Prism Palette ブロッコリー

2001年9月20日発売
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 「ギャルゲーのお約束」というものを気楽に楽しむ、というスタイルのゲームがどうにも減っていくように思えることもあり、手を出してみたゲームです。登場するキャラクターの数が4人程度と多からず少なからず、手を広げすぎて収拾がつかないということもないだろうし、という判断もありました。

 オープニングにムービーが流れますが、最初に出てくる飛行機がめちゃめちゃ怖いんですが(^^; それに、弥生の髪の色が違うので最初誰だかわからなかったのですが、逆にいえば髪を変えると見分けがつ(以下略)。

※このゲームは、年齢制限のない一般ゲームです。

シナリオ

 主人公・白井正樹(変更可能)は、虹ヶ丘高校に通う高校2年生。何に対してもやる気を見せない主人公だったが、さまざまな女の子と出会っていく過程で、彼の日常は徐々に変化していく。

 

 シナリオ担当は「立石流牙」氏。

 ラブストーリーとしてはかなり淡泊なもので、会話イベントなどを通じて相互の接触が深まり、ぶつかった壁を協力して乗り越える、といった、いわばお定まりのルートを忠実にたどっている感じです。このため、意外さを覚えることはまずないでしょうし、また非日常的な世界観が出てくることもありませんし、精神力の限界に挑むがごとき不幸など起こりませんし、生きるの死ぬのといった話も出てはきません(笑)。しかし、それがゆえに「落ち着いた」状態を最後まで保つことができます。ラブラブ度の低さは、もともと無気力という設定の主人公であれば、一気に燃え上がるのは無理と考えれば、こちらの方が自然だとは思いますが、ここは賛否両論ありそうですね。

 

 各イベントについても、年中行事の多い秋から冬にかけてのイベントが少なく(クリスマスは皆無、バレンタインデーもあまり出てきません)、また季節独自の定番シーン(夏のプール、冬のスキーなど)もかなり抑えられています。イベントが学校および町中で「会って話す」ことをベースとしたものとなっているわけで、確かにアポも取らずにこれだけの頻度で会えば仲良くもなるだろうと思わせる展開になっています。裏を返せば、個別のイベントがいちいち地味で、そのために萌え度も控えめになっています。

 

 キャラクターについては、1名をのぞいて全員が同じ高校の生徒で、優等生の同級生、幼なじみ、頑張る後輩、おっとり型の先輩、そのほかといったところが揃っています。各ヒロインの発言や行動などから心情を推察するのは難しくなく(紅葉は例外)、一方で主人公の行動も素っ気なさとクールさとのバランスの取れたところにあるので、主人公よりはむしろヒロイン側に焦点が当たっているシナリオと見る方がよさそうです。何も考えてなさそうなヒロインもいますけれど、それでもそれなりに悩みやら何やらに当たったときに、主人公が誠実に対処する、そして…という展開が中心となっています。

 オープニングでは、主人公のやる気なさがしつこいくらいにアピールされ、前向きで性格のよい友人(笑)との対比も相まって「内省的でウジウジ型か」と思ったのですが(それならそれでもかまいませんが)、むしろ「やる気はないけれど、性格はさっぱりしている」という設定になっています。このため、全体に嫌らしさがほとんどなく、ちょっとしたきっかけで女の子が周りにいてもおかしくないかな、という気になります。

 

 あと、弥生シナリオの終盤(2月)で、主人公を弥生が起こしにくるシーンがあるのですが、「こういうシチュエーションはちょっとマズいだろ(^^;」と思った箇所があったことを付け加えておきます。

ゲームデザイン

 マップ移動でキャラと出会い、会話中の選択肢によって好感度が上下するタイプのゲームで、攻略対象キャラは6人います(最初から攻略可能なキャラは4人)。原則として、土曜日のみ、任意の場所へ移動できますが、イベントが発生しない場所ははじめから移動先候補になりません(自宅をのぞく)。

