Liebe(リーベ) 〜想い出の贈り物〜 カスタムソフトウェア

2000年11月24日発売
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 パッケージで、寝ころびながら微笑むロリ系少女に惹かれて…というわけでは必ずしもないようなあるような、そういうことは置いといて(^^;)、本当に「なんとなく」買ってしまったゲーム。ここ最近まっとうなラブラブゲームに手を着けていなかったということもあって、脳天気な世界でぽえぽえしていたいな、といった気持ちがあったことは確かです(ちょっと精神的にささくれ立っていたこともありまして…)。

 なお、「Liebe」というのは、ドイツ語で「愛」(英語のLoveに相当)という意味だそうです。ンなことわかるかいっ、というのは無教養人のヒガミってヤツ?(^^;

シナリオ

 過去のトラウマのために恋愛恐怖症に陥っている主人公・横瀬卓(変更不可)は、交通事故に巻き込まれて病院に運ばれ、そこでアヤと名乗る見知らぬ不思議な少女と出会う。彼女が言うには、主人公の余命はあと1週間であり、その運命を変えるにはそれまでに「本当の恋愛」をしなければいけない、というのだ。主人公以外には誰の目にも見えない少女、アヤとの奇妙な同居生活を通じて、彼は病院で3人の女性と会う。アヤの正体はいったい何か、そしてどんな運命が主人公を待ち受けているのだろうか。

 

 シナリオ担当は、「岩間正幸」「顎門」「02 ON」の各氏。

 いわゆる「非日常的な存在」であるアヤの役割、そして彼女を通じた主人公の行動や心境の変化(場合によっては成長)といったものを容易に想起させるような設定です。2人の間を隔て分かつ障壁が崩れたときに…といったところです。

 

 アヤの存在については、だいたい予想できる範囲内でした。また展開の中でも、唐突に「ぢつはこうだったんだよ、すごいよねー」という出し方で目を点にさせることもないので、別段気にはなりません。ただし、盛り上げ方が万事不足気味で、すべてが川の流れのように淡々と進んでいくという感じです。このため、「トラウマの克服」といっても、あまり「どうにかしなくちゃ」という姿勢が感じられないのですが、それよりももっと困った点は、主人公の生活自体が、みごとに「日常」の中に収まってしまい、そこからほとんど動かないという点に尽きましょう。

 「トラウマを克服」するために「結ばれなくてはいけない」という強引な設定自体は別に問題ないのですが、肝心の主人公の日常生活が、アヤの出現ということ以外にはまったく変化がないので、とにかく退屈です。自分の命が残り1週間、となれば、人間ならば慌てるなり世界を見る目が変わるなりといった何らかの態度の違いがでてくるはずなのに、「アヤが来てからこのかたおしゃべりが増えて生活が楽しくなったね」程度の認識しかありません。切迫感を演出しなければならないというわけではないのですが、この「のほほん感」のために、「1週間」というタイムリミットのある「時間」の意味がまるでなくなっています。

 また、「恋愛恐怖症」を克服するために「女の子と接近」するという、いうなれば目的があっての「恋愛」という、おそろしく作為的な行動を取る(←非難しているわけではありませんよ、念のため)主人公が、そのこと自体にはほとんど躊躇も怯えも感じず、「気がついたら好きになっていた」という描写も、どうにも「見かけがいいところだけ書いた」という風に見えてなりません。「好きになる」ということはどういうことか、それを後付けでもいいから主人公が何らかの形で見出すという作業が必要であろうと思われる体裁を取りながら、「結ばれてハッピーハッピー」では、見ているこっちはまるでハッピーにはなれません。

 

 また、主人公の「過去の記憶」そのものに対する描写自体がずいぶんと薄いものも、個人的には大いに気にかかったところです。表面に取り上げるテーマでないことは明白ゆえべつだん気にしなくてもよいのだ、といわれればそれまでですが、主人公の独特の過去があってこそ、こういうことが起きたのだ、という背景説明になる程度のことは書いておいて欲しかったな、と思います。特に、佐江のようなキャラクターを入れているのですから、なおさら。

 

