Grief 〜眠れぬ想い伝えたくて〜 Angel Hearts

2000年3月24日発売
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 しばらく鬼畜ゲームから外れたのちに、特に何も考えずに手に取ったゲームの内容というのは、えてして「多くを語る価値もナシ」という結果に終わりがちなのでありますが…これは果たしてどうだったか。

 鬼畜ゲームとしてはオーソドックスなパッケージに、恋愛ゲームを思わせるそぐわないサブタイトルというミスマッチが背中を押す恰好になりました。

シナリオ

 主人公・北川浩樹(変更不可)は、学校で水泳部に所属し、それなりの実績を上げていた。そんな彼を、中学のころから密かに想い続けた後輩・小泉奈々は、主人公と同じ学校に入学し、憧れの先輩に身も心も捧げようと誓うのであった。

 

 非常にバカバカしいというか、登場人物の皆が皆、頭の中のネジが数本なくなっている連中ばかりということを前提に話が進みます。

 個別のキャラクターの行動や思考を極端にすることで、ゲーム世界自体が現実世界とは異なった原理の上で展開されているというのであればこれはこれで非常に楽しいのですが、単に「登場人物たちの行動がヘン」という水準に留まっています。いわゆる「バカゲー」という表現がこれにふさわしいのかどうかはわかりませんが、とにかく「お前ら何も考えてないだろう」というツッコミを無限に入れることが可能です。

 まず、主人公からして、とにかく「セックスしたい」が行動基準をすべて律し、その対象とすべて等並にヤっておきながら、その関係を維持したいとするし、毎回中出しにこだわるしと、訳がわかりません。こんなヤツに惚れてつきまとう女たちの顔が見てみたい…って、イヤでもさんざん見ることになるわけでありますが(^^;

レイプはいい。好きな体位で、好きなだけ貫いて、好きなときに射精できるのだ。

…勝手にやってなさい(^^; こういう、行間から漂ってくるバカな雰囲気に毒気を抜かれた状態でプレイすることになります。

 

 で、そのヒロインたちの方でありますが、これがまた主人公に輪をかけているというか、類は友を呼ぶと言うべきか、ものすごいぶっ飛びぶりです。強引な初体験の上、ほかの娘たちを食いまくっている主人公に詰めよるわけでもありません。部員によってたかって輪姦(やっぱりオール中出し)されても、その晩には犯されたときのことを思い出してオナニーしまくるという…私の想像の域を遥かに超越した生物たちでございます。

 私自身、健気なキャラは大歓迎、多少淫乱でも別にいいけど、それに変態という要素が加わると、一気に身を引きたくなるんですよね。らぶらぶアタックを文字どおりの体当たり、というのは悪くはないんですが。

 

 また、陵辱モノを期待すると、完全に外すでしょう。主人公が女性たちを脅迫するなどして追いつめて犯す、というものではなく、むしろヒロインの側が唯々諾々…否、嬉々として受け入れています。これでは「陵辱」にならんでしょう。陵辱というのは、相手の人格を蹂躙することでサディスティックな快感をそこから得られるモノをそう呼ぶのであって、わけわからん状況で肉欲の求めるままにあへあへやるっつーのは、陵辱とはいいません。

 

 さらに、Hシーンを見ても、パターンこそ多いものの、主人公と女との関係が上記のように異常な展開を見せているため、あまりそそるものがありません。18禁ゲームにおける「エロ」は、単にグラフィックのみによるものではなく、そのシチュエーションをいかに淫靡なものに仕立て上げるかが重要であるはずなのに、あっけらかんとして猿のようにやりまくっているのをただ眺めていても、飽きがくるだけです。

ゲームデザイン

 主人公とヒロインとの視点とでシナリオが交互に入れ替わるスタイルとなっており、また、陵辱パターンと純愛パターン、愛欲パターンとにわかれています。しかし、それぞれのボリュームはいずれもさほど濃いものではなく、割と淡々と進みます。

不具合・修正プログラム

 私の環境では、特に不具合などは発生していません。

操作性など

 CD-ROM2枚組となっています。

 画面表示は640×480ドットフルスクリーン表示で、起動後はウィンドウ表示に切り替えることも可能です。…というか、最初からウィンドウ表示可能という仕様はむりだったんかいな? 下部に半透明のメッセージウィンドウが表示され、メッセージウィンドウの右側にある「S」ボタンをクリックすることでシステムメニューを呼び出すことが可能です。ここから、セーブ&ロード、音楽・音声のオン・オフ、メッセージ速度調整などを切り替えることができます。

 メッセージ表示は、通常表示と瞬間表示とから切り替えることが可能ですが、メッセージスキップはありません。読んでいて楽しいテキストでもないだけに、これはかなりの減点材料。さらに、キーボードも対応していないようです。

 セーブ&ロードは任意の位置で12個所まで可能となっています。セーブすると、プレイ時の実日時が記録されます。

 おまけ機能としては、CGモードと音楽モードとが用意されています。「愛の思い出」というタイトルからHシーン回想モードを連想させますが、実際にはCGがサムネイルで示されるに過ぎません。

サウンド

 BGMは、MIDIで演奏されます。そこはかとなくチープな音色が漂ってきますが、事態の深刻さを緩和する方向に働いている、といったところでしょうか。

 女性のみフルボイスとなっていますが、特に可もなく不可もなく、といった印象です。

グラフィック

 キャラデザ担当は「とよますかずひろ」氏。どこかで見た感じがするのですが…。目のタッチが独特ですね。ただ、背景の塗りがどうにも雑というのか、どこも似たような場所に見えてきます。まぁ、さほど悪いというものではありませんが。

お気に入り

 そんなもんありません(^_^;

関連リンク先

 リンク先では、これを取り扱っているところは見当たりません。

総評

 学園陵辱ものを素直に期待すると、その中途半端さにガッカリするでしょう。そして何よりも、登場人物たちの思考や行動のあまりのバカっぷりには、唖然とします。

 学園・陵辱・ギャグ・中出し(^^;)といったいろんなパターンを貪欲に取り込もうという姿勢は見えますし、その点で見ればそれなりによいと見ることも不可能ではないかも知れませんが、これではすべての面で中途半端、と評するのが妥当なところでしょう。

個人評価 ★★☆☆☆ ☆☆☆☆☆
2001年3月10日
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