 イベントの発生は原則として1日1回で、強制イベント(平日)・移動先発生イベント(土曜日)の双方ともに、イベント名が日付とともに表示されます。イベント発生日以外は何も起こりませんし、またルーティンイベントの使い回しもありません。ただ、マップ移動でイベントを回避しても、平日に強制イベントとして発生することもあります。

 ただ、シナリオごとの分岐は不明確で、スケジュール進行の度合いによって最終的にエンディングキャラが決定され、また好感度やイベント通過の数次第でノーマルエンドかトゥルーエンドかが分かれます(エンディングの表示が違います)。ノーマルエンド到達へすること自体は、どのキャラもさほど難しくはありませんし、登場する場所や日付はほぼ固定している(数週間程度のズレはあります)うえ、エンディングに必要なイベントの数は多くありません。しかし、シナリオオールコンプリートを目指そうとすると、スケジュール表を綿密に作成する必要があります。

 ただし、序盤でまっとうに顔を合わせるキャラは非常に少なく、攻略対象ヒロインでは紅葉くらいのものなので、特に初回プレイ時の序盤は非常にタルいものがありました。プレイをすれどもすれども退屈で、こんなものやってられるか、という気になったものです。最初のうちは移動画面が出てもどこにどう行けばいいのかわからず、適当な流しプレイが必要であるだけに、最初のツカミに工夫がほしかった。

不具合・修正ファイル

 プレイ中、「PP.exeの0除算です。モジュールRoSnd.dll」とエラーダイアログが表示され、ゲームが強制終了してしまうという不具合があります。ブロッコリーのWebサイトの「ユーザーサポート」に修正ファイルがアップされています。

操作性など

 対応OSはWindows98/Me/2000ですが、WindowsXPでも問題なく動きました。CD-ROM1枚で、初回版には別途音楽CDが同梱されています。ただし、初回版以外の版は見たことないんですけれどね(^^;

 インストールの際に必要なHDD容量は、約320MBです。プレイの際にはCD-ROMが必須です。また、起動時にフルカラー環境の場合、ハイカラーでの起動を求めるメッセージ表示されます(無視しても問題ありませんが、描画速度などがかなり遅くなりました)。

 ゲーム操作はマウスが基本で、キーボードは受け付けません。また、マウスクリックの反応はやや鈍めです。コンフィグメニューで、サウンド・メッセージ表示・メッセージウィンドウ・画面モードなどを切り替えることができますが、これらは逐一「ゲームのプレイ中に」設定する必要があり、トップメニューから選ぶことはできません。なお、メッセージ表示設定はゲームを終了するとクリアされるようで、起動するたびに再設定が必要というのも勘弁してほしいところ。

 画面は、640×480表示とフルスクリーンとを切り替え可能です。画面右側に、ロード・メッセージウィンドウ消去・メッセージバックロール・メッセージスキップ・コンフィグメニューの各ボタンが用意されています。

 テキスト表示速度の設定はあまり細かくなく(しかも起動するたびに再設定が必要)、かなりスピード自体が遅めです。初見のシナリオでは「First Play」と表示されます。メッセージスキップは既読の個所のみ可能ですが、なぜか日付が変わると止まってしまうので、非常に面倒です。また、効果音が鳴り出すと、マウスをクリックしてもスキップ不可能。これはいちいちストレスが溜まります。SEオフという設定も可能であるのが救いですが。また、読み返し機能はありますが、選択肢が出現すると読み返しができなくなります。メッセージスキップを止める時には若干タイムラグが生じるので、気がつくと選択肢、ということもあるだけに、ちょっと意地悪。

 セーブは土曜日の夜に10まで可能で、セーブ時の実日時とゲーム内の日付とが表示されますが、移動先選択の直後にセーブポイントを設置するというデザインは意地悪そのものでしょう。ロードは任意の箇所で可能です。ただし、タイトル画面に戻れないのは痛い。ひととおりプレイした後、シナリオコンプリートを目指そうとすれば、通過イベントをチェックしながらプレイすることになる以上、プレイ中にタイトル画面に戻るたいということがけっこう多いのに、不親切な設計です。

