのサイトに、インプレとあわせて攻略法が掲載されています。私もこの攻略法を参考にプレイさせていただいたので少しはプレイも楽でした…が、それでもプレイ意欲増進、とはいきませんでした。

総評

 一言でいうならば、「かったるい」。このゲームをプレイされた方なら、この一言の持つ意味がよくおわかりになると思います。メッセージスキップもあり、一回にかかるプレイ時間はそれほど長くないのですが、なにぶん変化というものをゲーム中に感じることがほとんどなく、「ゲームに付き合わされている」という印象を持たされたのが致命的でした。

 小鳥やカラスの鳴き声を背景に、毎日毎日、セーブ&ロードをただただ繰り返していると、

 「オレ、何やってんだろう……」

と、とても空しくなってきます(^^;)

 事前に抱いていた期待が大きかったことを差し引いても、プラス評点を与えるポイントはほとんど見当たりません。テーマは悪くないのですが、それに見合うだけのシナリオを用意できず、キャラばかりが増えてしまってキャラゲーにもなれなかったという、万事消化不良、そんなゲームと判断しています。

個人評価 ★★☆☆☆ ☆☆☆☆☆
1999年9月8日
(2000年11月22日、加筆・修正)
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