Happyほたる荘 WAFFLE

2000年12月15日発売
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 パッケージに会する女の子一同に、ふらふらと誘われるままに手を出してしまったゲームがコレ。このメーカーに対する先入観も事前情報もいっさいないまま、その幼げな女の子たち(必ずしもロリ系とは限りませんが)という「見た目」にまんまと騙されてしまったのが私でありました。うううっっっ…。

 パッケージには「HAPPYシリーズ第一弾!」と書いているのですが、思い切り弾が外れていますよ。いや、「弾けている」と読むのが正しいのかな?

シナリオ

 主人公・荒木ひかる(固定)は、三流大出の就職浪人。母親から家を追い出されるようにして押しつけられた、女性のみが居住するアパート「ほたる荘」の管理人の職だが、そこに、いつも彼をうち負かしては悦に入っている嫌な万能男・鳴戸が「ハーレム化計画」を頭に浮かびながら割り込んでくる。結局、彼と管理人の座をかけて勝負することになる。ダメ人間の彼は、無事管理人の座を射止めることができるのだろうか。

 

 まず、本当にどうしようもないダメダメ主人公です。

 私は、「ダメ的主人公」というものには、概して好意的な評価を下す方向にあるようです。これは、私自身がほかならぬダメ人間的要素を備えているせいかもしれませんが(苦笑)、それよりも、大半の大人は挫折したり後悔したりした経験が何度かあるにもかかわらず、現状が切羽詰まっていない場合は、そういった苦境にあった自らの環境をあたかも忘れているかのごとき態度を取り、弱気になっている人間に対して「だらしがない」うんぬんという姿勢を見せることが多いのですが、そういった狭量さが我慢ならん、と思う気持ちの方が強いのです。人間なんてそんなに強いものじゃないし、努力が必ず実るなんていうことはあり得ない以上、失意や後悔にうなだれる人に対しては、黙って肩に手を添えてやる方が、人間として温かい姿勢なのではないか、と思うからです。

 しかし、このゲームでの主人公は、「今まで負け続けてきた」といって、自分が「ダメ人間」であることを、あたかも自己暗示をかけるかのごとく、最初から終盤までえんえんと語っています。そこで語っている「ダメ」さは、単に「ライバルとは力量の差がある」という点に留まらず、自分をひたすら全否定するのみで、行動も思考も一切を放棄しているのみです。ダメ人間に陥ること自体を指弾するのは好みではありませんが、ダメ人間であることからの脱却を一切放棄する人間に対しては、同情さえする気になりません。ライバルに対しても、反エリート意識さえ抱くことなく、ただひたすら卑屈な奴隷根性丸出しの姿勢には、ハッピーエンドを用意すること自体が許されないのでは、とさえ思えたしだいです。

 こういう「究極のダメ人間」につきあっていくこと自体が苦痛なのはもちろんですが、それだけでなく、エンディングでヒロインとのHシーンになると、突然「ダメ人間」から脱皮して揚々とした態度を取るため、盛り上がらない上に白けさせてくれます。主人公にも、それに惚れるヒロインにも、なんら行動の説得力がなし、では、「やっと終わったか…」という程度の印象しか受けません。

 さらに、ライバルに人間的な魅力が皆無で、しかも主人公に対する明確な優位性が欠如していることも、マイナス要因。主人公=「勝者」となるのがハッピーエンドである以上、ライバルにはライバルなりのロジックが求められるはずです。しかし、ライバルは徹頭徹尾嫌な奴(第三者視点で見ればただのバカ)である上、口説き文句とルックスと学歴以外には優位点が特に見られないのに、主人公と「管理人の座をかけて決戦」といわれても、舞台設定に説得力がまるでないうえ「どうしてそんなことにつきあわなくちゃいけないの?」となります。性格的に嫌な奴というのは、悪役が担わなくてはいけない設定であるのは間違いないのですが、パラメータの初期値に強力なアドバンテージがあるわけでもなし、また主人公に「勝つ」意味はないし、むしろ主人公の行動に依存しているだけとしか見えません。弱者をバカにする、という姿勢を取ってみても、単に自分のパーソナリティが「弱者に対する優越感」の上にのみ存立しているようなライバルには、ラディカルな実力主義者のような冷徹な合理性もなく、したがって「勝負」自体も、ゲーム目標足り得ない題材と化しているのが実情です。

 

 ヒロインは、わりと定番どころを揃えているのですが、なにぶん主人公がどうしようもないしライバルもどうしようもないし、なので、肝心のラブラブシーンになっても盛り上がりません。ヒロインが主人公になびく理由が不明確である場合が多い上、そもそも主人公を選ぶ際に消去法を取るというのであれば、ライバルは先に追い出されるはずなのに、それもない。「?」はいつしか「………」に転化し、そして固定化してしまいます。

