PCゲーム感想【2】


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まじぷり -Wonder Cradle- (Purple Software

2004年6月4日発売

 前半はドタバタ学園モノ、後半はシリアス展開というタイプのゲーム。目立った特徴があったわけではなく、絵的には悪くなさそうだし、シナリオが平板でもまあいいかと思って手に取りました。

 しかし、メインヒロインの有里はまだいいとして、それ以外のキャラクターの言動や行動、そしてビジュアル設定などが、どうにもくどい。セリフ回しでキャラの特徴を出そうとしているのでしょうが、むしろ個別のキャラがどんな記号を持っているかを、プレイを進めるたびに丹念に解説してくださっている以上には思えません。記号付けを眺めるのも悪くはないのですが、トーンがかなり単調なだけに、「まだ続くのかよ」と思えてなりませんでした。

 さらに、妹の擬似猫耳や歩の巨大リボンは許せるにしても、体をすこしよじれさせると、こいつらには脊椎があるのだろうかと思いたくなるようなデッサン。

 一応エンディングまで見たものの、残りはイロモノ色が濃いキャラたちだけに、さて、どうしたものか。

※有里エンドのみ確認。

2004年10月4日

CROSS†CHANNEL (FlyingShine

2003年9月26日発売

 「ドタバタ的な日常の中に、シリアスな雰囲気をうまくミックスさせた佳作」として勧められ、優しいトーンのグラフィックにも惹かれて購入したゲーム。

 しかし、テキストに対して明確な拒否反応が出てしまいました。モノローグが通常のゲームに比べて非常に多いのですが、ここで使われるフレーズが寒いというのではなく、主人公とそれを取り巻く環境――個別の、あるいは集団をも含めたさまざまなレベルの人間関係が織りなすカオス――の乖離がうかがえ、不快な不気味さを喚起しているように思えたしだいです。主人公や各種キャラクターが、一見放埒に振る舞っているように見えるのも、この不気味さを倍増させています。

 進めていけば、その先になにがしかのおもしろさを見い出せるゲームなのかもしれません。しかし私には、このゲームを進行させることそのものが苦痛でした。精神的にリラックスした状態でプレイしても続かなかったので、これはもう無理かも。

※冒頭の1時間半ほどプレイ。

2004年10月4日

Stay ever... 〜約束なんてできない〜 (GA-BANG)

2003年2月28日発売

 まず最初に。私の環境では、そもそもインストールできませんでした。パッチを当ててああでもないこうでもないと試行錯誤して、なんとか起動までたどり着きましたが、それはさておき。

 背景画像がかなりチープ、キャラクターの造形も、あまりよろしくない意味で個性的とあって、特に通常シーンでは、学芸会を見ているような気になりました。シナリオ面でも、シリアスパートでの葛藤の向きが大きくブレてしまうため、後追いで「今どういう状況になりつつあるんだっけ?」と考え直さなくてはならないことがありました。

 トータルで見ても、チャプター単位で見ても、結論さきにありき、という印象が強く、そこにいたるまでの行動なり運命なりの呈示がわざとらしいものだったのが致命的。キャラクターの心情描写は、個別シーン単位ではなかなかしっかりできていますし、要所要所の締めもしっかりしているのですが、ストーリーを構成するユニットごとの連関が非常に希薄で、笑っていいのか悩むべきなのかさえわからないシーンが垣間見られました。

 ところどころに光るモノは感じられるのですが、メインルートをプレイした結果、先が見えてしまったか、という思いになっております。

※菜穂エンドのみ確認。

2004年10月4日

H 〜いつかたどりつけた場所〜 (F&C/FC01

2002年7月26日発売

 ゲーム名は「アッシュ」とフランス語読みですが、特に意味はなく、そのまんまのやりまくりゲームです。冒頭では一応ストーリーらしきものが出てきますが、それ以降は誰とどんなプレイをしていくかというだけで、時間の流れこそあるものの、お話もへったくれもありません。

 基本は800*600表示なのですが、なぜか右側5分の1くらいのスペースに、謎の広告もどきが入ります。無料Webサーバなどで表示される広告バナーのようなものではなく、既存の商品のパロディみたいなものなのですが、なぜこんなものが入っているのかよくわかりません。背景グラフィックのサイズ指定を間違えたとかいうオチでしょうか(^_^; また、キャラデザはいいのですが、肌の質感が欠けているように思えました。肌の露出が多いゲームである以上、もう少し手をかけてほしかった。