 テキスト描写自体は、まことに薄いもので、印象に残らない平板なテキストですが、ときどき妙な文が入ります。たとえば、

…神様は、ある少年が恋人に死なれ、女性、恋愛恐怖症になった

 主語は何でしょうか(^^; 「女性、恋愛恐怖症になった」の「女性」って何(^^;;

 このほか、口語と文語とを会話内に混ぜているようなテキストもあり、なんとかしてくれ、と思うことが何度かありました。

ゲームデザイン

 序盤の選択で会った回数が多かったキャラとのエンディングになり、中盤以降は基本的に一本道です。非常に簡単な部類に入りましょう。ただし、エンディングフラグ方式が採られているわけではないため、初めから佐江エンドあたりを見てしまうと、その後が今ひとつ盛り上がらなくなるような…。

不具合・修正プログラム

 CGモードでCG配置に不具合がある、ゲーム本編の演出タイミングの調整、CGモードのCG登録に関する不安定の修正などといった不具合を修正したファイルが、カスタムソフトウェアのWebサイトにアップされています。私はこれを用いてプレイしましたが、CGモードに登録されたCGの一部が見られないという不具合が残っています。

操作性など

 CD-ROM1枚組です。CD-ROMをドライブに挿入するとオートランでインストーラが起動しますが、すでにインストール済みでもインストーラが立ち上がるうえ、ゲームプログラムは起動しません。ゲームをプレイするには、スタートメニューから選ぶか、直接「GAME.EXE」を実行する必要があります。BGMがCD-DAである以上、プレイにはCD-ROMを必要とするのが自然でしょうから、インストール終了後は初期画面が自動起動するというのがスマートでしょうに。

 基本的な操作はマウスで行いますが、キーボードのエンターキーやスペースキーでも進めることができます。

 画像表示は、640×480とフルスクリーンとを切り替えることが可能で、下部に半透明のメッセージウィンドウが重なります。

 メッセージ速度は、3段階で調整可能です。ツールバーの「選択肢まで進む」クリックでメッセージスキップします(しかし、後述のように立ちCGの切り替えに時間がかかる…)。フォントの切り替えもできます。

 セーブ&ロードは、任意の位置で、右クリックから呼び出すことで9個所まで可能です。セーブデータには「しおり」と表示されますが、ゲームを最後まで見るとクリアされるとか、別の「しおり」だとセーブデータの内容が共有されないとか行った意地悪な仕様ではないのでご安心を。セーブ時の実日時も表示されます。

 トップメニューの「おまけ」を選択すると、CGモードに入ります(回想モードやBGMモードなどはありません)。各ヒロインごとにCGがサムネイル表示されるようになっていますが、各ヒロインごとの未見CGが何枚なのかはっきりとはわからないのが難あり(もっとも、ゲームの難易度自体は低いので、気にしなくてもいいんでしょうけれど)。CGモードのCGは、見ただけで、セーブしなくても記録されるようです。

 ところで、トップメニュー一番下に出る「ゲーム終了」をクリックすると、確認ダイアログボックスが出ますが、ボタンが「OK」しかないんです(^^; 確認の意味ないじゃん…。

サウンド

 BGMは、CD-DAで演奏されます。特に印象に残るほどの曲ではありませんでした。

 音声はありません。この種のゲームであれば音声つきであってもよいと思うのですけれど。

グラフィック

 キャラ原画は、イケガミアカネさんの担当。非常に瞳が大きくなっており(頭部全体の3分の1以上)、さらに顔の輪郭や体型やらも幼いので、『同棲』とよく似た雰囲気を受けます。バストアップCGは楽しいと言えば楽しいのですが、表情の変化がややありきたりという印象を受けます。

 立ちCGの画面切り替えにずいぶんと時間がかかります。

 また、背景CGの塗りがどうにも平板で、あまりパッとしません。野暮ったいというか。

お気に入り

 特に彼女が…というのはありませんでした。それほどキャラを立てる描写もなかったもので。

総評

 どうしようもなく腹が立ったというシーンがあったわけではないのですが、とにかく盛り上がるところがみごとにありません。グラフィックも特に良いというものでもないし、ゲーム性では本当に見るべきものはなし。

 これで定価8,800円というのは、いくらなんでも高いだろう、と思ったのが正直なところです。

個人評価 ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
2000年12月17日
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