 また、各イベントシーンはそのほとんどが断片的なものにすぎず、全体として一貫性のあるイベントの流れというものはほとんど存在していないに等しい状態です。このこともあって、各イベントシーンを独自に楽しめればそれでいいや、という感じになります。何度も同じ会話を繰り返すことも珍しくないなど、退屈であることも確かです。

ゲームデザイン

 午前・午後・夜に仕事をして業績やパラメータを上げ、また行動によってヒロインと接触して好感度を上げていきます。管理人になるためには、入居人の世論によって決定するようなので、着実に仕事をこなしていくほか、彼女たちと接触することで反感を持たれないようにすることも必要です。入居人の意見は、途中何回か行われる「中間発表」で大勢をうかがうことが可能です。管理人になれなければバッドエンドとなります。

 しかし、管理人になるように着実に仕事をこなすのはなかなか難しく、またヒロインとのイベントをキッチリおさえていくのもずいぶんと骨が折れるので、見た目に似合わず難易度は高くなっています。しかも、ヒロインとのイベント発生を起こしにくいので、メイン級を除けば誰とのイベントがどのように発生するのかが掴めないため、誰とのイベントが進行しているのかがわからず、プレイしている当人も誰を狙っているのか忘れてしまったりしますヾ(^^;オイオイ

 しかし、シナリオの内容が上記のとおりなので、何度もプレイするのが苦痛…という向きには、データを書き換えてCG・回想フル化のうえ、イベントシーンだけ見直す、という方が合理的と思います(私はそうしました)。

不具合・修正プログラム

 イベントの最中にまた異なるイベントが割り込んでくる、といった不具合があります。WAFFLEのWebサイトに修正ファイルがアップされていますが、まだ細かい不具合が残っています。

操作性など

 どうにもよく練られていないユーザーインタフェースのため、使い勝手の悪さが目立ちます。

 操作は、基本的にマウスまたはキーボードで行いますが、エンターキー=右クリック、スペースキー=左クリックという、一般的なアクションとは逆なので最初は戸惑いました。それはいいのですが、メッセージスキップの機能はなく、イベント単位でのスキップ機能があります。しかし、日付の切り替わりなど「さっさと進んでほしい」と思えるところにかぎって時間がかかるので、ちょっとモタつきます。

 セーブは、日付の変わり目で15個所まで可能で、ゲーム中の日付とプレイ時の実日時とが記録されます。ただし、ゲームのプレイ中には、ロードすることはおろかタイトルメニューに戻ることもできないので、プレイ中にロードしたい場合は、ゲーム自体を再起動しなくてはならず、面倒なことこの上ありません。セーブ&ロードをさせまい、という魂胆なのか、あるいはそんなところまで考えていないのかはわかりませんが、不親切な設計であることは確かです。

 ゲームを一度クリアすると、CGモード・回想モードに入ることができます。これらは各ヒロインごとにサムネイル表示され、一度見たCG・イベントシーン(Hシーンに限りません)を見ることが可能です。また、音楽モードもあります。

サウンド

 何か音が流れていますが、ほとんど印象に残っていません。それよりも、マウスをクリックするたびに妙な効果音が入るのですが、これが非常にうっとうしい。オフにできるのがせめてもの救いですが、どうしてこんな妙な仕様にしたのでしょうか。

 音声はありません。

グラフィック

 原画担当は「零点」氏。女の子はわりとかわいいですし、また仕事中に出てくるSDキャラのアニメもまずまずです。しかし、アニメというのは毎度毎度見ていると飽きるのに、これをオフにすることができないので、プレイを続けていくとかったるくなってきます。また、女の子の表情変化も、効果的に使われているとは思えず、むしろフェイスウィンドウでの無表情の方が気にかかってしまいました。あと、服と季節とのミスマッチがかなり激しいし。

 背景は…今どきあんなのないでしょ、と思ったとだけいっておきましょう。

お気に入り

 真奈と志穂かな。あとは名前も覚えていないし(^^;)

関連リンク先

 これを踏んでしまった方はあまりおられないようです。その方がHappyだと思います。

総評

 時間と労力をかけただけの楽しみが、プレイ中、あるいはプレイ後に感じ取れれば、それでゲームとしての役割は果たしているといえるのでしょうが、その尺度で見ると、このゲームはどうしようもないできという水準に留まっている、と断じてよいでしょう。シミュレーション部分もさほどおもしろくなく、キャラがパッとせず、主人公もライバルもダメ、これでは、楽しむ余地はほとんどありません。

個人評価 ★★☆☆☆ ☆☆☆☆☆
2001年2月9日
Mail to:Ken
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