 このように単純明快なゲームなのですが、エンディングにいたるまでの時間がやたらと長いうえに、キャラ別の攻略順などによって、Hの際に可能なシチュエーションが大きく変わってくるのですが、これを探し出すのが実にたいへん。見た目に似合わずハードなゲームです。さらに、1つ1つのHシーンには短いものが多い一方、数(量にあらず)が多いため、作業感がどうしても出てしまいます。また、同じCGを使い回すケースが目立ったのも残念。さらに、やっとたどり着いたエンディングもとってつけたようなものなので、達成感が出てきにくいのも難点です。

 何も考えずに猿のようにやりまくるのがコンセプトなら、ここまで綿密なスケジュール管理を要求する必要はないでしょう。

※梓ハッピー(?)エンド1つ確認。

2004年10月4日

白詰草話 (LittleWitch

2002年7月5日発売

 人物の表情をさまざまなアングルで描き(顔のアップ、上半身のバストアップ、などなど)、それらを画面内で自由自在に配置しつつ、吹き出しを用いることで各会話のテンポを音声なしで的確に表現しています。画面切り替えの方法では映画を、コマ割りの方法では漫画の手法といえるのでしょうか。いわば演出で迫る作品、といえましょう。

 ところが、ストーリーが冗長に過ぎます。話がひたすら長い一方で、消化されない伏線が取り残されているケースがずいぶん多いうえ、中途の展開が基本的にどういうパターンでも大差ないため、どんどんダレていきます。さらに、主人公の設定上しかたないのですが、退廃的な雰囲気が強すぎ、このためにエンディングに向けた高揚感が感じにくくなっています。特に、倫理的な問題に対して決着をつけないというのは、結末ではあっても結論とはいえないと考えるのですが、このシナリオはめんどうな部分を攪乱して収めている観が拭えません。このため、エンディングを迎えても、どうにも後味の悪いものが残ります。前述のように話が冗長なので、ユーザーインタフェースがすぐれていてもリプレイの意欲がわかず、そのまま塩漬けになってしまいました。

 ムービーと連動して用いられる挿入歌は、各章の区切りごとに再生されるのですが、これは非常に質の高いものになっています。

2003年5月1日

僕と、僕らの夏 (light

2002年2月1日発売

 自分が少しの間過ごしたことがある田舎町に戻った主人公が、ダム建設によって間もなく沈むその村で友達と再会する、というストーリー。田舎という世界の生々しさ、そこで過ごしている各キャラクターの立場が赤裸々に描かれています。

 田舎の雰囲気が、牧歌的なよさをもって綴られている部分もある一方で、“よそもの”に対する微妙な姿勢などが描かれています。この種の描写は、得てして善玉悪玉的な形で描かれることが多いのですが、この『僕と、僕らの夏』では、こういった立場は半ば宿命的なものとして扱われています。爺さんにせよ貴理の親父さんにせよ、人柄がいいものとして描かれているにもかかわらず、どうしても反目せざるを得ないなど、地方社会が抱える問題点を冷酷なまでに示しています。その背景にあるのが、都市生活中心の論理による“地方開発”であり、それに対してどのような行動を取ったところで蟷螂の斧に過ぎないという冷酷な現実というものであり、この現実からハッピーエンドへと直結させない叙述は、非常にすぐれたものといえます。

 その一方で、逆に先に進めるのが怖くなってしまい、私は貴理エンドを見た時点で、それ以上進められなくなってしまいました。重層化された階層の呪縛から逃れられずにあがく人々、そして都市民−農村民という軸の見せる残酷さに耐えられなかった私は、やはりかなり弱い姿勢しかもちえないようです。これをエンターテインメントとして受け入れるのは無理でした。

※貴理エンドのみ確認。

2003年5月1日

雨上がりの猫たちへ (HOOK

2001年6月15日発売

 まず最初に。バグだらけで、まともにプレイできません。さらに、単純なアドベンチャーゲームであるのに強制フルスクリーンなどユーザーインタフェースが不親切そのもの、妙なニジミが目立つ背景など、プレイ意欲を削ぐいろんな要素が揃っています。

 こうなるとシナリオが第一(唯一?)の評価ポイントとなるのですが、マルチサイト方式を取っていながら、実際には各主人公のまわりで何が起こっているかを書いているに過ぎず、主人公達の焦燥感などが皮相的なレベルでしか伝わってこないことも相まって、何が起こるのか、と手に汗を握りながら進めることがありません。また、テキストのレベルがあまりにも低いため、読むのが苦痛でした。誤字の量以前に、比喩のセンスの欠如やボキャブラリーの乏しさはひどいものです。シナリオライター以外の人間が本当にこのテキストをチェックしたのでしょうか。

 これを最後までプレイできるだけの忍耐力は、私にはもう残っていませんでした。一応ゲームはまだ手元に残っていますが…。

※最初の2エンドのみ確認。

2003年5月1日

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