覚めない夢 G'z

2000年12月22日発売
ご意見などは掲示板へどうぞ

 怪奇陵辱ものについては、私はほとほと見る目がないな、と嘆じる経歴があるにも関わらず、特に何も考えずにふと手にしていたゲームがコレ。ほとんど何の評判も目にすることのないマイナーゲームの常として、非常に怪しい雰囲気を醸し出していたのではありましたが、それでもプレイしてみました。2000年後半期になってから、これといって鬼畜色の強いものには手を出していなかったというのもありますが…はっ、欲求不満だったのか!?(^^;

シナリオ

 主人公・高城誠二(固定)は、ある晩、幼なじみを含む3人の女の子が化け物退治をしているところを通りがかった際に、瀕死の化け物「シダ」に取りつかれる。しかし「シダ」にも余力はなく、誠二の精神を従属させることができず、彼が寝ている間にその身体を動かすことができるのみであった。「シダ」は自らを追い込んだ娘たちに復讐せんと、3人の娘たちがいずれも誠二に想いを寄せていることを利用し、誠二の肉体を使って彼女たちを陵辱する。誠二の身体を「人質」に取られている彼女たちは、「シダ」に身を任せる。そして…。

 

 要は、化け物が主人公を通じて女の子たちにあんなことやこんなことをする、というだけのゲームです。したがって、イベントもその大半はHシーンであり、しかも陵辱するのが化け物であるにも関わらず、シーンの大半はその姿を見せていないため、見かけ上のグロさはさほどではありません。

 誠二自身、化け物である「シダ」の最終的な支配を受け入れなかったのはその人並みはずれた強烈な煩悩のゆえであったというあたり、いかにもこういうゲームの主人公らしい、といえそうでありますが、そんな彼だからこそ、部屋の中に怪しいグッズ(笑)を用意しておくなど、本来ならば「おいおい」とツッコミを入れられそうなところもすべて丸く収めてしまっています。また、昼間の主人公の行動は、最初は「調子が悪い」という程度、日が重なるにつれて不審の度合いが大きくなるという、いわば当然の変化をきちんと織り込んでいるので、「なんでやねん」ということもありません。主人公の言動や行動は、スケベではあっても、バカだの嫌な奴だのという印象を受けることがなかったのも、また安心できるところでありましょう。

 

 また、娘たちの方も、しだいしだいに身体が開発されていくので、いろんな姿で悶えてくれます。恐怖に脅えて人格崩壊、という方向にいくと、見た目にもおどろおどろしさが先に立ってしまうのですけれど(それはそれでゲームの一手法として良いのですが)、このゲームではそうはならず、「誠二のために仕方ないんだ」という大義名分(?)があるうえ、なにせ顔も身体も惚れている相手なので、女の子たちの方も「乗り気でないながらそれなりに」という姿勢を見せてくれます。この辺の機微がなかなか良かったかと。

 残念なのは、誠二が最終的に自分を取り戻した後の、らぶらぶHなシーンがなかった点でしょうか。全体の統一性を保った、と見ることもできるんですけれど、やっぱり「総括」として、女の子が安心して身体を重ねるところは見たかったものです。

 また、中盤以降、娘同士のリンクもほとんど表に出てこない点が、全体の構成の中では不満であります。メイン級と思われる美代にウェイトが置かれている一方で、ほかの2人についてはそれぞれ別個に対応していますけれど、3人娘がまとまって何かをする、という描写がまったくないのは、ちょっと不自然でしょう。いえ、別に4Pがほしかったというわけじゃないんですよ、決して(^^;

 