 トップメニューの「アルバム」をクリックすることで、ビジュアルCGの表示・イベント通過チェックに入れます。後者は通過した各イベント名のほか、選択肢による変化や日付・場所などのバリエーションまで網羅していますが、単なるチェックリストにすぎず、イベント回想モードになってはいません。これが装備されていればもっとよかったのですが。

 このほか、前回プレイ時で好感度がもっとも高い娘が「セーブしますね!」などと言ってくれるのは楽しいですね。

 また、「おまけ」という項目があり、各キャラクターごとに、トゥルーエンドを見ると壁紙をローカルディスクにコピー可能となり、全イベントをクリアするとシステム音声をインストールできるようになります。もっとも前者は、CGモードで表示した画像をキャプチャすれば済む話ですが(^^; 「おまけ」をすべてゲットするためには選択肢をすべて試す必要があるわけですが、これが非常に大変です。約束をすっぽかしたり神経逆撫で選択をしたりといったことまでやることになりますが、コンプリートのためには外道になることが条件のようで。

サウンド

 BGMは、PCMで演奏されますが、あまり印象に残っていません。音声は主人公以外フルボイスとなっていますが、キャラごとの演技のレベルがまちまちなのがなんとも。

 初回版には、音楽CDが同梱されており、テーマ曲「プリズム★ハート」のフルバージョンなどが入っています。個人的にこの歌気に入っちゃいました(^^)

グラフィック

 キャラクター原画は「水上広樹」氏。両目の間が開き、とがったアゴ、異様に長い髪型(ロング限定、って当然か)、いかつい肩などのクセが強いのですが、パッケージ絵を見て抵抗があるかどうかだけで決めて問題はないでしょう。少なくとも一枚絵CGの塗りは非常にきれいです。しかし、これが立ちCGとなると、各キャラ間のバランスが微妙にズレている上、ジャギーが妙に目立っているのはマイナスですね。

 あと、この手のゲームにしては珍しく主人公の顔が、最初からハッキリ出てきますが、全登場人物中いちばん間抜け面をしているように見えたのは私だけでしょうか(^^;

お気に入り

 キャラクターとしては、千秋とすみれとが横一線。一方はマイペース元気いっぱい娘、一方はマイペース穏やか娘と好対照ですが、流されやすい主人公が自分の身を固める(笑)パートナーとすればこの2人がよさそう。性格のよさでいえば藍子ちゃんも外せませんが、絶対主人公のこと買いかぶりすぎ(^^;

 シーンでは、「ハトに襲われる千秋」ですね。某ゲームでもなんだか似たようなシーンがありましたけれど(^^; ついで、「千秋と初詣」「ジト目で主人公に迫るすみれ」の順。

関連リンク先

 USGさんのサイト(閉鎖)にレビューがありました。アダルトともコンシューマーとも完全に独立したゲームのせいか、なかなか触れているサイトは少ないようですね。検索をかけると話題にはなっていたようですが、それは長期間の発売延期という面もありますし(^^;

総評

 なんだかんだいって、しっかりハマりました(^^; シナリオ自体はかなりベタなものが多く、あれこれ突っ込むのはヤボというものですが、お世辞にもよろしくない操作性、展開(特に序盤)の平板さ、出現表作成と地道なスケジュール管理を求められる難易度、こういった点が気にかかるかどうかでしょう。

 キャラの作りはきちんとしていますし、いろいろなパターンをうまく使っている(紅葉がややイレギュラーかな)点もよし。時間をかけてやりこみたい、安心できるシナリオでのんびり楽しみたい、という人向けですね。

個人評価 ★★★★★ ★★☆☆☆
2001年12月9日
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