月夜の瞳は紅に ディスカバリー

2000年2月25日発売
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 やや思わせぶりな微笑を浮かべる小悪魔的少女が表を飾るパッケージに、その中身がいかなるものか、漠然とではあってもイメージをあれこれと膨らませて手に取ってみたのが、このゲームでした。また、「吸血鬼」というものも好奇心を刺激されました。その結果は…はぁ。

シナリオ

 主人公・真行寺雅人(変更不可)は、憧れの先輩に告白するも、その返事は「ごめんなさい」。呆然とした彼は、神社にあった封印の石を倒してしまい、そこに封印されていた吸血鬼・キコを、ひょんなことから解放し、血を与える。そんなこんなで、キコと同居しつつ、彼女の特殊能力に気づき、その助力を仰ぎつつ、新たな恋愛を求めて町をさまよう。

 

 要は『瑠璃色の雪』パターン、といえばよいでしょうか。人間でないキャラクターが突然闖入して同居することになり、しかもその状況を、登場人物たちがありのままのものとして受け入れているという、何だかさっぱりわからないところからスタートし…というところなどそっくりで、これをかなり意識しているのではないか、と思われます。

 キャラクターとのやり取りで話が進んでいき、ギャグと漫才を重ねていく、という感じですが、これがあまり楽しくありません(^^; 単に「笑える・笑えない」という水準ではなく、ただ「会った→イベントだ→こんなんだ」といった感じでしょうか。とにかく、会話も「こなしている」という印象で、さほど楽しくはありませんでした。各キャラクターごとに「こういうキャラクターなのだ」と説明するかのようにパターン化された口調や行動を見ても、あまり引き込まれることもなく、登場人物たちが勝手に暴走しているのを眺めているだけ、という感じで進みます。しかも、これが毎日毎日、まるまる1か月も続くので、ハッキリ言って退屈です。暇つぶし的に脇道へ寄ることのできる「あそび」があるわけでもないため、プレイ途中にはかなりの「作業」感が伴うことは避けられません。

 終盤になり、各ヒロインとのストーリーが絞り込まれていくと、それなりに話も煮詰まる…ハズなのですが、その展開もずいぶんと急ですし、しかも中盤までの緩慢な展開から急転直下、というパターンが非常に多く、相当に物足りなさを感じました。

 さらに、テキスト自体も、あまり練られておらず、かなり粗の目立つ文章が並んでいることも確かで、あまり読んでいて楽しいものではありませんでした。

 

 おもしろい点は、人間キャラクターとのエンディングの場合、通常であれば「お邪魔虫」以外の何者でもなくなるキコは、退場することなく(前掲『瑠璃色の雪』はこのパターンでした)、キコを交えて3Pエンドというのがやたらと目立ったところでしょうか。ただ、キコとのエンディングについては、ちょっと雰囲気が違いますので、このゲームをプレイされたのであれば、一度ご覧になることをお勧めします。

ゲームデザイン

 移動画面で目当てのキャラクターに会いに行き、会話を重ねて好感度を上げ、イベントをクリアしていくというタイプのアドベンチャーゲームです。また、これにキコの「特殊能力」−「魅了」(好感度アップ)「感知」(ターゲット位置捕捉)「予知」(最適行動教示)−を適宜加えることが可能ですが、これを使うタイミングはわりと難しく、特に「魅了」は使わなくてはいけない個所や使ってはいけないところなどがあるようです。

 エンディングの数もけっこう多く、難易度は割と高めのようです。

不具合・修正プログラム

 私の環境では、なんと、正常にハードディスクへインストールすることができませんでした。セットアッププログラムを実行しても、CD-ROMドライブにアクセスすることなく、そのまま終了します。CD-ROM内のファイルを直接ハードディスクにコピーすることでプレイは可能でしたが、こんどはゲームを終了してもCGモードのデータがセーブされないなど、どうにも妙な不具合が多くなっています。ただし、インストーラでデフォルトのインストール先にインストールすると、この不具合は一応解消されました。修正ファイルおよび対処法が、ディスカバリーのWebサイトにアップロードされています。

操作性など

 インストールは、複数のパターンから選択可能です。トラブルを避けるためにも、インストール先はデフォルトのままにしておくのがよいでしょう。操作はマウスで行いますが、キーボードでの操作もある程度可能です。

 グラフィックは基本的に640×480ドット表示で、フルスクリーン・ウィンドウ表示の切り替えが可能、下部に半透明のメッセージウィンドウが表示されます。選択肢が出てくるところでは、いちいち選択のダイアログがぐるっと回りながら登場するのですが、正直うっとうしいだけです。文字表示速度の切り替えは可能ですが、メッセージスキップはできません。また、画面左上には、ゲーム中の日付と時間帯(1日が4つに分かれています)が表示されます。

 セーブ&ロードは、任意の位置で6個所まで可能ですが、全体のボリュームから見ると少な目。

 CGモードは、各CGを1枚ずつ表示する上に達成率表示もないため、あまり使い勝手はよくありません。さらに、私の環境では、異常終了することも多かったため、見たCGがろくすっぽCGモードに登録されませなんだ(T_T) 回想モードやBGMモードはありません。

サウンド

 BGMはMIDIで演奏されます…が、全然印象に残っていません(^^;) なんか鳴ってたっけか?

 一部で音声あり、となっていますが、音声があるのは終盤の一部のパートのみで突然喋り出すという、不可解この上ない仕様になっています。またその音声も、ボリュームが妙に小さく、セッティングによってはほとんどわからないかもしれないという程度のものになっています。演技力以前の問題として、このゲームにおける「音声」の位置づけがどういうものなのか、理解不能です。

グラフィック

 原画担当は「まじゃろにあ」さん。どうも、パッケージで見た印象よりも、ゲーム中の方が女の子がパッとせず、特に立ちグラでの表情が、キコを除いて今ひとつなのが残念。また、塗りもあまりきれいではないし。そういうわけで、やっぱり印象に残っています。

お気に入り

 一応、キコとしておきましょう。

関連リンク先

 らまひすとさんのサイト(閉鎖)にレビューがありました。

総評

 一言でまとめれば「凡作」。このゲームにしかない何か、というものを求めても、まったく思い当たるものがありません。致命的な問題点というものは特になかったと思いますけれど、積極的に探して無理にでもプレイするほどのものではないでしょう。

 私がプレイに時間をかなりかけたのは、このゲームに手こずったというよりは、どうにも「プレイしたい」という気になかなかなれなかっただけなので(^^;)

個人評価 ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
2001年3月11日
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