 あと、おもしろいというかわりと楽しいのが、意外とこの「シダ」なる化け物、人間くさくて間抜けな面を見せてくれます。人間のことをあれこれバカにしつつ、主人公の部屋が汚いと言って掃除するわ、日中の主人公の行動を夜になってからあれこれ指摘するわ、陵辱している娘に対して説教垂れたりするわ(^^;) 単に「恐怖による強制」をするだけではなく、それなりに頭脳的な行動(プレイといってもいいかな)をするのですが、それは別の見方をすれば、化け物らしからぬ面を示しているともいえます。誠二という筋金入りのスケベに取りついてしまったのが、「シダ」の行動を決定したのかもしれませんけれど、とにかく凄惨さを表に出さず、妙に人間的な雰囲気を出しているのが、個人的にはよかったと思います。

 

 最後に一言。やたらと眠りすぎるというのは、過眠症という立派な病気の可能性もありますので、病院の神経科に行った方がいいです。歩行中に突然立ちくらみを起こしてブッ倒れたり、眠りが浅いときに金縛りにあったりという症状の病気もありますし。

ゲームデザイン

 途中に分岐の起点になると思われる選択肢がいくつか出て、それらを選ぶことで各ヒロインとのエンディングになるというタイプのアドベンチャーゲームになっています。

 中盤以降、夜になると、任意の娘を呼びだしてHすることが可能で、何度も呼び出していくと、要求できるコマンドがしだいに増えていきます。日数は無限ではなく限られているので、なるべく多くのコマンドをむだなく選択するのが合理的でありましょう。ただ、メニューの選択パターンが増えていくという形を取っているため、「調教」というカラーは希薄になっています。

不具合・修正プログラム

 私のプレイ環境では、特に不具合などは発生していません。

操作性など

 基本的な操作は、マウス・キーボードの双方で行うことができます。ただし選択肢が表示される画面では、マウス専用となっています。

 画像表示は、640×480ドットとフルスクリーンとを切り替えることが可能です。下部に半透明のメッセージウィンドウが表示され、その右端にある五つのボタンで、メッセージ消去やメッセージスキップ(未読・既読の判別はありません)、読み返しなどが可能です。メッセージ表示速度と画像表示速度は、3段階で切り替え可能です。

 セーブ&ロードは任意の位置で10個所まで可能ですが、ロードするとセーブした個所より少し前からスタートすることが多くなっています。セーブすると、セーブ時の実日時もデータに表示されます。

 なお、このゲームの「実用一辺倒」という性格をよく表しているのが、「CGモード省略・回想モード一本化」ということでありましょう。各ヒロインごとに、見たすべてのHシーンをテキスト付きで見ることが可能です。

サウンド

 一応何かBGMが鳴ってはいましたが、さして印象に残るほどのものではありませんでした。音声はありません。

グラフィック

 女の子はまずまずいいのですが、少し生気に欠けるような印象があります。また、背景画像の貧弱ぶりは何ともいいがたいものがありますが、背景が作り出す雰囲気が重要となるシーンはほとんどありませんから、これでもかまわない、ということもできる…かな?

お気に入り

 特にありません。

関連リンク先

 まだこのゲームを扱っているサイトの存在自体、まったく確認していません。

総評

 Hシーンのパターンを網羅したエロゲーである、と割り切れば、まずまずのものではあります。何よりも、陵辱される側が一方的に犯されているというより、どことなく「受け入れ」ているという特徴ある雰囲気が出ている上、犯す側もなかなかに間抜けである点が、悲壮感を緩和している、と見ることができましょう。

 ただ、話の筋などなきに等しいということ自体はともかく、各ヒロインごとのパターン数の違いが大きい(一応メイン格の美代だけ妙に多い)、こういうゲームにこそ音声があってしかるべきなのにそれがない、プレイ中に「いつまで続くか」がよく見えてこない、など、ある程度気にかかる点があったことは確かです。また、「鬼畜陵辱もの」と捉えてこのゲームをプレイすると、見た目に似合わずソフトであるため、拍子抜けするかもしれません。

 まずまずのゲーム、といったところではないでしょうか。

個人評価 ★★★★★ ★☆☆☆☆
2001年2月11日
Mail to:Ken
[レビューリストへ] [トップページへ]